知恩院というお寺へ行って来たのだった。
知恩院の三門によじ登った。この三門の階段は非常に恐ろしく、ものすごく急でしかも長い。綱を伝って登る。恐怖だった。
三門の上は四方に張り出しが出ていて畳が敷いてあり、廊下のようになっていて歩ける。
しかし、まっすぐではなく斜めに傾いでいる。しかも外側に向って傾いていて、ずり落ちてしまいそうだ。
もちろん柵はあるので三門から転がり落ちることはないのだが、そうなってしまいそうな恐怖がある。
何しろ私は高所恐怖症なのだ。
こんなに三門に上る階段が恐く、三門の上が恐いとは思いもしなかった。降りるのも恐い。うかつだった。知っていたら登らない。
南禅寺の三門(山門?)は石川五右衛門が絶景かなと言ったそうだが、この知恩院三門から眺めた景色はそれほど美しくない。
むしろ汚らしい。市内に灰色のビルばかりが並んでいる。京都市はいつの間にこんなに醜くなったか。見ていて落ち込んだ。
裏の緑の山は美しい。
知恩院は法然上人の浄土宗の寺だ。
禅寺だと落ち着いて鄙びた風情があり、密教の寺院は神秘的でお宝が沢山ある。
真宗のお寺は観光寺ではなく、お参りする実用のお寺だ。
それぞれに特徴がある。それらに比べ、浄土宗の寺院は何となく中途半端だ。
今回、方丈などを見なかったからかもしれない。
京都の民には浄土宗の宗派が最も多いらしいから、浄土宗は実用のお寺なのだろう。でも、そうであるには何となく騒々しい。
観光寺というにはあまり見るべきものはない。
だから知恩院の七不思議などと言って無理矢理見るものを作っている。
私も忘れ傘を見て来たけどさ。
「忘れ傘」というお土産のもなかも売ってたさ。
で、三門の中には羅漢たちがずらりとおいでで、梁にはカリョウビンガなどが踊ってた。
三門を作った大工のアーク(?)が置いてある。
三門を作ったがお金がかかりすぎて、その責任をとって自害したそうだ。
昔の人はこんなことでも命で責任をとらなくてはならなかったのだから大変だ。
知恩院は、ちおんいんだが普通ちおいんと発音している。よねえ。
近くに分裂した帆布店がある。