今日の話題は、一枚の写真が中国のネット読者に与えた感動についてです。中国のニュースでは連日、今や世界で最も影響力のある国として、政府要人が世界中の政財界の首脳と会見し、先端産業の成果を宣伝する映像が映し出されています。そうした社会の発展の中で、世の中から忘れられた、社会の片隅での一瞬の出来事に、心が癒されます。
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(クリックしてください。中国語の原文と語句解釈が見られます)
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□ 人民ネット評論:
草の根の中国、いつもある種の力が私たちの心の奥底を温め潤してくれる
蔡暁輝 2011年6月9日 人民ネット-“ものの見方”チャンネル
□ 最近、一枚の《幸福》と名付けられた写真がネット上で話題になっている。この写真は最初、「金雲鐘」というネット読者が「撮影フォーラム」上に貼り付けた。しかしツイッターで「わが心が芽吹く」という読者が6月7日に送信してから、わずか2日間で8万回近く転送され、コメントは1万件余りになった。
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□ 情報が数え切れない程多いインターネットの世界では、このように強烈な共鳴の感情を引き起こすものは、極めて本質的で直接的なものに違いない。正にこの写真がそうである。一人の清掃夫が街角で孫娘を抱いて鼻を寄せ合うと、どす黒いしわだらけの顔から菊の花のように喜びがほとばしる…… 時間の面から言うと、それは純粋に労働者の職業の痕跡で、風に吹かれ日に晒されるという、生きていくための営みを読み取ることができる。生活の面から言うと、この瞬間、このしわは、個人の幸福によって、しばしば最も人を感動させる曲線に変化し、見る者に、自分の心の中の最もやさしい心のときめきが聞こえるだろう。
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□ これが正に《幸福》が見る者を深く感動させるところである。労働者の幸福や、草の根の愛情、これは社会の活力である。どの人も皆、長い人生の道を歩まねばならず、出発点が違えば、境遇も異なり、現実に対する願望も異なる。しかしこの写真を見ると、このごく普通の人のありふれた喜びを見ると、私たちの心の中に湧き立つものは、同じやさしさと希望である。老清掃夫が粗末な清掃用具を下に置き、子供を膝に抱き上げた時、喜びが泉のように自然と流れ出し、労働の疲れはこの一瞬に煙のように消えてしまった。幸福と肉親の情愛は、ごく普通の労働者にとって最高の慰めであり、これは草の根の階層の生活の活力であり、希望であり、未来である。
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□ 世事が如何に苦難に満ちていて、生活がどんなに難しくとも、幸福があれば、未来がある。埃にまみれた清掃夫であれ、工事現場で汗を滴らせている建設労働者であれ、工場の生産現場で機械に潜り込んでいるマシン・オペレーターであれ……皆、生活の為、あくせくと走り回り、運命と抗う力比べの中でも、同様に一つの夢を隠し持っている。子供の為、家族の為、より良い、より安定した未来を作り出そうと。これは草の根の夢であり、草の根の幸福である。「弱者心理」が絶えず蔓延する社会の中で、心の中に希望を持つ人一人一人が、注意深く、自分の幸福に神様のご加護があることを祈っている。それが生活の意義であり、生きることの報いである。
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□ 私たちは人との格差は否定しないし、公平でないことを否定しないが、私たちが気にかけるのは――幸福である。人はある種の幸福の瞬間に心を揺さぶられるやいなや、自分の心の奥底の声が聞こえてくる:この平凡な幸福を守らなければならないと。この声は一種の責任感である――草の根の幸福を大切にし、草の根の幸福を保護することは、猛スピードで発展し、姿を変えつつある中国に於いて言えば、目下の最大の社会的な責任である。
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□ ツイッターで、ネット読者はこの写真を評して、「いつもある種の力が私たちの心の奥底を温め潤してくれる」と言った。実際、常にある種の感動は、私たちがしっかりと守るに値するものである。この力、この感動、これこそ草の根の幸福である。正に無数の中国の草の根が、純粋で、素朴な行動で自らの幸福を編み出していて、そうして初めて人々は社会の温かさや愛情を体に感じることができ、人生の素晴らしさと希望を知ることができるのである。
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□ 「幸福」という言葉は、ここ数年、政府トップから民間に至るまで、ずっと繰返し大切にされてきた。「私たちがすることの全ては、人民がもっと幸福に、もっと尊厳を持って暮らすことができるようにする為である。」草の根の幸福を重視し、草の根の幸福の為に最大の空間の社会を作ることによってはじめて、人の心の隙間を埋め、離散から人の心をつなぎ合わせる力が得られる。草の根の幸福を保護し、私たちの心の拠りどころを見守ることによって、社会の底辺はそんなにも脆く弱い状態にまで至らずに済むだろう。
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