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夢のエネルギー「核融合」研究を推進。世界最大の実験炉が稼働 202207

2022-07-22 23:22:42 | 気になる モノ・コト

夢のエネルギー「核融合」研究を推進。世界最大の実験炉が稼働
 ニュースイッチ by 日刊工業新聞 より 220722


 夢のエネルギー「核融合発電=用語参照」の実用化に向けた研究が大きな節目を迎える。今秋にも量子科学技術研究開発機構(量研機構)が、世界最大の核融合実験装置「JT―60SA(SA)」を稼働する。
 フランスで建設中の「国際熱核融合実験炉(イーター)」を使った国際プロジェクトを補完し、人材育成を促進する役割なども期待される。
 海外でも核融合発電をめぐる研究開発が加速しており、関連の部品ビジネスにも商機が広がってきた。(小林健人)

⚫︎核融合発電
 重水素と三重水素の原子核をプラズマでぶつけて核融合反応を起こし、生じた熱を使い発電する。発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代エネルギーと期待される。1億度Cのプラズマを維持し続け、持続的に核融合反応を起こす。
 ウラン235の連続反応でエネルギーを生み出す原子力発電と異なり、核融合発電はプラズマを維持できなければ、反応が止まるため安全性が高いとされる。
 70年代に主要な理論が出そろい,その後,国内外で実用化に向けた研究が行われている。

⚫︎人材育成促進の役割期待
「昔から核融合発電は『実用化まであと30年、あと30年』と言われ続けてきた。それだけにSAやイーターの建造は、(実用化が)現実味を帯びてきたという意味で感慨深い」。
 東芝エネルギーシステムズ(川崎市幸区)の大勢持光一シニアエキスパートは、これまでの苦労を振り返る。

 量研機構は那珂研究所(茨城県那珂市)に日本と欧州が参画するSAを建造し、早ければ秋に稼働する。
 真空容器を収める「クライオスタット」のサイズは、高さ約15メートル50センチ、直径約13メートル40センチ。
 イーターが完成するまでは、世界最大の核融合発電の実験装置になる。

 核融合発電設備で、特に重要なのがプラズマを制御するコイルだ。イーターやSAではビームやマイクロ波で炉を温めプラズマを作る。そのプラズマは、コイルで生み出す「磁場のかご」で浮かせ続ける。万が一、1億度Cにもなるプラズマが核融合炉内の真空容器に接触すると、機器が破損するためだ。

早川エキスパートと大勢持シニアエキスパート

 プラズマを制御し続けるのは難しく、それぞれの部品に要求される品質は厳しい。7枚のコイルを積層して作る「トロイダル磁場コイル」は「イーターに納入したものは、1枚当たり1ミリメートル以内の誤差に収めないといけない」(大勢持シニアエキスパート)など、製造の難易度は高い。真空容器の溶接にも「ミリ単位の調整が必要だった」と東芝エネルギーシステムズの早川敦郎エキスパートは話す。SAはこれまで培ったノウハウの結晶だ。

 SAの目的はイーターではできない実験を行うことだ。イーターの工学設計は、20年以上前の2001年に確定した。
 「イーターには最新の知見は盛り込まれていない。それをSAが補完する」と那珂研究所の池田佳隆所長は説明する。例えば、核融合反応の効率アップを狙いプラズマの密度を高めるための研究などを行っていく計画だ。


 プラズマを加熱するためのビーム入射装置
並行して量研機構の六ヶ所村研究所六ヶ所地区(青森県六ケ所村)では高温に耐えうる材料の研究が進む。SAの稼働は人材育成の貴重な機会でもある。池田所長は「日本と欧州から若い研究者が那珂研究所を中心に集結し、核融合研究を前に進めてくれることを期待する」と話す。

⚫︎民間、30年代商用化へ
 日本、欧州、米国、ロシア、中国、インド、韓国が協力する国際プロジェクトであるイーター。25年にプラズマを発生・維持する実験のための運転を開始し、35年には核反応を起こす燃焼実験のための運転を開始する予定。
 SAはそれに協力する。その先にあるのは発電実証を行う「原型炉」の運用だ。日本政府は50年をめどに原型炉の運転を目標に掲げる。

 諸外国の動きは活発だ。英国は40年ごろに核融合発電所を建設する計画。米国は核融合研究を加速するための10年計画を策定すると発表した。民間企業を巻き込み、商業化を目指す。
 21年の民間投資は約3400億円以上に上り、スタートアップへの投資も進む。米コモンウェルス・フュージョン・システムズ、米TAEテクノロジーズはそれぞれ約1000億円以上の資金調達に成功した。

