中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

歇后語 中国のかけことば (2)見識の狭いことを表すことば

2009年09月14日 | 中国語
歇后語は、後半のかけことばの解、本来言いたいことを見ると、同じ結論になるものが多い。その中で、今日は見識が狭いことを表すことばをまとめてみた。

土地廟里的菩薩---没有見過大香火
土地神を祭った祠(ほこら)の仏様→たくさんの人がお参りに来て線香やロウソクを焚くのを見たことがない

井底下的青蛙---只看見簸箕bo4ji大的一塊天
井戸の底のカエル→箕(み)の大きさの空しか見たことがない

従門逢里看大街---眼光太窄了
戸の隙間から通りを見る→視線の範囲が狭い→見識が狭い

坐井看天---見識太少
井戸に座って天を見る→見識が少なすぎる

眉毛上吊鈅匙---開眼
眉毛の上に鍵を吊るす→目の鍵を開ける→見聞を広める

螞蟻爬槐huai2誇kua1大国---小見識
エンジュの樹の下の巣に住むアリは、エンジュの樹に上ると、ここが世界で最も大きな場所だと思い、誇りにする→見識が狭い

背着八面找九面---没見過十(世)面
八面を背負って九面を捜す→十面を見たことがない→十shi2と世shi4は発音が近い(諧音)→世間を見たことがない、世間知らず

眼睛看在鼻尖上---一寸光
目で鼻の頭を見る→わずかな景色しか見えない→見識が狭い

老鼠子眼睛---一寸光
ネズミの目→わずかな景色しか見えない→見識が狭い

眼睛長在屁股上---只看見自己的一堆屎
目が尻の上にできる→自分の糞しか見えない

管中窺豹guan3zhong1kui1bao4---小見識
竹の管から豹(ヒョウ)をのぞく→豹の体の一部しか目に入らない→見識の狭いことのたとえ
 しかし、次のように解釈すると、必ずしも悪い意味ではなくなる。
 ・ 管中窺豹 略(可)見一斑
  観察したほんの一部からでも物事の全貌を推し量ることでができる
   ・ 略見一斑 
    物事の一部が見える。垣間見える

螺螄luo2si1殻里場chang2---地方太狭小了
マキガイの殻に市が立つ→場所がたいへん狭い
螺螄殻里做道場」とも言う。ここでいう道場とは、梵語の曼陀羅の意訳であり、或いは「壇」とも訳し、菩薩像をお祭りし、一定の要求に基づき配置をし、法要を行う宗教的な場所のことである。
 西暦1142年、奸臣の秦桧が「でっちあげ(莫須有)*」の罪で抗金の名将、岳飛親子と、娘婿の張憲を風波亭で殺害しようとした。獄卒の隗順は忠臣が一心に国を思いながら、無実の罪で殺されようとしていることに同情し、岳飛等の遺体を早くどこかへ埋めようとした。どこに埋めようか悩んでいて、ふとマキガイの殻が堆積したところに埋める考えが浮かんだ。もともと、銭塘門外、銭塘江のほとりでは、多くの貧しい人がマキガイを採って生計を立てていた。川のそばで貝を茹で、曲った針で中の身を取り出し、それを干して売った。残った貝殻は川辺に捨てられ、それがうず高く積っていた。ある日の晩、隗順はこっそり岳飛等の遺体を背負い城外へ出ると、彼らの遺体を貝殻の山の中に埋めた。このことは誰にも知られずに行われたので、すぐに方々が調べられたが、遂に発見されなかった。隗順は毎年清明節になると、ここで祭拝をした。 20年の月日が経ち、宋の孝宗が即位した。主戦派の張浚を任用し、抗金戦争を発動した。張浚等は上書し、岳飛のため雪辱を期すことを求め、孝宗は人心を得るため再び岳飛の遺体を捜した。既に隗順は亡くなっていたが、彼の子供が岳飛の遺体の在り処を求める高札を見て、こっそりその横に張り紙をし、忠臣の骨を捜すなら、マキガイの殻の中を捜せ、と書いた。これは孝宗の知るところとなり、貝殻の山を捜したところ、果たして岳飛等の遺体が出てきたので、黄道吉日を選び、遺骨を栖霞嶺に改葬した。また亡骸を済度するため、120人の僧侶が元々遺体を埋めた貝殻の山のところに行き、道場を開き、法要を営んだ。南宋の首都・臨安の人々は忠臣・岳飛を慕い、岳飛の為に道場が開かれたと聞くと、皆原葬の地へ行き、祭拝をした。そこへ向う途中、人々は互いに「今日はどこで道場が行われるのか?」と聞くと、知っている者は「マキガイの殻のところで道場が行われる(螺螄殻里做道場)」と答えた。そしてこのことばが後に伝わり広まったという。
 * 莫須有 =也許有。あるかもしれない。でっちあげの。
  【解説】宋代の奸臣、秦桧が、将軍の岳飛が謀反を企んでいるとして罪に陥れようとした。そのとき、韓世忠が納得せず、根拠があるかと秦桧に詰問したところ、秦桧は「其事体莫須有」(そういう事柄があるかもしれない)と答えた。それから、莫須有で、でっちあげの罪名を意味するようになった。

動物を使ったことわざ、表現

2009年09月13日 | 中国語成語

 日本語や英語でもそうだが、動物を使ったことわざや表現がたくさんある。中国語も同様で、且つ中国語の場合、犬、牛、馬といったお馴染みの動物だけでなく、龍や鳳といった架空の動物もよく使われている。 今日は、そうした動物を使った表現について、紹介したい。
 ネタ元は、北京大学出版社発行の《高級漢語口語》の補充材料として取り上げられている文章。

