伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

京都国立博物館の展示

2007年08月02日 | 展覧会・絵
久しぶりに京都国立博物館へ行って来たので、
その報告…、
別に報告しなくても良いのだがそこはそれ、私の趣味なので…。

去年、夏の時期に大徳寺・真珠庵の名高い
「百鬼夜行図」が平常展に展示されていたということを、
展示時期が終わってから知って、
悔しくて歯噛みをした覚えがあるので、
今年またそんなことのないように、
情報を仕入れに行って来たのだ。
というか、今年も展示されるのを期待して行った。


今回行った平常展示では、
季節がら祇園祭関係のものが多かった。
「洛中洛外図屏風」とか、「祇園祭礼図屏風」とか。
「四条河原遊楽図屏風」なんてのもあった。


新収蔵品が展示されていて、
その中に江戸時代に作られたという
長刀鉾の雛型(ミニチュア)も飾ってあって面白かった。
ミニチュアといっても結構大きく、1/12くらいか。
中の人形がそのくらいの大きさだった。

お稚児さんとかむろもちゃんといるのだけど、
おかしかったのがお囃子方の人たち(の人形)。

囃子方というか、鉾の両サイドにいる人たちは、
今はお囃子を奏でる人が、
やぐらにお尻を向けて座っているが、
なんと、ミニチュアのそれは皆立って踊っているのだ。

江戸時代には鉾の上で踊りを踊っていたのかなあ。
江戸時代のものだから、皆ちょんまげを結っている。
皆楽しそうに、笑いながら踊っていたりする。
とても面白い。

そして、鉾の作り方が、本物と寸分違わない精巧な作りでびっくり。
見送りの飾り房や、鉾を結わえている綱の結び目まで再現している。
どれだけ見ても見飽きなかった。


その他の展示では
宗達の国宝「蓮池水禽図」が飾ってあって驚いた。
ふいうちだ。
しかし、この「蓮池水禽図」を見るのは二度目だけど、
何度見ても墨が薄くて、
絵が消えかけ(なのではないかと思えてしまう)。

蓮の茎の下部分、鴨の胴の下の部分がもう見えない。
…いや、わざと描いてないのかもしれないが。
とにかくどっちなのか分からないくらい、
薄すぎてもう殆ど見えない。
なんでこれが国宝なのだろうか。


宗達の墨絵は前に牛の図を見たが、
やはり薄すぎて何が描いてあるのか分からない。
というか、たらし込み技法の図だったのだが、
単に墨がぐちゃっと垂れているだけにしか見えない。
紙も黄ばんでいるし、何かきちゃない絵だなあと。
いや、宗達のそういうところが好きなんだけど。


「蓮池水禽図」も、構図といい、画題といい、
私の大好きな絵なのだが、
でもなんでこんな消えかけの絵が国宝?
という疑問は拭えないのだった。


9月になるとミニ宗達ウィークがあるみたいで、
「風神雷神」と「鶴下絵三六歌仙」が出るという。
うむ、これはなかなかすごい。この時期に「風神雷神」は渋いぜ。
そしてお待ち兼ねの「百鬼夜行」は9月20日から。
まあ、独立行政法人は、
これくらいのことをやってくれてもいいだろう。


時期が前後するが、
8月の始めから「大覚寺の名宝」が特集陳列される。
ということは、これは平常展で見られるということだ。
とても目出度い。
9月の「風神雷神」といい、
無料観覧の日には無料で見られるということだ。うほほ。


大覚寺は密教寺院で、
わりとひそかに宝物を豊富に持っている。
特集陳列では国宝も展示されるが
あまり大したことはなく(天皇の書簡だったり)、
天皇の手形つき書簡はまあ面白いかもしれないが…、
五大明王が展示されるのがなかなか期待出来る。

大覚寺の明王は大きいのと小さいの2セットあって、
両方重要文化財だ。
小さい方が5つとも出るという。
妙にまろやかな造形が面白くてお気に入りなのだ。

大きい方は東寺のものを忠実に写したものだと思う。
これは5つのうち2つ出るようだ。
私は明王ファンなので期待しているのだ。


そのほか狩野なんとかの襖絵などもごっそり見られるようなので、
これはきっと見応えがあるはず。

今回の平常展示のそのほかでは、
私の好きな扇子の貼り交ぜ屏風が幾つか展示されていて嬉しかった。

南禅寺の重文の屏風は実際に使って磨耗してしまった扇子を貼ってある。
昔の人は、本当に物を大切に使っていたのだと感激。

あまり使いすぎて古くなったものでも、
捨てないでこうして屏風に仕立てて、飾る。
飾りたくなるほど値打ちのあるものを
普段から使っていたということでもあるだろう。

あと金戒光明寺の文殊菩薩様が依然として展示中で、
すっかりレギュラー入りされていた。
相変わらず美しいお姿で、たっぷり拝見して来た。




美術館・ギャラリーランキング


京都府ランキング


フィギュアスケートランキング


↓ブログ村もよろしくお願いします!

にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村