ウソ800

今日は4月1日のエイプリルフールですが、
俺はこの日になると、『ドラえもん』の単行本7巻の最初に収録されている
「帰ってきたドラえもん」を思い出してしまいます。

とても有名なこの話は、単行本6巻の最後に収録されている
「さようならドラえもん」からの続きになっています。

「さようならドラえもん」は、
突然未来に帰らなくてはならなくなったドラえもんを安心させて送り出す為に、
のび太が自分の力でジャイアンに立ち向かって勝ってみせるという、
涙無しには読めない感動作です。

そして、「帰ってきたドラえもん」では、
ドラえもんがいなくなって落ち込んでいたのび太は、
エイプリルフールにジャイアンにドラえもんを見かけたという
一番許せない嘘で騙されてしまいます。

思わずのび太は、ドラえもんが最後に残していった箱を開けてしまいます。

中に入っていたのは、飲んで言ったことが全て嘘になる
ウソ800(エイトオーオー)という道具でした。

のび太はこれを使ってジャイアン(とスネ夫)に仕返しするけれど、
最後には空しい気持ちになって呟きます。

「ドラえもんは帰ってこないんだから」と。

すると、自分の部屋に戻ると呟いた言葉が嘘になってドラえもんの姿が!

しかし、まだ薬の効果が切れていないのび太は、
「うれしくない」「ずうっとドラえもんといっしょにくらさない」と
逆のことを言いながらドラえもんと抱き合うのでした。

昔の俺は、「何だこの茶番は?」などと思っていたけれど、
今は一番好きな話です。