 在漢語,人們通常借助各種動物来表達愛憎褒貶的感情。先説説龍,在中国文化中,龍的地位崇高無比,神聖而又神秘。因此在漢語中,関于龍的成語就特別多,而且常常与虎、鳳等表現威猛、吉祥動物相提并論:龍飛鳳舞龍鳳呈祥龍騰鳳攀龍附鳳龍蟠虎踞龍騰虎躍、生龍活虎、龍争虎斗、蔵龍臥虎等。在中国,几乎人人都“望子成龍,望女成鳳”,希望子女有朝一日能“鯉魚跳龍門”,成為一個成功者。
 [訳]中国語では、人々はよくいろいろな動物を借りて愛憎、褒貶の感情を表現をする。先ず龍について言うと、中国文化で、龍の地位は比べようもなく崇高であり、神聖かつ神秘である。したがって中国語の中で、龍に関する成語はとりわけ多く、またよく虎、鳳等と勇猛で縁起のよい動物として同列に論じられる。龍飛鳳舞、龍鳳呈祥、龍騰鳳鳴、攀龍附鳳、龍蟠虎踞、龍騰虎躍、生龍活虎、龍争虎斗、蔵龍臥虎等である。中国では、ほとんど全ての人が「望子成龍,望女成鳳」と言って、子供がいつの日か「コイが龍門を跳んで越える」ことができ、成功者になることを希望するのである。

 ・ 相提并論 xiang1ti2bing4lun4 同列に論じる。同等に見る。同一視する
 ・ 龍飛鳳舞 long2fei1feng4wu3 龍が飛び鳳が舞う。書道で筆勢が雄勁(ゆうけい)で生き生きしている形容
 ・ 龍鳳呈祥 long2feng4cheng2xiang2 おめでたいことを言う。中国の伝統的な吉祥図案の中のひとつに《龍鳳呈祥》があり、画面の中で昇龍、翔鳳が半分ずつ描かれている
 ・ 龍騰鳳鳴 long2teng2feng4ming2 龍騰虎躍に同じ。
 ・ 攀龍附鳳 pan1long2fu4feng4 権勢のある人に取り入って出世しようとする。「高附勢」ともいう
 ・ 龍蟠虎踞 long2pan1hu3ju4 龍がわだかまり、虎がうずくまる。地勢が要害堅固である。南京の地勢を指すことが多い。「虎踞龍盤」ともいう
 ・ 龍騰虎躍 long2teng2hu3yue4 龍が飛び立ち、虎が躍り上がる。沸きかえるような活気に満ちていること
 ・ 生龍活虎 sheng1long2huo2hu3 生気に満ち活気にあふれていること
 ・ 龍争虎斗 long2zheng1hu3dou4 闘争や競争がたいへん熾烈でどちらが勝つか予断を許さないこと
 ・ 蔵龍臥虎 cang2long2wo4hu3 まだ世に知られていない人材を隠し持つこと。また、隠れて外に現れない人材のこと。
 ・ 有朝一日 you3zhao1yi1ri4 いつの日か

 再説説馬和牛。馬和牛在漢語中有很好的意思。“千里馬”比喩杰出的人才;“老黄”比喩黙黙奉献的実干家;“孺子牛”比喩任労任怨的好人;“識途老馬”指経験豊富的老者。但是,牛有時也比喩固執和驕傲,如:牛気、牛脾気、牛性子、勥得像頭;馬有的時候也有不好的意思,像声色犬馬、心猿意馬、害群之馬、盲人瞎馬等等。与馬和牛相聯系的壊事儿還有:拍馬屁、溜須拍馬、吹牛、吹牛皮、吹牛拍馬什麼的。
 [訳]次に馬と牛について言おう。馬と牛は中国語ではたいへん良い意味である。「千里馬」とは傑出した人材の比喩である。「老黄牛」とは黙々と業務をこなす実務者である。「孺子牛」とは苦労をいとわず恨み事を気にしない好人物である。「識途老」は経験豊富なベテランである。しかし、牛は頑固、傲慢の譬えになることもなる。例えば、牛気、牛脾気、牛性子、勥得像頭牛。馬も良くない意味に使われることがあり、例えば、声色犬馬、心猿意馬、害群之馬、盲人瞎馬、等である。馬や牛と関係する良くないことは他にも、拍馬屁、溜須拍馬、吹牛、吹牛皮、吹牛拍馬、などがある。

 ・ 千里馬 qian1li3ma3 1日に千里を疾走する馬。才能の非常にすぐれた人にいう。
 ・ 老黄牛 lao3huang2niu2 真面目で、勤勉で誠実な人のたとえ
 ・ 実干家 shi2gan4jia1 着実に仕事をこなす人
 ・ 孺子牛 ru2zi3niu2 私心を抑え、心から人々のために働く人のたとえ。
 これは、魯迅の詩《自嘲》の一節、「横眉冷対千夫指,俯首甘為孺子牛」から採ったものである。「多くの人に後ろ指を指されても、まなじりを決し冷静に対応し、頭を下げて甘んじて人民のために働く者になりたい」という意味。
 元々、孺子牛は、《左伝・哀公六年》に、斉の景公が庶子の荼と遊んでいて、景公が牛の真似をして口に縄を加え、荼に縄を持ち牽かせたところ、荼が転んだため、景公の歯が折れてしまった故事から、父母が子女を過分に溺愛することを指した。
しかし、現在は魯迅の詩の意味で使われている。
 ・ 任労任怨 ren4lao2ren4yuan4 苦労をいとわず、恨み事を言われても気にかけない
 ・ 識途老馬 shi2tu2lao2ma3(老馬識途) 老馬は道を知る。経験を積んだ人はその道に詳しい
 ・ 牛気 niu2qi4 生意気である。傲慢である
 ・ 牛脾気 niu2pi2qi 頑固で強情な性質
 ・ 牛性子 niu2xing4zi 頑固で強情な性質
 ・ 勥得像頭牛 jiang4dexiang4tou2niu2 牛のように強情である 
   勥:強情である。いこじである
 ・ 声色犬馬 sheng1se4quan3ma3 (声色狗馬)道楽のし放題をする
   声:歌舞 色:女色 犬馬 犬を飼ったり乗馬したりする
 ・ 心猿意馬 xin1yuan2yi4ma3 意馬心猿。気もそぞろ。(多くは色欲にとらわれて)気が落ち着かず仕事に専心できないこと
 ・ 害群之馬 hai4qun2zhi1ma3 集団に害を及ぼす者のたとえ
 ・ 盲人瞎馬 mang2ren2xia1ma3 盲人が目の見えないウマに乗る。非常に危険であるたとえ
 ・ 拍馬屁 pai1ma3pi4 おべっかを使う。こびへつらう。ごまをする
   ([語源]昔、モンゴル人同士が出会うと互いに相手のウマの尻をたたいてウマをほめ合う習慣があったことから)
 ・ 溜須拍馬 liu1xu1pai1ma3 ひげをこすり相手の馬をなぜる。人の機嫌を取り、おべっかを使うたとえ
 ・ 吹牛 chui1niu2 ほらを吹く。大風呂敷を広げる
   ([語源]牛の皮で作った筏で川を渡る時、牛の皮を口で大きくふくらませることから)
 ・ 吹牛皮 chui1niu2pi2 吹牛に同じ
 ・ 吹牛拍馬 chui1niu2pai1ma3 大風呂敷を広げ、自分のことを吹聴し、人に迎合し、とりいろうとして、こびへつらうこと
   [類似語]阿諛奉承 e1yu2feng4cheng2

