中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

量詞(3) 個々の量詞の使われ方

2009年10月12日 | 中国語
 前回は、名詞の範疇によってどういう量詞が使えるかをみたが、今回は、量詞の側から、どういう名詞に使われるかをみていく。

【個】 
 “個”は用途が最も幅広い量詞である。主に、専用量詞の無い名詞に用いるが、名詞によっては、専用量詞の他に“個”も使えるものもある。

 1.人に用いる:一個个人 両個小孩
 2.人、動物の器官に用いる:一個脳子 一個鼻子 一個耳朶 一個舌頭 一個下巴 一個手指頭  一個拳頭
 3.果物に用いる:一個蘋果 一個橘子 一個柿子 一個梨 一個李子
 4.星に用いる:一個月亮 一個太陽
 5.湖、海に用いる:一個湖 一個海 
 6.事件、動作に用いる:一個事件 一個動作个 洗個澡 敬個礼
 7.年月、時間に用いる:一個小時 両個月 四個星期 
 8.食品に用いる:一個饅頭 一個面包 一個南瓜 一個冬瓜 一個蛋糕  
 9.日用品に用いる:一個碗 一個盤子 一個瓶子 一個鍋 一個鏡框 一個枕頭 一個盒子 一個窗戸 一個信封 一個壁橱 一個灯泡 一個書包 一個箱子 一個袋子  
 10.機構、組織に用いる:一個政府 一個机関 一個辧公室 一個医院 一個工廠 一個幼稚園 一個組織
 11.会議に用いる:一個大会 一個討論会 一個辧論会 一個委員会 三個議題 一個決議 一個提案 
 12.思想、考え方などに用いる:一個理想 一個想法 一個辧法 一個主意 一個建議 一個意見 一個念頭 一個夢 一個諾言 一個設想 一個假設 一個驚喜      
 13.文体に用いる:一個謎語 両個故事 一個笑話 一個插曲 
 14.字句や語句に用いる:一個字 一個詞 一個句子 

【位】
 人に用いる(敬意が含まれる;敬意の無い場合は“個”):一位同学 両位老師 三位客人

【只】
 1.動物(多くは空を飛んだり地面を走る禽獣、及び昆虫。ただし特に匹、頭、峰、条等の量詞を使う動物には使えない)に用いる:一只鶏 両只小鳥 三只老虎 一只獅子 四只蝴蝶
 2.対を為すもののうちのひとつを表す:両只手 両只耳朶 一只鞋 一只袜子
 3.ある種の器具に用いる:一只箱子 一只口袋 一只書包
 4.船に用いる:一只小船 一只游艇

【匹】馬やラバに用いる:一匹馬 両匹騾子

【頭】 
 1.牛やロバ・ラバ、羊等の家畜に用いる:一頭牛 両頭騾子
 2.ニンニクに用いる:一頭蒜
 3.縁談に用いる(前に数詞“一”をつける):一頭親事

【峰】ラクダに用いる:一峰駱駝

【枚】“個”に近いが、多くは形の小さなものに用いる:一枚戒指 一枚五分的硬幣 一枚郵票 一枚紀録章 三枚奨章

【具】 
 1.棺桶や死体に用いる:一具棺材 一具尸体  
 2.ある種の器物に用いる:一具鐘

【棵】ke1 植物に用いる:一棵樹 一棵草 一棵牡丹

【株】植物に用いる(“棵”と同じ):一株樹 両株桃樹

【根】細長いものに用いる:一根管子 両根筷子 一根火柴 一根縄子

【枝】竿状のものに用いる:一枝鉛筆 両枝毛筆 三枝蝋燭 四枝槍 一枝箭

【支】
 1.竿状のものに用いる(“枝”と同じ):一支筆 一支箭 一支香煙
 2.歌曲、楽曲に用いる:一支曲子 一支歌
 3.軍隊の隊列や艦隊に用いる:一支軍隊 一支搶険qiang3xian3隊 一支救火隊 一支艦隊