 民間企業では30年代の商用化を目指す動きがある。カナダのジェネラル・フュージョンは英国原子力公社(UKAEA)と実証用プラント建設に合意。25年の運転開始を予定し、商用化を急ぐ。

 関連ビジネスの商機も広がっている。京都大学発スタートアップの京都フュージョニアリング(東京都千代田区)は、熱を取り出し電力を生み出す部品に特化して事業展開する。部品の性能を試す模擬プラントの建設を予定し、商用化に向けた需要を捉えようとしている。すでに「(海外のスタートアップからの)引き合いが強まってきている」と長尾昂代表は話す。

 部品に関しては、日本がイーターやSAで培った知見を最も生かせる分野。池田所長は「日本の強みは研究から開発、製造までを一貫して行える点だ」と強調する。

⚫︎長期研究に国の支援必要
 国内で着実な進化をみせる核融合発電だが課題もある。一つは安全規制という指針が定まっていないことだ。英国は安全規制の方向性を示し、民間による研究開発の健全な活発化を促す。
 一方、日本は方向性も出ておらず、長尾代表は「民間では中性子の伴う実験炉や商用炉の建設計画は立てづらい」と話す。ヘリカル型と呼ばれる核融合炉の商用化を目指す、ヘリカルフュージョン(東京都千代田区)の田口昂哉代表も「海外での実証を検討に入れる必要もある」と国内に安全規制というガイドがないことの不自由さを訴える。
 同社は自然科学研究機構核融合科学研究所の研究者が中心になり、立ち上げたスタートアップ。現在は熱を取り出す部品などの開発を進める。40年ごろに10万キロワット級の核融合炉での発電開始を目指す。

 また資金などの問題をクリアしながら、どのように研究開発を長期にわたり継続していくかも重要テーマだ。EX―Fusion(エクスフュージョン、大阪府吹田市)の松尾一輝最高経営責任者(CEO)は「核融合で培った技術を他の分野に応用することも考えないといけない」と強調する。
 同社が開発するレーザー核融合は、レーザー光を照射し、重水素と三重水素の燃料を加熱することで核融合反応を起こす。同研究で培った知見を半導体製造などに応用し「時間のかかる核融合への足がかりを作っていく」(松尾CEO)としている。

⚫︎大和合金が開発する特殊金属
 特殊金属を製造する大和合金(東京都板橋区)の萩野源次郎社長も「核融合の先は長い。技術を他の分野へ応用する」と展望する。東芝エネルギーシステムズは核融合関連の業務がない時期は、超電導や加速器、原子力発電事業に人材を振り向け知見を維持してきた。

 ただ足の長い研究開発を民間の努力だけで継続することには限界がある。核融合発電の実現には民間の創意工夫を後押しする国の支援も必要だ。

《三菱重工、原型炉を見据える》
核融合発電の実用化に向けた研究開発が活発になる中、その中核をなすイーター計画に複雑な思いを持つ研究者がいる。約30年間、核融合研究に携わる三菱重工業の原子力セグメント核融合推進室の井上雅彦室長だ。
 「日本にイーターのような巨大な装置のレガシーが残らないのは残念だ」と吐露する。気持ちの裏には「日本が核融合分野を引っ張ってきた」という自負があるからだ。


@@日本がイーター向けに調達する主な機器(量研機構提供)

 三菱重工はイーターに納入したトロイダル磁場コイルのインボードと呼ばれる部分、全19基の製造を担当した。同部分の精度は約10メートルに対し、交差1ミリメートルの高精度を求められる。
 井上室長は「巨大かつ精度の高さが求められるイーター向けの部品は作り出したら後戻りはできない」と製造の難しさを口にする。

 核融合反応で生じるヘリウムや未燃焼の燃料を取り出す部品「ダイバータ」では世界に先駆けて高熱付加試験に合格。1000度C以上にもなる高温環境に耐えられる性能に加え、異材を接合する技術の確立が必要な部品だ。
 同社は90年代からモックアップ(模型)を作り、実現にこぎつけた。

 井上室長の目線は原型炉を見据える。「原型炉にはイーターとは異なる難しさがある。それでも核融合は原子炉の一種。だからこそ我々が培ってきたプラント技術が生きる」。念頭にあるのは、燃料である三重水素を製造する燃料サイクルシステムや核融合炉と発電部分を統合するインテグレーションだ。
 同社がこれまで原子力事業で培ってきた知見を活用する。部品製造においても、「イーターの設計完了以降の知見を活用すれば、もう少し精度の部分も甘くできるのではないか」と商用化に向けたコストダウンも見据える。イーターで採用された現地の製造建屋で部品を作るノウハウ獲得も視野に入れる。
 そのため他の革新炉開発や国外の原子力発電向けに部品交換を通じて、人材やノウハウを維持していく予定だ。その先に捉えるのは「夢のエネルギー」核融合の実現だ。
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🎭 京都・下鴨神社で「御手洗祭」境内池に足つけひんやり、無病息災願う 202207