 在漢語中,狗是一種下賤的動物,带“狗”字儿的几乎都不是好话,如狗腿子、走狗、看家狗、喪家狗、落水狗、狗咬狗、狗急跳穡、狗皮膏薬、狗頭軍師、狗拿耗子、狗仗人勢、狗嘴里吐不出象牙来等;如果与“狼”和“狐”在一起,就更添了几分凶悪或好詐:狼心狗肺、狐朋狗友、狐群狗党等。怪不得孩子們常用“狗”来賭咒発誓:騙人是小狗誰説慌誰是小狗
 [訳]中国語で、犬は卑しい動物であり、「狗(いぬ)」の字のついたものはほとんど皆良い意味ではない。例えば、狗腿子、走狗、看家狗、喪家狗、落水狗、狗咬狗、狗急跳穡、狗皮膏薬、狗頭軍師、狗拿耗子、狗仗人勢、狗嘴里吐不出象牙来、等である。もし、「狼」や「狐」といっしょになると、更にいくらか凶悪、或いは人を騙す意味が加わる。狼心狗肺、狐朋狗友、狐群狗党、等である。なるほど、子供達がよく「狗」の字を使って誓いを立てるわけである。人を騙すのは犬畜生だ;うそつきは皆、犬畜生だ、と。

 ・ 狗腿子 gou3tui3zi 反動派や悪人の手先。犬
 ・ 走狗 zou3gou3 悪人の手先。走狗
 ・ 看家狗 kan1jia1gou3 番犬。官僚や地主などの手下、手先
 ・ 喪家狗 sang4jia1gou3 (喪家之犬) 飼い主をなくした犬。寄る辺のない人のたとえ。志を得ずに落ちぶれた人のたとえ。喪家(そうか)の狗(いぬ) 
 ・ 落水狗 luo4shui3gou3 水の中に落ちた犬。失脚した悪人のたとえ。
 ・ 狗咬狗 gou3yao3gou3 犬の喧嘩。内輪もめを皮肉ることば
 ・ 狗急跳穡 gou3ji2tiao4qiang2 犬が追い詰められると塀を跳び越える。窮鼠猫を咬む
 ・ 狗皮膏薬 gou3pi2gao1yao4 イヌの皮に塗りつけて張る膏薬。普通の膏薬より薬効が良い。今はインチキ商品の比喩。昔、薬売りの行商がこの偽物を作って売り歩いたことから。
 ・ 狗頭軍師 gou3tou2jun1shi1 知恵の足りない軍師
 ・ 狗拿耗子 gou3na2hao4zi イヌがネズミを捕る。(ネズミは猫が捕るものだから)余計なお節介をすること
 ・ 狗仗人勢 gou3zhang4ren2shi4 イヌが人の力を笠に着る。他人の勢力を笠に着て人をいじめる。虎の威を借る狐
 ・ 狼心狗肺 lang2xin1gou3fei4 残忍非道な心。鬼畜のようなむごい心。恩知らずの意味に用いることが多い
 ・ 狐朋狗友 hu2peng2gou3you3 悪友ども。不良仲間
 ・ 狐群狗党 hu2qun2gou3dang3(狐朋狗党) 悪人の仲間。悪党の一味
 ・ 賭咒 誓う。誓いを立てる

 需要説明的是,在中国古代的文字記載中,常常有“義犬”的形象出現。在這些故事里,狗是忠誠和勇敢的化身。在実際生活中,很多人与狗是好朋友,狗是警察和農民的好幇手,同時也已成為一些城市居民家庭中的寵物。這些家庭把狗視為家庭成員了。
 [訳]説明が必要なのは、中国古代の書物の記載に、よく「義犬」のイメージが出てくることである。これらの物語では、犬は忠誠、勇敢の化身である。実際の生活では、多くの人は犬と仲の良い友達であり、犬は警察や農民の良き助手であり、同時に一部の都市住民の家庭のペットになっている。こうした家庭では犬を家族の一員と見做している。

 《高級漢語口語》上冊 補充材料 《漢語中的動物》 北京大学出版社より


道高一尺,魔高一丈 (更に大きな困難に直面する)

2009年09月12日 | 中国語成語
道高一尺,魔高一丈
Dao4gao1yi1chi3 mo2gao1yi1zhang4

今日は、このことばをテーマに、現在のネット社会にまつわるお話を紹介したい。
「道高一尺,魔高一丈」のことばの解説は、一番最後に。

 道高一尺魔高一丈 虚擬貨幣変現仍“暢通無阻”
 2009年08月12日 12:43 来源:中国経済網
 [訳]道が一尺高ければ、魔物も一丈高くなる。ダミー貨幣(ネット貨幣)を現実の通貨に変えることは依然「滞りなく行われ、それを妨げるものはない」

 2009年6月26日に文化省と商務省は《ネットゲームでの虚構貨幣管理の通知》を出し、ネットゲームの業者がダミー貨幣(ネット貨幣)を発行することは認めるが、ダミー貨幣を流通させたり、それを現金化することを禁じ、ゲームが賭博的な色彩を持たないよう、定めた。

