新聞にナタリー・ドロンが亡くなったと書いてあり、
初めて知った。
享年79歳だという。
自分が青春時代、思春期、とまでもいかない子供のころ、
活躍していた俳優たちが亡くなるのは、寂しいものだ…。
ナタリー・ドロンがもう79歳だったことも驚きで…。
考えてみればあれからもずっと時は流れていて、
子供の頃の憧れも、時間とともに過去へと押しやってしまう。
ナタリー・ドロンはアラン・ドロンの妻だった。
「笑点」で小遊三さんがアラン・ドロンをネタにしているが、
最近の人はアラン・ドロンさえ知らないだろう。。
アランは始め、プリンセス・シシー(皇妃エリザベート)役で
ヨーロッパで人気者だったロミー・シュナイダーと婚約していた。
共演した時、ロミーの人気に目をつけ、
野心家のアラン・ドロンが彼女を利用したのだ。
長く婚約を続けていたが、アランはロミーを捨て、
突然、ナタリー・バルテルミーと1964年、結婚を発表した。
ナタリーはドロン姓を名乗り、女優として67年、
「サムライ」でアランと共演。
彼女、ナタリーも野心家だった。
ドロンの名を利用し、次々に映画に出演した。
二人は似た者同士として気が合ったのだろう。
ナタリーはアランの息子も生んだ。
自分はアラン・ドロンは好みの顔ではなかったので好きではなかったが、
彼の映画は良いものが多く、当時よく見た。
ナタリーがちょい役で出た「サムライ」も良い映画だった。
ナタリー・ドロンの映画で最も成功し、また記憶に残るのは「個人教授」だ。
この映画は何度も見た。
まだ思春期とも言えない子供の時だったが、
タイトルも秀逸、宣材もセンスが良かった。
主題歌もとてもよくて、レコードを買った。
高校生のルノー・ベルレーが、年上の女性に恋をするという、
フランス映画らしい恋愛映画だった。
高級スポーツカーに乗っていたナタリーがエンストして困っている所を、
ルノー・ベルレーが助ける。
そこで二人は知り合い、高校生の片思いが始まる。
ナタリーはレーサーの27歳の愛人であった。
当時、子供だった私は27歳というとずいぶん年上だと思ったが、
今思うと27歳はまだ若い。
それでもフランスの高校生はませてるなと思った。
大人の女性と肉体関係にまで発展するのだから…、
映画に出て来るマンションの部屋のインテリアや、
雰囲気にフランスらしい粋を感じて、
さすがフランス、とフランスの街並みや、インテリアに憧れたりもした。
「個人教授」という映画は、
そういう個人的な思い出とも結びついている。
高校生ルノー・ベルレーは彼女をレーサーの愛人のもとに戻す選択をし、
諦めるという甘酸っぱい結末だった。
雨に濡れたホテルの部屋の窓越しに、ナタリーが微笑むラストは忘れられない。
ナタリーとアラン・ドロンは69年に離婚したそうだが、
そののちもナタリーはドロン姓を名乗り、女優業を続けた。
マルコビッチ事件では二人とも疑われた。
危機を強かに乗り越えたアラン・ドロンは、それからもフランス映画界で
活躍を続け、80代で引退した。
アランはナタリーの死を受け、こうコメントしたという。
「愛した人が世を去るのは常につらい。
ナタリーは最初の妻で唯一のドロン夫人だった」
女の扱いが上手かったドロンらしいコメントだ。
Rest in peace.
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