2022-07-22 22:02:00 | 〽️ 行事・新案内等 控え

京都・下鴨神社で「御手洗祭」境内池に足つけひんやり、無病息災願う
  京都新聞 より 220722


水に足をつけながら、ろうそくを供える参拝者たち(22日午前,京都市左京区•下鴨神社)
 境内の池に足をつけて無病息災を願う「御手洗(みたらし)祭」が22日、京都市左京区の下鴨神社で始まった。蒸し暑さが強まる中、参拝者がひんやりとした水に入って涼を感じながら、献灯した。

 平安時代の貴族が夏の疫病を防ぐために始めたみそぎが起源とされ、「足つけ神事」とも呼ばれる。毎年土用の丑(うし)の日のころに行われる。

 セミの鳴き声が響いた日中には、次々と参拝者が訪れ、御手洗池に素足を浸しながら、御手洗社にろうそくを供えた。愛知県東郷町から訪れた会社員男性(35)は「冷たい水に足をつけ、心が清められた気がする。家族で来ることができ、いい思い出になりました」と笑顔で話した。

 31日まで午前9時から午後8時に行われる。
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新型コロナ「中国・武漢流出説」がこれだけ拡散された自業自得  202207

2022-07-22 18:21:48 | なるほど  ふぅ〜ん

新型コロナ「中国・武漢流出説」がこれだけ拡散された自業自得
 幻冬社ゴールドオンライン より 220722  渡部 悦和


 当初、世界のウイルス専門家の多くは「武漢ウイルス研究所」からの流出説を否定していました。一方で、中国当局が新型コロナの発生に関する情報を隠そうとすればするほど、「ウイルス流出説」を否定できない状況になっていきました。
 元・陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和氏が著書『日本はすでに戦時下にある すべての領域が戦場になる「全領域戦」のリアル』(ワニプラス)で解説します。

専門家の多くが武漢流出説を否定していたが
■中国の新型コロナを利用したウイルス戦を疑う人たちの言い分

 当初、世界中のウイルス専門家の多くは「武漢ウイルス研究所(WIV:Wuhan Institute of Virology)」からの流出説を否定していた。
 しかしながら、自然界の新型コロナの発生源を特定できないうえ、何よりも中国当局が頑なに新型コロナの発生に関する情報を隠蔽して、データの公開を拒否している。

そのため、WIVからの流出説を陰謀論だと完全には否定できない状況になった。
 中国当局が隠そうとすればするほど、「武漢ウイルス研究所流出説」を否定できない状況になっているのだ。

 新型コロナに対して日米の保守の人たちは、「これは中国が仕掛けたウイルス戦ではないか」と疑っている。彼らの言い分をまとめてみると以下のようになるだろう。
 
▶全世界が新型コロナに苦しんでいる状況下において、中国はいち早く新型コロナ鎮圧宣言をし、世界先進諸国で唯一2020年のGDPのプラス成長を誇示した。これは、中国がウイルス戦を仕掛けた成果であろう。

▶中国は、新型コロナに対するワクチン開発において、非常に短い期間で開発を完了し、実用化した。これは、あらかじめウイルスの構造を知っていたからではないのか。

▶新型コロナのパンデミックのなかで苦しむ米国を尻目に、中国はマスク外交やワクチン外交を展開し、米国の代わりに世界の覇権を握ろうとしている。中国は、とくに自国のワクチンを「世界の公共財」として奨励し、中国のワクチンの入手しやすさと安定した供給を強調し、発展途上国や西バルカン諸国に宣伝している。米国にとって代わることがウイルス戦の狙いだったのではないのか。

▶中国が決して新型コロナに関する情報を開示しようとしないのは、自らがそれを人工的に作ったものであり、それが明らかになるのを恐れているからではないのか。

 疑いだしたらきりがないが、以上のような疑念を抱く人が多いから、新型コロナの起源に関する真実を追求して結論を出し、二度とこのようなパンデミックが起こらないようにすることが大切である。

なぜ世界保健機関の報告書は中国寄りなのか
■中国の影響を受けた世界保健機関(WHO)の報告書 

 新型コロナの起源についてはWHOの見解が重要になる。WHOは2021年3月30日、新型コロナの起源に関する報告書を公表したが、報告書の内容は中国共産党の影響をうかがわせる不完全なものであった。
 同報告書は、ウイルスの起源に関する4つの仮説について分析している。
 