 道高一尺,魔高一丈:“変異”回流
 [訳]道が一尺高ければ、魔物も一丈高くなる。「変異」は循環する

 この《通知》で、ダミー貨幣の発行者とその取引サービスを行う会社は別でなければならないと規定された。しかし子会社で別法人とすれば、結果として両方の会社を持つことができる。また、元々ネット貨幣の取引を行っていた第三者の交易プラットフォームも如何なる影響も受けない。
 そして、ダミー貨幣の流通、転売は、ネットの中で様々につながり、ひとつのサプライチェーンを構成するようになった。ネット上でポイントとしてダミー貨幣を受け取ったり、さらにそれを1ポイント・1元として現金との兌換性は無いが、現金と同じようにネット上で使うことさえできるようになった。

 虚擬貨幣不僅可以購買商品、下載MP3,還允許玩家進行虚擬財産転譲,使投机者有机可乗。他們通過多種形式以低価收購虚擬貨幣,以高価売出牟利,従而形成了由虚擬貨幣到現実貨幣的回流。
 [訳]ダミー貨幣は商品を購入したり、MP3をダウンロードしたりできるだけでなく、ユーザーがダミーの財産を譲渡することも許され、投機者が乗じる隙がある。彼らは様々な方法でダミー貨幣を低価格で購入し、高価格で売って利ざやを稼ごうとしている。これによりダミー貨幣から現実の貨幣への循環が形成されている。
 ・ 有机可乗 you3ji1zhe3ke3cheng2 乗ずる隙がある
 ・ 牟利 mou2li4 金儲けをしようとする

 “実際上虚擬貨幣的毒瘤不在遊戯公司。”据業内人士透露,這個循環,才是真正滋生市場操縦和流通,進行変現、賭博、洗銭等導致金融監控失控“暗地”。“而這個中間層,依然遊離在《通知》監控之外。”
 [訳]「実際はダミー貨幣の癌はゲーム会社にあるのではない。」業界関係者はこのように打ち明ける。この循環により、はじめて市場操作や流通が引き起こされ、現金への交換、賭博、マネーロンダリング等の金融の監視のコントロールを失った「暗渠」が生み出されたのである。そしてこの中間層は、依然として《通知》の監視の外に遊離している。
 ・ 滋生 zi1sheng1 引き起こす

 由這個中間層形成的系統,角色非常鮮明。遊戯企業相当于現実中的央行,具有発行貨幣的功能。銀商相当于商業銀行,銀行間交易的人民幣是央行発行貨幣的几何倍数。
 [訳]この中間層が形作るシステムでは、役割は非常に鮮明である。ゲーム企業は現実社会の中央銀行に相当する。貨幣発行の機能を備えている。両替商は商業銀行に相当し、銀行間で取引される人民元は中央銀行発行の貨幣の何倍にもなる。

 由此,遊戯企業発行了100億虚擬貨幣,通過銀商不断的回流,交易量会膨張到N億。毎次交易,銀商在騰挪中的套現獲利也随之不断拡大。
 [訳]これにより、ゲーム企業が100億のダミー貨幣を発行したとすると、両替商で絶えず循環することを通じ、取引量はその何倍にも膨張する。毎回の取引で、両替商がそれらを流用することで一連の獲得利益もそれにつれ絶えず拡大する。
 ・ 騰挪 teng2nuo3 金のやりくりをする。流用する

 這個行業真正要徹底監管和打撃的其実是銀商。一個遊戯企業,就算発現虚擬貨幣,這個量是非常有限,因為大量発行也会造成類似貨幣貶値。
 [訳]この業界で徹底的に管理し打撃を与えないといけないのは両替商である。ひとつのゲーム企業が、ダミー貨幣を見つけられたとしても、この量はごく限られている。なぜなら大量に発行すると、類似した貨幣は値打ちが下がってしまうからである。

 網上購物的盛行推動了網絡支付平台与金融机構電子支付系統的鏈接,使得虚擬貨幣与現実貨幣交易更加便捷。一些網絡玩家将網絡虚擬貨幣兌換成現実貨幣的時間不到10分鐘。
 [訳]ネットショッピングの隆盛はネット決済プラットフォームと金融機構の電子決済システムを連結させ、ダミー貨幣と現実の貨幣の取引をより手軽で時間のかからないものにした。何人かのゲームユーザーがネットでのダミー貨幣を現実の貨幣に兌換する時間は10分もかからない。

 銀商的存在,将虚擬貨幣炒出了差価。
 [訳]両替商の一群が存在することは、ダミー貨幣に価格の差を出現させる。

 這如同現実中的外滙市一様,不断吸引着網民用人民幣参与。随着這種交易的多,甚至出現了虚擬造幣廠。
 [訳]このことは現実世界での外貨のブラックマーケットと同様、絶えずネットユーザーを引き付け、人民元を持って関与する。このような取引の増加にしたがい、ダミー貨幣の製造工場まで出現している。

 虚擬貨幣除了主営公司提供之外,還有一些専門従事“虚擬造幣”的人,以専業玩遊戯等方式獲取虚擬貨幣,再転売給其他玩家。有媒体報道称,以温州地区為例,大概有七八家這様的“虚擬造幣工廠”,従業者達到四五百人。
 [訳]ダミー貨幣はゲームの運営会社が提供する他、若干の「ダミー貨幣製造」に専門に従事する者がおり、ゲームのプレーを専門に行う等の方式でダミー貨幣を獲得し、それを他のゲームユーザーに転売する。マスコミの報道によれば、温州地区を例にとると、おおよそ七八社のこのような「ダミー貨幣製造工場」があり、従業員は四五百人に達するとのことである。

