伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

「親鸞 生涯と名宝」展

2023年04月26日 | 展覧会・絵


今年は親鸞聖人の生誕850年という節目の年に当たるので、
東本願寺(と西本願寺でも)大々的に法要が取り行われていたが、
京都国立博物館ではこれを記念して親鸞聖人の展覧会が開かれている。



京都国立博物館
https://www.kyohaku.go.jp/jp/


親鸞聖人生誕850年特別展 親鸞—生涯と名宝
https://www.kyohaku.go.jp/jp/exhibitions/special/shinran_2023/
2023(令和5)年3月25日(土)~5月21日(日)
[主な展示替]
前期展示:2023年3月25日(土)~4月23日(日)
後期展示:2023年4月25日(火)~5月21日(日)


公式サイト
https://shinran850.jp/




うちも真宗大谷派なので、
京博の「親鸞─生涯と名宝」展へ行って来た。
展示替えがあるので
博物館のサイトで案内されているもの全部は見られなかったが、
それでも親鸞自筆の「教行信証」が見たかったので、
ほんの少しの展示(2ページ?)だったが見ることは出来た。







展示は7章に分かれていてまず目を引いたのは
「名号本尊」というもの。

真宗の本尊は阿弥陀如来であるが、
仏像や絵図のほかに、
漢字で名を書いてそれを軸にし、本尊とする慣わし?がある。
それを「名号」というらしい。
うちの家でも父が健在だった時は、
仏壇の代わりに「南無阿弥陀仏」と書いた掛け軸をかけて、
それを拝んでいた。

名号には十字、九字、八字、六字があるようで、
それぞれ「六字名号」などと称するらしい。
九字名号の「南無不可思議光如来」、
八字名号の「「南無不可思議光仏」、
六字名号の「南無阿弥陀仏」といった掛け軸が
ずらりと並んでいるのが真宗らしかった。



(親鸞自筆の六字名号も5月2日から展示されるらしいが
私が行った時はまだ展示されず)





そして次に印象的だったのは親鸞聖人の生涯を描いた
「親鸞聖人絵伝」というもの。
掛け軸と絵巻があり、鎌倉時代、南北朝、室町時代、と
時代によっても多くの絵伝が作成されたらしく、
似たような場面の絵伝が沢山展示されていた。

親鸞聖人が9歳で得度してから六角堂で籠って
夢で救世観音からお告げを受け、法然の弟子となり…
という場面などが描かれていた。
様々な絵伝が展示されていて、親鸞への信仰の篤さが伝わって来た。


親鸞自筆の国宝「教行信証・坂東本」(東本願寺所蔵)
は期待していたが、ほんの2ページほどで展示替えもあり、
当たり前かもしれないが、最初に見た時ほどの衝撃はなかった。
ずっと前に東本願寺所蔵の教行信証坂東本の修復が完成した時、
同じキョーハクで展覧会があり、
その時、親鸞聖人の自筆に激しい衝撃を受けたのだ。



筆致が激烈で、普通のきれいな楷書ではない。
熱情が迸るような筆なのだ。字に癖がありすぎる。
親鸞という人となりを表しているような字であった。
それでもふりがなまで振られている膨大な自筆を見ると、
親鸞の信仰の篤さ、教義を遺すために
いかに真摯に取り組んだかが分かって感動した。

今回、自筆の「教行信証」坂東本のほか、
西本願寺本、高田本が初めて集結したそうだ。
坂東本以外は写しで写本であったが(ともに重要文化財)
親鸞自筆そっくりの筆致をそのまま写していて興味深かった。
教団ではすでに親鸞聖人が崇められ、崇敬されている証だと思った。



今回は西本願寺蔵の「観無量寿経註」という
親鸞直筆のものも展示されていた。
これも驚くべきものだった。
欄外にものすごく小さな字で(それも癖のある字で)
細かくびっしりと書き込まれている。
よっぽど記しておきたいことがありすぎたのだろう。
(字はまったく読めないが💦、その情熱は伝わって来た)
迸るようなその文字を見ているだけで圧倒された。


そして親鸞が法然のもとに行き、
南無阿弥陀仏の教えを広めようとしたとき、
やがて師ともども流罪にされるが(親鸞は越後へ)、
それは比叡山や奈良の興福寺が親鸞らの教えを批判したからで、
いわば宗教者同士の対立からだった、と初めて知った。

何となく時の朝廷、権力者の反感を買ったからかと思っていたが、
そうではなく、宗教者の争いからだったとは…。


そのほか、親鸞聖人は聖徳太子を信仰していたので、
聖徳太子の童子像なども展示されていた。
親鸞聖人が六角堂で籠った時聖徳太子の本地、観音が現れた。
そのため真宗では聖徳太子を祀っている。



重文 聖徳太子立像(孝養像) 茨城・善重寺
(写真提供:神奈川県立金沢文庫) <通期展示>




西本願寺が所蔵する国宝「三十六人家集」も
思いがけず展示されていた。
料紙に装飾が施され、良く残っていてとても美しい。


東本願寺の華麗な障壁画なども展示。
普段見ることの出来ない、東西本願寺の至宝を見ることが出来た。



桜花図 桜花図/松・藤花図のうち 
望月玉泉筆
京都・東本願寺 <通期展示 >



そして親鸞の肖像で有名な「熊皮御影」(重文)があった。
奈良国立博物館が所蔵する有名なものだ。
展示替えがあるので、自分が行った時はこの「熊皮御影」だった。
国宝の「鏡御影」は5月2日からとのこと…


今回の展示で親鸞聖人の自筆を再び見たが、
膨大な書き込みから、親鸞の情熱、というより
いかにして信仰を体系づけるか
信仰の体系を遺すため心血注いでいたかということが分かった。


展示を見終えてグッズ売り場へ行くと、
ゆるい親鸞のイラスト入りのスタンプなどを売っていた。
同じイラストのTシャツやトートバッグもありカオスだった💦
買う人がいるのだろうか?と不思議だった💦



平成知新館の出口にてキョーハクのマスコットキャラクター、
トラりんに遭遇した。
うれしい(/・ω・)/
トラりんはサービス満点で、近づいて来たので手を振ると、
ハイタッチしてくれた。
うれしい\(^o^)/


外はツツジが真っ盛りできれいだった。
本館をバックに写真に撮った。




京都国立博物館の中庭は美しいので好きだ。




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