①最も可能性が高い仮説
 コウモリから他の中間宿主を経てヒトに感染した。
②次に可能性が高い仮説
 コウモリから直接ヒトに感染した。
③可能性のある仮説
 輸入冷凍食品を介してウイルスが中国にもちこまれた(WHOはこの仮説について、「可能性がある」ため追加調査をする価値があると判断した)。
④きわめて可能性が低い仮説
 WIVのような研究施設の事故(incident)によりウイルスが流出した。

 つまり、同報告書は、「WIVのような研究施設からウイルスが流出した可能性はきわめて低い」と結論付けるとともに、WIVの施設について「適切に管理されていた」「世界水準でみても、バイオ安全性の高い研究施設で、当局や内部による定期的な見直しと新たな知見の検証がおこなわれていた」と肯定的に評価している。 

 しかし、ジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)はこの報告書を批判した。

 WHOのテドロス・アダノム事務局長でさえ同報告書の信憑性のなさを認識している。
彼は「今回の評価が十分広範囲なものだったとは考えていない。より堅固な結論に達するためには、さらなるデータと研究が必要になろう」「調査チームは、WIVからのウイルス流出説はもっとも可能性の低い仮説だと結論付けたが、これはさらなる調査が必要だ」と語っている。

 テドロス氏はさらに専門家を派遣する用意があるとしているが、中国政府はそれを拒否している。また、中国政府は、公式の見解に疑問を呈した科学者やジャーナリストを2020年に沈黙させたが、新型コロナ発生源に関する情報にWHOの調査チーム等が独自にアクセスすることを制限している。

中国の科学者に都合のいいデータを提供
■WHO報告書への反論
以下、WHO報告書に対する反論を紹介する。

▶WIVは多くの問題を抱えていた
 中国国営メディアによると、WIVの当局者は「WIVでは新型コロナウイルスについて接触も保存も研究もしておらず、同ウイルスの設計も作製物も流出していない」と述べている。また、WIVが2018年に危険度の高い病原体を扱える「BSL4施設」を開設して以来、病原体の流出やヒトへの感染は一切起こっていないとも主張している。

 しかし、米国務省の2021年1月の報告書によると、WIVはコロナウイルスを扱っている。米国の専門家が2017年と2018年にWIVを訪れ、国際的に定められた標準を下回る安全基準で、感染性のコウモリ由来のコロナウイルスが扱われている危険性を警告していた。

 さらにWIVではコロナウイルスの「機能獲得型変異」の研究がおこなわれていたが、これはとくに大きな問題とされた。
 理論的には,「機能獲得型変異」研究により、ウイルスが本来の宿主(例えばコウモリ)以外の新たな生物種(例えば人間)に感染する能力を得る可能性がある。

 なお、米連邦政府が2014年に定めた定義において「機能獲得型変異」研究とは「病原性や伝染性を高めることで、感染因子が病気を引き起こす能力を高める」研究としている。

 WHO報告書は、中国政府の主張を受け入れ,<2019年12月までの数ヶ月から数週間にわたり,新型コロナと一致する呼吸器系疾患の報告はなかった。>と記述している。
 しかし、米国務省は2021年1月の報告書で〈新型コロナ発生事例が確認される以前の2019年秋に、WIVの複数の研究者が、新型コロナと通常の季節性疾患の双方にあてはまる症状を示す病気になったと確信をもてる根拠が存在する。〉と指摘している。

 WIVの著名なコロナウイルスの研究者で「バットウーマン(コウモリ女)」と呼ばれている石正麗氏は「WIVに解放軍とのつながりはない」と述べている。
しかし、米国務省の報告書は
<WIVは何年もの間、出版や秘密のプロジェクトで解放軍と協力してきた。WIVは、新型コロナに類似の各種ウイルスに関する研究について透明性を欠き、説明が首尾一貫していない。> とも記している。

 また、米国務省の報告書は<WIVの説明によると、重要なウイルスデータベースは、セキュリティ上の理由でネットから切り離されて閲覧できない。>と記述している。
 米国務省の主張は広範な情報活動に基づいたものであり、バイデン政権はこれらの指摘の大半を公式に受け入れた。

 バイデン政権でコロナ関連の広報を担当するアンソニー・ファウチ氏でさえ、研究所からの流出の可能性を認めた。彼は以前、新型コロナの発生源がWIVだという考えを一蹴してきた。彼は、米疾病対策センター(CDC)前所長のロバート・レッドフィールド氏の指摘にも反論をしてきた。

 レッドフィールド氏の指摘とは「武漢の病原体の発生源としてもっとも可能性が高いのは研究所だと、現在も考えている」「この種の研究では、研究所職員がウイルスに感染することは珍しくない」というものだ。