 很有可能成為一紙空文
 [訳]一枚の空文になってしまう可能性が大きい
 ・ 空文 kong1wen2 空文。実効のない法律や規定。
 ・  [量]文書を数える

 有関法律専家表示,虚擬貨幣新政存在明顕的不合理之処。《通知》加了対于虚擬貨幣交易服務商的審批,等于是文化部加了行政許可的項目。所謂行政項目許可,就是説為行業設置了政策門檻,而這顕然和大勢是背道而馳的。為了減軽企業的負担,我国正在加緊行政許可的清理,一些本来需要相関部門審批的項目在逐漸転成“備案制”或者“核准制”。行政許可的範囲正在逐步縮小,企業的自主性加大。虚擬新政為相関企業加了新的枷鎖,此挙有待商搉
 [訳]法律の専門家は、ダミー貨幣の新政策は明らかに不合理なところがあると指摘する。《通知》はダミー貨幣の取引サービス業者に対する審査・指示を加えたが、このことは文化部の行政許可の項目が増加したのに等しい。いわゆる行政項目許可とは、業界のために政策の敷居を設置したということであり、これは明らかに大勢と逆行している。企業の負担を軽減するために、我が国は現在、行政許可の整理に力を入れており、元々関連部門の審査・指示が必要であった項目が徐々に「登録制」或いは「認可制」に変わってきている。行政許可の範囲が次第に縮小し、企業の自主性が大きくなっている。ダミー貨幣への新政策は関連企業に新たな手枷足枷を増加させた。この事は討議を待ちたい。
 ・ 審批 shen3pi1 審査の上、指示を与える
 ・ 門檻 men2kan3 門や入口の敷居
 ・ 背道而馳 bei4dao4er2chi2 反対の方向へ向っていく。逆行する
 ・ 備案 bei4an4 主管官庁へ報告してその記録に載せる
 ・ 核准 he2zhun3 審査の上、許可する。認可
 ・ 商搉 shang1que4 検討する。討議する

 対于這様的規定,企業置若罔聞也是正常現象。両個部委出来的《通知》只是一个政策性文件,几乎没有什麼法律效力,当其行政執法時企業完全可以根据相関的法律提起行政復議或者行政訴訟。
 [訳]このような規定に対し、企業が見て見ぬふりをするのは正常な現象である。ふたつの省庁が出した《通知》は政策的な文書に過ぎず、何ら法律的効力が無いかのようであり、行政が法律を執行する際、企業は関連する法律に基づき行政再議、或いは行政訴訟を起こすことができる。
 ・ 置若罔聞 zhi4ruo4wang3wen2 聞こえないふりをする。少しも耳を貸さない
 ・ 復議 fu4yi4 再議する。再討議する

 必ずしも中国に限らないが、ネット社会での新しい商取引やビジネスについては、このようなグレーな部分が出てくることが往々にあり、これを法律の枠の中でどのように取り締まっていくかは難しい問題である。

【道高一尺,魔高一丈】
Dao4gao1yi1chi3 mo2gao1yi1zhang4
① 元々仏教語で、修行者に外の世界の誘惑に用心するよう、戒めること。正気は修めるのが難しいが、邪気は容易に正気を上回る。後に、一定の成果を上げた後、往々にして更に大きな困難に直面することを比喩するようになった。
② 一つの事件が起こると、また新しい事件がそれを上回る規模で起こることの比喩。
③ 一方の力量が敵対するもう一方を超えることの比喩

到什麼山唱什麼歌 (実際の状況に合わせて物事を行う)

2009年09月06日 | 中国語成語
到什麼山唱什麼歌
Dao4shen2meshan1chang4shen2mege1

これは慣用句で、実際の状況に合わせて物事を行う、という意味である。
このことばを表題にした文章を紹介する。

到什麼山唱什麼歌  蕭然
《人民日報》 2004年03月29日 第十五版

小物商品で、世界市場で高いシェアを誇る浙江省の民営企業の経営思想についての話である。煙管(キセル)、ファスナー、ボタンといった、「不起眼」bu4qi3yan3(見てくれのよくない)な小物商品を大きな事業にしたことで、浙江省の民営企業は、浙江省全体の経済での比率が「半壁江山」ban4bi4jiang1shan1(省全体の半分)に近づくか、越えた会社もあるだけでなく、製品によっては、世界全体でも「壟断地位」long3duan4di4wei4(独占的な地位)を築いた。

浙江民営企業的発展思路対其他企業不無借鑑意義。
[訳]浙江の民営企業の発展への考え方はその他の企業にとっても参考にする意義が無いとはいえない。
 ・ 借鑑 jie4jian4 参考にする。手本とする

缺乏務実精神,好高鶩遠是不少企業的致命病。
[訳]実務精神の欠如と高望みをすることが、多くの企業の致命的な欠点である。
 ・ 務実 wu4shi2 実務に励む。実行方法を検討する(【反】務虚wu4xu1 理論の面から検討する)
 ・ 好高鶩遠 hao4gao1wu4yuan3【成】高望みをすること。「好高務遠」とも書く

高技術、高附加値、高利潤的“三高項目”誰不知道是肥肉吃一口頂十口
[訳]高い技術、高付加価値、高利潤の「三高アイテム」がおいしいことは誰でも知っており、ひと口食べれば十口分にも相当する。 
 ・ 肥肉 肉の脂身。おいしい部位、という意味で使っている。
 ・ 吃一口頂十口 おいしいものを一口食べると、他のものを十口食べたような満足感を得られる

しかし、経済的にも、技術的にも、人材的にも劣る浙江の民営企業が成功する道は、こうした王道を避け、大多数の企業がやりたがらない利潤率の低い小物商品を事業とすることだった。

条条道路通羅馬,別管大路小路,堅持走下去,就有可能成功。比如吸管,据説十根吸管還賺不到几厘銭,但一旦控制了全球70%的市場,集腋成裘,利潤也是可観的。
[訳]すべての道はローマに通じる。大きな道であれ小道であれ、休まず進めば、成功の可能性がある。例えば煙管について言うと、煙管十本でも何銭の儲けにもならないが、ひとたび世界の70%の市場を抑えれば、チリも積もれば山となるで、利益を見込めるのである。
 ・ 集腋成裘 ji2ye4cheng2qiu2 【成】キツネの脇の下の毛皮も寄せ集めれば毛皮の上着になる→ちりも積もれば山となる

不切実際、過于理想化的選択,往往与成功南轅北轍
[訳]実際にそぐわず、あまりに理想化した選択は、往々にして成功とは反対の方向に進んでしまう。
 ・ 不切実際 bu4qie4shi2ji4 実際にそぐわない
 ・ 南轅北轍 nan2yuan2bei3zhe2 【成】轅(ながえ)を南に向けながら、車を北に走らせる→行動と目的が一致しない

