伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

「ボヘミアンラプソディ」

2021年06月07日 | 映画

映画「ボヘミアンラプソディ」がロードショーされていた時、
音楽好きの姪にどうだったかを聞いてみたら、

みんなわりと知っていることばかりで、
音楽の監修がブライアン・メイとロジャー・テイラーなので、
ジョン・ディーコンがないがしろにされていて(笑)可哀想だった、
という感想が帰って来た。



姪はまだ30代で若いのだが、70年代ブリティッシュロックが好きで、
マニアックに詳しいのだ。
シド・バレットのCDを持っているのを知った時にはビビった。
(誰も知らない💦)



「ボヘミアンラプソディ」はそれほど興味のある映画でもなかったので、
ロードショーの時は見なかったが、
テレビ放送されたので見てみることにした。



クイーンといえば、一番最初に認められたのは日本だ。
日本がクイーンを発見した、と言っていい。

70年代には日本ではブリティッシュ・ロックが全盛時代。
デビューしたてのバンドもいち早く、日本では競うように聞かれていた。

クイーンも日本のファンにお礼を返すように、日本語の歌を作って歌った。


「手を取り合って このまま行こう
愛する人よ」…


フレディの日本語の発音がとても上手なのに驚いたことがある。




クイーンのアルバムは1枚だけ持っていたかな。
当時、とても流行っていたので、彼らの有名な曲は知っていたし、
活躍も知っていた。


クイーンは特異なバンドだった。
はじめ、単純なハードロックバンドだと思っていたら、
フレディがオペラを好きだったこともあり、
多様な音楽性を持っていた。


フレディがエイズで亡くなった時は公表された次の日だったので、
すごく驚いた覚えがある。




さて、映画「ボヘミアンラプソディ」はいかにも脚本が弱い。

ドラマ部分が大ざっぱというか、雑な感じがした。



フレディ・マーキュリーがゲイだということを分からせるシーンは
少ししかなく、深く掘り下げていない。
エイズを発症するのだから、もう少し丁寧に描かなければならないと思う。


女性の(元)恋人を最後まで登場させる脚本はよいが、
それがかえってドラマを浅くしてしまった。


ということで、ドラマ部分は納得出来ない所が多く、
なぜあれだけ映画がヒットしたか分からない。

大失敗作だが、オリバー・ストーンの「ドアーズ」の方が、
ジム・モリソンの内面を描いていたように思う。



いや、殆どはクイーンの個性的な音楽のおかげなのだと思う。

「ボヘミアンラプソディ」が出来上がってゆく過程を見せている部分などは
なかなかリアル。

そういえばロジャーが自分の歌うパートが来ると、恐怖を感じた(笑)、
とあの頃語っていたと思う。



そして何と言ってもラスト20分にわたるライブ・エイドの場面。


フレディの豊かな声量、広い音域、歌唱力がたっぷり味わえる。
パフォーマンスを忠実に再現したフレディ役のラミ・マレックの熱演も光る。

…しかしあまり好みの顔でないのでアップはつらい(>_<)



ただライブ・エイド場面は
「愛と哀しみのボレロ」のクライマックスを思い起こさせた。

パフォーマンスを通して、それぞればらばらにいる人たちが
一つの思いに結びつく、というような。
カットバックは少しばかり陳腐な手法ではないだろうか。


バンドメンバーのそっくりぶりは見ものだった。


いっそのこと、ライブ場面をもっと多くして、
ドラマ部分をフレディのエイズによる苦悩だけに焦点をあてていたら、
なお良かったと思った。


それでもクイーンを知らない世代の人には、音楽が新鮮に聞こえたのだろう。











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