▶WHO調査団のメンバーの問題

 WHOの調査団が2021年、武漢を訪れたが、中国当局は有益な情報をほとんど提供しなかった。米国など14ヶ国の政府は、WHOの調査が「大幅に遅れ、完全なオリジナル・データやサンプルにアクセスできなかった」という批判的な声明を発表した。

 WHOの調査報告が中国寄りで客観性に疑問が残る内容だったことは驚くべきことではない。なぜなら、中国政府の科学者たちが自分たちに都合のいいデータのみを提供し、それをもとに作られたのがWHO報告書だからだ。 

 また、WHOの調査団には利益相反の問題がある。調査団メンバーである英国人感染症学者ピーター・ダスザック氏は、長年にわたってWIVに協力しており、「機能獲得型変異」研究を支援してきた。
 彼は2020年2月に「新型コロナの発生源が自然界ではないことを示唆する陰謀論」を非難する声明をまとめ、医学誌『ランセット』に掲載するのを支援した。

 もうひとりの調査団メンバーであるウイルス学者マリオン・クープマンズ氏は、WIVにおける「機能獲得型変異」研究を実施したオランダ・チームの責任者であり、パンデミックの発生源が研究所だった場合、深刻な非難を受ける可能性がある人物だ。



▶︎渡部 悦和
前・富士通システム統合研究所安全保障研究所長
元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー
元陸上自衛隊東部方面総監
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⚠️ 戦車も火砲も鉄道貨物が必要だ! 自衛隊が国交省へ「直訴」に至ったウクライナ情勢と国内事情 202207

2022-07-22 18:01:00 | 気になる モノ・コト

戦車も火砲も鉄道貨物が必要だ! 自衛隊が国交省へ「直訴」に至ったウクライナ情勢と国内事情
  乗りものニュース より 220722  深川孝行


⚫︎"JR貨物検討会"で貨物列車の活躍ぶりを猛アピール
 今回のウクライナ戦争は日本の防衛省および自衛隊にとって衝撃の連続だったようで、特に「兵站」(へいたん。ロジスティックス)、つまり軍事物資の輸送で「鉄道」が大活躍する事実に関心が高いようです。
【自衛隊が提出した「アツすぎる貨物プレゼン資料」】
  (コンテナ貨車をけん引するJR貨物のEF200形電気機関車)

 折しも2022年3月から国交省主催の「今後の鉄道物流のあり方に関する検討会」がスタート。検討会の目的は「経営不振のJR貨物の復権」で、JR貨物の大口顧客たちに不満や意見を述べるアンケートを求めたのですが、その1人である防衛省/自衛隊の回答内容はウクライナ戦争を前面に押し出した一見強烈な印象のものとなっており、一部をざわつかせたのです。

 とりわけロシア・ウクライナ両軍の鉄道輸送利用を分析した項目が注目で、両軍が今回の戦争で戦車・装甲車の輸送に鉄道を大々的に活用している点を指摘し、「高速・大量輸送」の優位性を強調しています。

 続く「見どころ」は、具体例を画像付きで詳細に解説している点です。ロシア軍については、極東部隊がシベリア鉄道でベラルーシに急速移動し、ウクライナの首都・キーウの攻略作戦に投入された後に反転、再びベラルーシに退き今度は鉄道に乗りロシア領内を迂回しつつウクライナ東部のドンバス地方に布陣し、侵略作戦に加わったという事実を紹介しています。

 関連画像として屋根のない長物(貨)車に載せられウクライナ方面に運ばれるT-72戦車の様子や、2021年の演習でBTR-80装輪装甲車などを載せた長物車と、将兵を乗せた客車とを連結した「混結」の軍用列車なども掲載。

 さらにウクライナ軍についても同様で、チェコが供与したT-72戦車や、スロバキアが提供したS-300地対空ミサイル・システムの大型車両がそれぞれ積載された貨物列車の画像を紹介しています。

 回答書はさらに続き、本筋である自衛隊の輸送任務に話題を移すと、昨今の中国軍の脅威を念頭に、有事には北海道、本州、四国の基幹部隊(人員、装備品、補給品)を沖縄・九州の「南西地域」に素早く移動することが根幹だと訴えます。
 そして実現のため船舶や航空機、トラック、鉄道、自走など多彩な輸送手段を用意し、1つの輸送手段が寸断しても別の輸送手段がカバーする体制が重要だと強調しています。
 とりわけ北海道~九州間の場合、車両、戦車、火砲などの「装備品」や弾薬、燃料などの「補給品」の運搬には、トラックや船舶とともに鉄道も重視すると宣言しています。
 そしてその理由として「コンテナで多種多様の装備品・補給品の輸送が可能」という点を挙げており、鉄道の安全性やダイヤの安定性も併せてJR貨物が提供する鉄道貨物に大きな期待を抱いていることをアピールしています。