一些企業剛賺了点銭,有一点規模,管理者就開始飄飄然
[訳]いくつかの企業は、多少の儲けが出たり、ある程度の規模になると、管理者が有頂天になり始める。
 ・ 飄飄然 piao1piao1ran2 うぬぼれて天に昇ったような気持ちでいること。有頂天になる

浙江の多くの農民出身の民営企業の社長は本来の「朴実」pu3shi2(質素な)姿を保っている。「三天両頭」(三日にあげず。しょっちゅう)世界を飛び回っても、大社長のような「派頭」(態度)は全く示さない。会社でも、荷物が来れば、スーツを脱いで、社長自ら荷物運びをする。製品の利幅が薄いので、いつも「精打細算」(細かくそろばんをはじく)していかないといけないのである。

其実,分析白手起家的浙江民企,有一点是値得我們重視的,那就是:“到什麼山唱什麼歌”。実力弱小就要避開競争鋒芒,選択“姥姥不疼teng2舅舅不愛”的苦活練。功夫做到了,興許就能成功。
[訳]実際、裸一貫から身を起こした浙江の民営企業を分析した時、私たちが重視すべきなのは、実際の状況に合わせて物事を行うことである。実力の無い者は競争の矛先を避け、誰からも好かれない苦しい仕事を選ばなければならない。技能を発揮すれば、もしかすると成功するかもしれない。
 ・ 白手起家 bai2shou3qu3jia1【成】裸一貫で身代を築きあげる
 ・ 姥姥不疼舅舅不愛 母の実家のおばあさんにも愛されず、母の兄弟にも愛されない。一般に最も愛してくれるはずの人から愛されないということで、誰からも喜ばれない、という意味に使う。
 ・ 興許 あるいは。もしかしたら

由于選択的是利潤率極低的産品,使企業管理的圧力加大,対企業強筋健骨就更有好処,企業也就不容易“起来”。
[訳]選んだのが利益率の極めて低い商品であるので、企業の管理に対する要求もより強くなり、企業を筋肉質にすることは利点が多く、企業もつぶれにくくなる。
 ・ 強筋健骨 筋肉質にすること
 ・  外的要因で翻る。つまり景気等の影響で会社がつぶれたり経営危機に陥ること

這様kou1慣了的企業,今后真的実力雄厚而転入利潤更高的行業,与依仗利潤厚而大手大脚慣了的企業同台競争,其競争力不容小覰qu4。
[訳]このように体質強化が根付いた企業は、今後真に実力がつき、利益率がもっと高い業界に進出し、高い利益を頼りに資金をどんどん使うことに慣れた企業と同じ土俵で競争すると、その競争力は決して侮れないものである。 
 ・ kou1 掘る。彫刻する;ここでは余分なものを削ぎ、体質強化すること
 ・ 大手大脚 【成】金遣いが荒い。金をぱっぱと使う
 ・ 小覰 (=小看)軽蔑する。見下げる

歇后語 中国語のかけことば

2009年09月05日 | 中国語

今日は、中国語のかけことばである、「歇后語」xie1hou4yu3について紹介する。
先ず、歇后語とはどういうことばだろうか?

歇后語是一種短小、風趣、形象的語句。它由前后両部分組成:前一部分起“引子”作用,像迷語,后一部分起“后襯”的作用,像迷底,十分自然貼切。在一定的語言環境中,通常説出前半截,“歇”去后半截,就可以領会和猜想出它的本意,所以就称為歇后語。
[訳]歇后語は一種の短い、ユーモラスな、イメージのはっきりした語句である。これは前後ふたつの部分で構成される。前半は「まくら(前置き)」の作用をし、「迷語」(なぞなぞ)のようであり、後半は「下敷き」の作用をし、「迷底」(なぞなぞの答え)のようであり、たいへん自然でぴったりくる。一定の言語環境では、通常は前半部分を言い、後半部分は言わずにやめる。(歇:休息する、やめる)それにより本来言いたい意味を理解したり推察したりすることができる。したがって、「歇后語」というのである。

歇后語にはふたつの種類がある。

1. ロジック推理式。言いたいことは、前半の比喩から推理した結果。

● 猪八戒照鏡子——里外不是人
猪八戒が鏡を見る→鏡の中に映っているのも、その外に実際にいるのも、豚の猪八戒で、人間ではない→里外不是人
  里外不是人 内輪の人にもよその人にも憎まれる、或いはとがめられること。板挟みになって苦しむこと。

● 水仙不開花——装蒜
花の開いていない水仙→ニンニクを装うとは、どういうことだろうか?民間に伝わる話がある。

装蒜”的由来相伝清朝乾隆皇帝一年春天到南方某地巡査,看到地里一片青蒜長得緑油油,斉整整,便順口称賛了一番,翌年冬去又去巡查,可惜這一季節青蒜尚未長出。為了討好皇帝,当地官吏差人把許多水仙移植到一起,遠遠望去其叶子酷似青蒜,乾隆看后果然賛不絶口,這位官吏也因此得以升迁。打這以后,人們就把弄虚作假或不懂装懂嘲諷為“装蒜”了 。
[訳]「装蒜」の由来は、言い伝えでは、清朝の乾隆皇帝がある年の春に南方の某地を巡幸し、地面一面にニンニクの茎や葉が青くつやつやと、整然と伸び揃っているのを見て、思わず賞賛をした。翌年の冬、また巡幸したが、残念ながらその季節にはニンニクは育っていなかった。皇帝の機嫌を取るため、当地の役人は人を遣わしたくさんの水仙を移植して、遠くから見ると葉がニンニクのように見えるようにした。乾隆はこれを見てしきりに誉め称え、この役人もこのことにより昇進することができた。このことがあってから、人々はいんちきで人をだましたり知りもしないのに知ったかぶりをすることをあざけり、「装蒜」と言うようになった。
  弄虚作假 nong4xu1zuo4jia3 いんちきをして人をだます
  不懂装懂 bu4dong3zhuang1dong 知ったかぶりをする
  嘲諷 chao2feng3 あざける。風刺する
  装蒜:知らぬ顔をする。しらばくれる。すました顔をする 

● 唖巴吃黄蓮──有苦自己知(或“有苦説不出”)
唖(おし)が漢方薬の苦い黄蓮(オウレン)を食べる→苦いことを自分ではわかっているが、相手に伝えられない、説明できない→有苦自己知、有苦説不出

2. 諧音xie2yin1(漢字の発音が同じか近い)。
前半の比喩からの推理の内容に、諧音の要素を入れる。

● 外甥wai4sheng1打灯籠——照旧(舅)
甥が灯籠に火を入れる→叔父(舅舅jiu4jiu)を照らす→照舅→照旧(これまでどおり。相変わらず)
舅と旧は同じ発音(jiu4)

● 孔夫子搬家——尽是輸(書)
孔子が引越をする→荷物は本ばかり(尽是書)→尽是輸(負けてばかり)
書と輸は同じ発音(shu1)

● 火焼旗杆——長嘆(炭)
旗竿を燃やす→木を燃やすと炭になるが、竿は長いので長い炭(長炭)になる→長嘆(長いため息をつく)
炭と嘆は同じ発音(tan4)

● 糞坑fen4keng1関刀──文(聞)也不能,武(舞)也不能。
肥だめで刀をしまう→臭いので匂いもかげない(聞)し、狭いので体を翻して舞うようにして(舞)青龍刀を背中の鞘に収めることができない(聞也不能,舞也不能)→学問(文)も武術(武)も両方ダメ(文也不能,武也不能)
聞と文(wen2)、舞と武(wu3)は同じ発音

● 十五個吊桶打水——七上八下
十五のつるべで水を汲む→縄の先の桶は十五もあるので上に行ったり下に行ったりする(七つは上に行き、八つは下に行く)→七上八下
  七上八下 心が乱れるさま。心を決めかねるさま

● 和尚打傘——無法無天(無髪無天)
坊さんが傘をさす→髪の毛が無く、お日さまも出ていない(無髪無天)→法fa3と髪fa4は発音がよく似ている→無法無天
  無法無天 法も神も眼中に置かない。無法の限りを尽くす。大胆不敵に悪事を働く

● 腊月天气——動手動脚(凍手凍脚)
師走の天気→寒くて手も足も凍える(凍手凍脚)→凍と動は同じ発音(dong4)→動手動脚(あれこれ気を使って世話を焼く)

● 父親向儿子磕ke1頭——豈有此理(豈有此礼)
父親が息子にぬかずく(額を地につけて礼拝する)→どこにそのような礼儀作法があるのか(豈有此礼)→礼と理は発音が同じ(li3)→豈有此理
  豈有此理 そんな道理があるものか。もってのほか

● 公共厠所扔石頭——引起公憤(引起公糞)
公衆便所(汲み取り便所)に石を投げる→糞が飛び散る(引起公糞)→糞と憤は発音が同じ(fen4)→引起公憤
  引起公憤 大衆の怒りを買う

● 外婆死了儿子——無救(無舅)
外祖母が息子を亡くす→叔父(舅)がいなくなる(無舅)→無救(救いがない)
舅と救は発音が同じ(jiu4)

● 老公拍扇——凄凉(妻凉)
ご主人が団扇で煽ぐ→妻が涼しい(妻凉)→凄凉:もの寂しい
妻と凄は発音が同じ(qi1)

 秀才的空棺材出葬----------目中無人(木中無人)
  * 「空棺材埋葬」という言い方もあり、秀才は語呂合わせ。秀才が棺材に出会うと官(棺guan1)も財(才cai2)も得られる、という笑い話があることから、棺材との語呂合わせで前に秀才がついたと思われる。
 ・ 秀才:科挙での生員(科挙の最初の試験に合格し、県の学校で学習できる書生で、郷試の受験ができる者)の俗称
空の棺桶を埋葬する→木の中には誰もいない(木中無人)→目中無人
  目中無人 眼中に人なし。尊大で傲慢なさま
木と目は発音が同じ(mu4)

● 王八中解元----------規矩(亀挙)
間抜け(王八)が科挙の試験に首席で合格する→王八=亀のこと。亀が挙人(科挙の合格者)になる(亀挙)→規矩(礼儀正しい)
  解元 jiw4yuan2 科挙の郷試の首席合格者の称
亀挙 gui1ju3 規矩 gui1ju は発音がよく似ている

● 花生--------------非吵不可(非炒不可)
ピーナツ(花生)は炒めないといけない(炒めないと食べられない)=非炒不可→非吵不可(けんかをせざるを得ない)
炒と吵は発音が同じ(chao3)

● 皮匠不帯錐子--------真行(針行)
皮職人が錐を忘れた→(錐無しで)針だけ進む(針行)→真行(すばらしい)
針と真は発音が同じ(zhen1)

● 何家姑娘嫁給鄭家----正合適(鄭何氏)
何家の娘が鄭家に嫁入りした→娘の新しい姓は、鄭何氏→正合適(ぴったりだ)
「鄭何氏」も「正合適」もzheng4he2shi4と、同じ発音。
 ※ 中国大陸では夫婦別姓が一般的になったが、香港や台湾では、女性が夫の姓を自分の元の姓の前につける習慣が残っている。例えば、元の香港の政務長官、アンソン・チャン氏、中国語名・陳方安生は、結婚前の名前は方安生。陳棣栄氏と結婚して、夫の陳姓を方の前につけている。

● 和尚的房子----------妙(廟)
坊さんの家→廟→妙(すばらしい)
廟も妙も同じ発音(miao4)

● 河辺洗黄蓮----------何苦(河苦)
川辺で漢方薬になる黄蓮(オウレン)を洗う→川の水が苦くなる(河苦)→何苦(そうまでしなくてもいいじゃないか)
河苦も何苦も同じ発音(he2ku3)

● 做夢変蝴蝶----------想入非非(想入飛飛)
夢で蝶に変身する→空に向かって飛んで行きたい(想入飛飛)→想入非非
  想入非非 妄想をたくましくする。空想する
「飛飛」と「非非」は発音が同じ(fei1fei1)

● 猴子学走路----------假惺惺(假猩猩)
猿が歩き方を真似る→偽物の猩猩(オランウータン)(假猩猩)→假惺惺
  假惺惺 いかにもわざとらしい(惺惺:利口である)
猩猩と惺惺は発音が同じ(xing1xing1)