⚫︎肝心かなめの戦車は鉄道で運べない?
 では現在、自衛隊、特に陸上自衛隊は貨物列車でどんな車両・資材を運んでいるのでしょうか。
 車両に関しては16式機動戦闘車を皮切りに、96式装輪装甲車、87式偵察警戒車、高機動車、軽装甲機動車など装輪(タイヤ)式車両全般や、73式装甲車といった装軌(キャタピラ)式車両の一部、FH70 155mm榴弾砲(短距離自走が可能)などです。

 使用する貨車は主力のコンテナ貨車「コキ100系」(最大積載重量約40.5t、コンテナは12フィート5個、20フィート3個積載可能)で、床に木材など緩衝材を挟み込んで積むのが一般的ですが、近年では「40フィート・トラックコンテナ」と呼ばれる、両サイドと屋根のない特殊なコンテナに装甲車を載せて積み降ろしの手間や時間の軽減に努めています。

 JR貨物は石油輸送など一部を除き、ほぼ全てが「コンテナ仕様」であるため、このサプライ・チェーンに対応した方が効率的というわけです。もちろん他の機材や物資などは、弾薬を除いて(弾薬類はトラック輸送)12フィート(通称「ゴトコン」)、20フィート、31フィートの各コンテナに収納するのが原則です。

 気になる「戦車」の鉄道輸送ですが、前述のように防衛省/自衛隊はウクライナ戦争における戦車の迅速輸送で、鉄道の貢献度をことさら重視しています。
 とはいえ、JR在来線の線路幅(軌間)は1067mmの「狭軌」に過ぎず、しかも国土が急峻でトンネルが非常に多いため、列車幅(車両限界)も「ジャスト3m」に厳しく制限されています。欧州の一部や北米、旧ソ連圏は線路幅「1520mm」(いわゆる広軌)で整備が進み、車両限界にもひろい余裕が用意されていることを考えると、鉄道事情は根本的に異なります。

 このため、戦後初の国産戦車「61式」(全幅2.95m)は鉄道輸送ができたものの、次世代の「74式」(同3.18m)は「履帯(キャタピラ)を外せば」という但し書きが追加。それでも少々非現実だったこともあり、実際の活動では鉄道輸送は行われていないようです。
 「90式」(総重量50.2t、同3.33m)は重量・全幅ともに規格外すぎて論外。
 現在の主軸「10式」は90式に比べ総重量44t、全幅3.24mと多少ダウンサイジングがなされており、発着駅での積み降ろし用の専用プラットフォームなどインフラ整備を行えば、多少なりとも鉄道輸送が期待できるかもしれません。

⚫︎10式戦車鉄道輸送のための布石なのか
 中国の脅威に加え、新たに「ロシアの脅威」にも対処しなければならなくなった日本にとって、陸自の主力部隊が北へ、南へと迅速に移動する能力が今まで以上に求められています。
 これらを考えれば、例えば新幹線の車両限界(全幅3.4m)を採用する青函トンネルの部分だけでも10式戦車を鉄道輸送できれば、北海道~本州の輸送手段に選択肢が生まれ国防上非常に有効となるはずです。
 ちなみに現在この区間の輸送は船舶のみで、万が一暴風雨や仮想敵国が機雷や潜水艦で海上封鎖を行った場合は、1両をそのまま空輸可能な輸送機は航空自衛隊にないので、分解して数機で運ぶか、またはアメリカ軍に頭を下げて空輸してもらうしかないのが実情です。

 実はこれに関して前述の防衛省/自衛隊の回答の中に注目すべき箇所があるのです。
北海道~九州の輸送に関して「装備品(車両,戦車,火砲等):民間輸送力(鉄道,トラック,船舶)…」という記述が。
 つまり「戦車や火砲などをより速やかに輸送するには、鉄道貨物が必要なのだ!」という“陸自側のメッセージ”なのでは?とも見られているのです。

 2022年の春ごろからJR各社が続々と赤字ローカル線の実情を発表、不採算路線の廃止も念頭に置いた議論が進んでいます。
 自衛隊の“鉄道必要論”は、こうした風潮に対して危機感を抱く防衛省/自衛隊の“牽制”では、とも。
さらには「少子高齢化、人口減少が進み、これまで依存して来たトラック輸送を担う大型トラックの長距離ドライバーの確保すら厳しくなる一方で、これをカバーするため“鉄道回帰”を図っているのでは」との見方もあります。
 果たして今後「自衛隊貨物列車」がどれだけ全国を駆け抜けるようになるのか注目です。
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⚠️ 深刻すぎる「電力不足」のウラで、日本の「火力発電所」が激減している意外なワケ まさかこんなことになるとは 202207

2022-07-22 17:36:00 | 気になる モノ・コト

 深刻すぎる「電力不足」のウラで、日本の「火力発電所」が激減している意外なワケ まさかこんなことになるとは
 現代ビジネス より 220722  荻原 博子


⚫︎深刻な電力不足が日本を襲っている。
【前編】「マジ…? 日本でヤバすぎる「電力不足」が起きているのは、「政策のミス」が原因だった…!」で見た通り、じつはそのウラで、火力発電所の供給力は2016〜2022年のあいだに2214kWも減っていた。
 この数字は、原発22基ぶんほどの供給力に匹敵する。いったいなぜこれほどまでに火力発電の供給力が減ってしまったのか。

⚫︎「事前届出」から「事後届出」へ
 政府が言うように、火力発電所の設備が老朽化してきたということはありますが、最も大きな要因は、2016年の電力の全面自由化で、発電所の休廃止が、それまでの「事前届出」から「事後届出」に変わったことにあります。

「事前届出」と「事後届出」の最も大きな違いは、役所のチェックが入るか入らないか。

「事前届出」は、事業所が電力所の休廃止を国に申し出ますから、国が事前にチェックして、「この夏は電力が逼迫しそうなので、もう少しのあいだ稼働してほしい」と要請することが可能です。ところが、「事後届出」では、火力発電所を休廃止した後に届出を出せばいいので、国は口出しできません。
 国全体の電力が足りるかどうかなどは関係なく、事業者は、儲かるか儲からないかで判断して、発電所を稼働させるかどうかを自分で決められるのです。

 そうなれば、自由化された市場では、発電事業者は、稼働率が上がらない設備をできるだけ減らしたほうが儲かるということになります。

 電力には、常に決まった需要があるわけではありません。

 春や秋のように温暖な季節だと冷暖房もそれほど必要ではないので、設備をフル稼働させる必要はありません。一方、真冬の寒い日や真夏の暑い日のように大量の電力が必要な時には、設備をフル稼働させなくては需要に対応することができなくなってしまいます。

 問題は、真冬の寒い日や真夏の暑い日というのが、年間数週間しかないということ。
自由化前の電力会社は、このピーク時の電力を確保するために、普段は使わない施設でも常に維持管理しておかなくてはなりませんでした。
 つまり、普段は5の施設があれば充分だとしても、ピーク時の数週間のために10の施設を確保しておかなくてはならなかったというわけです。

 けれど、電力の自由化で競争になると、発電事業者が稼働率を上げるには設備を減らしたほうがいいということになってしまいました。

 それが、自由化で「事後届出」になり可能になったので、火力発電施設がどんどんと減ったのは当然でしょう。
 たとえば、関西電力の場合、2015年度末には1940万キロワットあった火力発電設備は、2019年度末には1580万kWまで減っています。わずか4年で、原発4基弱の発電量が減っているのです。

 結果、自由化以降、日本全国で原発22基ぶんの電力が減ることになってしまったのです。

⚫︎電力政策の失敗で「電力難民」続出
 ここでちょっと、電力の自由化のなかで、発電部門の状況がどうなったかを見てみましょう。

 電力の発電部門は、1995年に電気事業法改正によって、発電事業への参入が原則として自由化されました。

 それまでは国の「認可」が必要だった発電所の建設が、この時に「事前届出」というかたちになったのです。
 「認可」だと、国が許可するまでは発電所の新設や休廃止はできないのですが、「事前届出」なら、届け出てから30日の間に、所轄の産業保安監督部から変更の指示がなければ工事に着工することができます。

 この時点でも、原子力発電所や波力発電など特殊なものは認可が必要でしたが、水力、火力、太陽光発電、風力発電などは、「事前届出」になりました。

 そして、その後2016年の完全自由化で「事後届出」に変わりました。

 2016年に電気の小売業への参入が全面自由化され、新しい電気会社も次々とでき、消費者が自由に電力会社を選べるようになりました。
 これによって、それまで各地の電力会社(東京電力、関西電力など)が決まったエリアの中で供給していた家庭や商店などは、自由にどこから電気を買ってもいいということになりました。

 電力の自由化にあたっては、電力不足が起きない仕組みもつくられました。

 全国レベルで平常時・緊急時の電力供給の調整を目的として「電力広域的運営推進機関」が設立され、「常時バックアップ(常時BU)」で、新しくできた電力会社が家庭や企業に電力を十分に供給できない時は、東京電力や関西電力といった大手電力会社が足りなくなった電力を肩代わりすることになりました。