● 精装茅台------------好久(好酒)
きれいな化粧箱に入った茅台酒→上等な酒(好酒)→好久(長い間。長い時間)
酒と久は発音が同じ(jiu3)

● 蜘蛛拉網------------自私(自絲)
蜘蛛が自分の巣の網を引っ張る→自分が履いた糸である(自絲)→自私(利己的である)
絲と私は同じ発音(si1)

● 瞎子背瞎子----------忙上加忙(盲上加盲)
めくらがめくらを背負う→めくらの上にめくらを加える(盲上加盲)→忙上加忙(忙しいうえにも忙しい。たいへん忙しい)
盲と忙は同じ発音(mang2)

● 西瓜地裏散步--------左右逢源(左右逢園)
スイカ畑の中を散歩する→左にも右にも丸いものに出逢う(左右逢園)→左右逢源
  左右逢源 万事順調である。やることなすこと、すべてに成功する
園と源は同じ発音である(yuan2)

● 脱了旧鞋換新鞋------改邪帰正(改鞋帰正)
古い靴を脱いで新しい靴に履き替える→靴を改めて服装を正す(改鞋帰正)→改邪帰正
  改邪帰正 悪事から足を洗って正道に立ち返る
鞋と邪は発音が同じ(xie2)

● 麻布袋草布袋--------一代不如一代(一袋不如一袋)
麻の袋と藁(ワラ)の袋→だんだん袋の質が悪くなる(一袋不如一袋)→一代不如一代(先代より収入が減って、暮らし向きがだんだん悪くなる)
袋と代は同じ発音(dai4)

● 碗底的豆子----------歴歴在目(粒粒在目)
茶碗の底の豆→一粒一粒が眼に入る(粒粒在目)→歴歴在目
  歴歴在目 情景がありありと目に浮かぶ
粒粒と歴歴は同じ発音(li4li4)

● 売布不帯尺----------存心不良(存心不量)
を売るのに巻尺を忘れる→わざと測らない(存心不量)→存心不良
  存心不良 悪い下心を持っている
量と良は同じ発音(liang2)

● 窮木匠開張----------只有一句(只有一鋸)
貧乏な大工が店を開く→ノコギリ一本しかない(只有一鋸)→只有一句(一言だけ)
鋸と句は同じ発音

● 磚窯裏失火----------謡言(窯煙)
れんがを焼く窯が火事になる→窯が煙たい(窯煙)→謡言(デマ。流言)
窯煙(yao2yan1)と謡言(yao2yan2)は発音が似ている

● 灯盞zhan3無油------------費心(費芯)
ランプに油が無い→芯を無駄に燃やす(費芯)→費心(気をつかう)
芯と心は同じ発音(xin1)

● 鐘馗kui2嫁妹------------鬼混(鬼婚)
鐘馗(しょうき)が妹を嫁にやる→(鐘馗は亡霊なので)亡霊の婚姻(鬼婚)→鬼混
  鬼混 その日暮らしをする
婚hun1と混hun4は発音が似ている
 ※《鐘馗嫁妹》は民間伝説として流布している。鐘馗には同郷の友人で杜平という者がおり、慈善活動や施しをするのを好み、鐘馗も彼の資金援助のおかげで都に科挙の試験を受けに行くことができた。ところが鐘馗は顔が醜かったので、奸臣に皇帝へ讒言をする者がおり、最後の殿試で首席合格の状元の資格を取り消され、そのため怒りに燃え自殺してしまった。いっしょに試験を受けに都に来ていた杜平は、鐘馗を手厚く葬った。さて、亡霊となった鐘馗は、杜平への恩義に報いるため、大みそかの日に故郷の家に戻り、自分の妹を杜平に嫁がせた。
この歇后語の前段は、この伝説が根底にある。時の皇帝は唐の玄宗であるが、鐘馗は亡霊になってから、土地を静める守り神となった。「賜福鎮宅聖君」と呼ばれ、今日でも崇拝されている。

● 糞船過江------------装死(装屎shi3)
糞尿の汲取り船が川を通過する→糞尿を積む(装屎)→装死(死んだふりをする)
屎shi3と死si4は発音が似ている

● 黏nian2窩窩摻chan1黄蓮--------一年一年的苦(一黏一黏的苦)
ねばっこい窩窩(トウモロコシの粉を蒸かした蒸パン)に漢方薬の黄蓮(オウレン)を混ぜる→混ぜる度に苦くなる(一黏一黏的苦)→一年一年的苦(生活が年々苦しくなる)

● 薬舗裏開抽屜--------找玩(找丸)
薬屋で漢方薬を入れた引出しを開ける→丸薬をさがす(找丸)→ 找玩(遊びをさがす)
丸と玩は同じ発音(wan2)

● 癩蛤蟆跳水井--------不懂((口業)(口冬))
ガマガエルが井戸に飛び込む→ドブン(水に物が落ちる音。(口業)(口冬)pu1dong1)→不懂(わからない)
(口業)(口冬)pu1dong1と不懂bu4dong3は発音が似ている。

● 唱戯的騎馬----------不行(歩行)
舞台の芝居で馬に乗る→(実際は馬に見立てたものをつかんで)歩く(歩行)→不行(ダメ)
歩と不は同じ発音(bu4)

● 炒咸菜不放醤油------有言在先(有塩在先)
漬物を炒めて醤油を入れない→(漬物には)先に塩が入っている(有塩在先)→有言在先
  有言在先 あらかじめ言っておく
塩と言は同じ発音(yan2)

● 从河南到湖南--------難上加難(南上加南)
河南省から湖南省へ行く→南へ南へと行く(南上加南)→難上加難(困難に困難が重なる。益々難しくなる)
南と難は同じ発音(nan2)

● 打灯籠搬石頭--------照辧(照搬)
提灯に明かりをつけて石を運ぶ→明かりを照らして運ぶ(照搬)→照辧(通常通り業務を行っている)
搬ban1と辧ban4は発音が似ている

如何だったろうか?頭の体操といて、なかなかおもしろいが、これを会話で使おうと思うと、歴史や民間説話、習慣などの理解が必要である。