 さらに、2020年には、将来、電力が足りなくなった時に確保できる「容量市場」がスタートしました。

 こうしたセイフティーネットは設けていたものの、自由市場では世界的なエネルギー価格の高騰で電力の価格が暴騰。さらに「容量市場」もスタートしたものの、実際の取引が始まるのは2024年からということで間に合いません。

 こうした中で、新電力の1割以上が倒産、廃業するという事態が発生。こうしたところから大手電力会社に移れない「電力難民」が3月からの累計で2万件以上も発生しました。

 セイフティーネットが、あまり役に立たなかったと言わざるを得ないでしょう。

 こうした事態に、政府も大慌てで6月13日に改正電気事業法を可決成立させ、これまでの発電所の休廃止の「事後届出」を再び「事前届出」に戻し、同月17日に、休廃止予定日の9ヵ月前までに届け出を求めるという方針を示しました。
 ただ、これですぐに供給量が増えるわけではないので、電力不足で日本中が大騒ぎとなっているわけです。

⚫︎規定路線化してきた、原発再稼働
 7月14日に、岸田首相は官邸での記者会見で、9基の原発を再稼働すると宣言しました。

 原発の再稼働については、安倍政権でも「安全が確認された原発は再稼働する」と明言しているし、菅政権でも「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に、堂々と原発の再稼働と新炉の開発を盛り込んでいます。

 岸田政権でも、5月13日、2050年の脱炭素社会に向けた「クリーンエネルギー戦略 中間整理」で、経済産業省は「再エネ、原子力などエネルギー安保及び脱酸素の効果の高い電源の最大限の活用」を明記しました。

 6月7日に決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)」でも、原子力の扱いについては昨年の「可能な限り依存度を低減しつつ、安全優先の原発再稼働を進める」から一歩踏み込んで「最大限活用」と明記しています。

 こうした中で、電力の需給が逼迫し、安倍氏の事件が世間を騒がせ、選挙に大勝したタイミングでの再稼働という公表は、最も国民に理解を得やすいと考えたのでしょう。

 東京新聞の取材では、政府関係者が「動かせる原発を全部動かす。再稼働のめどが立っていなくても早く検査を済ませて、頑張って(冬に)間に合わせるということだ」と語ったと伝えています。

 勘ぐりすぎかもしれませんが、こうした一連の流れを考えると、電力の不足が懸念される中で、今まで自由に火力発電所を休廃止させてきたのも、背景には、原発再稼働という大きな目的があったからではないかと疑いたくなります。

⚫︎福島原発のツケを電気料金に上乗せ
 原発については、火力発電よりもコストが低い電力と言われてきました。けれど、それは原発が絶対に事故を起こさないという前提での話です。

 2017年、関西電力が電気料金の値下げをしました。一般家庭で年間約4000円も安くなるということで、安くなった要因の1つが原発再稼働なのだと宣伝されました。

 けれど、いったん事故が起きれば膨大なコストがかかり、そのお金は、家計の電気代にも上乗せされてきます。

 多くの方はご存じないかもしれませんが、2021年10月から、こっそりと福島原発の「賠償負担金」と「廃炉円滑化負担金」が、みなさんの電気料金に上乗せされています。

 そもそも、東京電力が引き起こした事故ですから、「賠償負担金」は東電が全額負担するのが筋ですが、そのお金に不足分があるとして2・4兆円を電気代に上乗せし、さらに廃炉につても、莫大なコストがかかるので、その一部の4740億円を電気代に上乗せ。この合計約3兆円は、目立たないように多くの家庭で長期にわたって払う仕組みになっています。

 しかも、福島であれだけ大きな事故が起きたというのに、現在の原発の安全対策は、事故が起きない前提のまま。原発再稼働についてオーケーを出す原子力規制委員会は、原発そのものの安全性はチェックしますが、事故の際の避難経路や駐車場の確保、被災生活も含めた避難計画にはノータッチです。

 もちろん、当事者の電力会社もそれに責任を負うわけではなく、再稼働を許す自治体でも万全の対策を取っているというところはほとんどありません。
 つまり、事故が起きたら住民は満足な避難誘導も受けられず、賠償負担金から廃炉の費用まで電気代に上乗せされるというとんでもないことになるということです。

 繰り返しになりますが、昨今の電力不足は、原発を止めたことで起きているのではなく、原発22基ぶんもの火力発電所を休廃止してしまったことで起きています。
 これは、国の失策とも言えますが、それを上手に利用して、原発再稼働をスムーズに進めようとしていることは見逃せません。

 福島原発では、デブリの取り出しがほとんど不可能な状況で、福島原発を廃炉にするロードマップは、完全に暗礁に乗り上げているようです。
 けれど、原発再稼働の政府のロードマップだけは、着実に進んでいるようです。
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