【管】細長い円筒形のものに用いる:一管毛笔 一管牙膏

【条】
 1.細く、長く、幅の狭いものに用いる:一条線 両条腿 三条魚 四条黄瓜 一条床単
 2.河川や道路に用いる:一条大河 一条大街 
 3.決まった数量で構成される長細いものに用いる:一条肥 一条香煙
 4.項目に分かれた事物に用いる:一条妙計 両条建議 三条新聞 四条辦法
 5.人に用いる:一条好漢 一条人命

【道】
 1.河川やある種の長細いものに用いる(“条”と同じ):一道河 一道溝 一道擦痕 一道縫儿 万道霞光
 2.門や壁などに用いる:一道囲墻 両道門 三道防線
 3.命令、題目等に用いる:一道命令 十道数学題
 4.回数に用いる:一道手続 三道漆
 5.食事に用いる:一道汤 一道甜点心 四道菜

【面】平たいものに用いる:一面鏡子 一面鑼 一面鼓 両面旗子

【片】
 1.扁平な形をしているもの、かけらになっているものに用いる:一片面包 両片薬 三片餅乾
 2.地面や水面に用いる:一片草地 一片汪洋
 3.景色、気象、音声、気持などに用いる(前面に数詞の“一”をつける):一片新气象 一片歓騰 一片脚步声 一片胡言 一片真心

【張】
 1.紙、皮など薄くて平らなものに用いる:一張紙 一張地図 両張画 三張木板 十張皮子 
 2.ベッド、テーブルなど平たい面のある家具に用いる:一張床 一張桌子
 3.顔、口に用いる:一張臉 一張嘴
 4.弓に用いる:一張弓

【領】むしろやすだれに用いる:一領席

【顆】多くは粒状のものに用いる:一顆珠子 一顆黄豆 一顆子弾 一顆牙歯

【粒】小さな球形、或いは小さな破片のものに用いる(“顆”と同じ):一粒米 一粒珠子 一粒子弾 一粒沙 一粒薬丸 一粒塩

【塊】塊状のもの、かけらに用いる:一塊桌布 両塊香 三塊手表 

【方】方形のものに用いる:一方手帕 三方図章 几方石碑

【朶】花、雲、或いは同様の形状のものに用いる:两朶玫瑰 一朶白云 一朶浪花

【輪】
 1.多くが太陽、月に用いる:一輪紅日 一輪明月
 2.試合、会談に用いる:第一輪比賽 新的一輪会談

【茎】jing1 細長いものに用いる:数茎小草 数茎白髪

【縷】lv3 細いものに用いる:一縷麻 一縷頭髪 一縷煙

【份】
 1.組になったものに用いる:一份飯 一份礼
 2.新聞、雑誌に用いる:一份報紙 一份雑誌3.感情に用いる:一份情意

【把】
 1.取っ手のある器具に用いる:一把刀 一把剪子 一把茶壺 一把扇子 一把椅子 
 2.手で一掴みの数量に用いる:一把米 一把花儿
 3.ある種の抽象的な意味に用いる:一把年齢 加把勁 有一把力气 一把好手 幇他一把

【部】
 1.書籍、著作物に用いる:一部字典 一部影片
 2.機械、車両に用いる:一部机器 両部汽車

【台】
 1.芝居や演劇に用いる:一台戯 一台話劇 一台歌舞
 2.機械、計測器、家電製品に用いる:一台机器 一台拖拉机 一台顕微鏡 一台電脳 一台電視机 一台收音机 一台洗衣机

【出】演劇に用いる:一出戯

【堂】 
 1.組になった家具に用いる:一堂家具  
 2.授業時間に用いる:一堂課

【節】
 1.区切り、コマに分かれた授業を数える:三節課
 2.いくつかの区切りに分けられたものを数える:両節車廂 三節電池 四節甘蔗

【盤】
 1.料理を数える用于菜肴:四盤菜
 2.臼(磨mo4)に用いる:一盤磨
 3.渦巻き状になったものに用いる:一盤録影帯 一盤録音帯 一盤電線 一盤蚊香
 4.スポーツの試合に用いる:両盤単打

【貼】膏薬を数えるのに用いる(“帖”と同じ):一貼膏薬

【剤】いくつかの薬を配合した煎じ薬(漢方薬)を数えるのに用いる:一剤薬

【服】漢方薬を数えるのに用いる(“剤”と同じ):一服薬

【味】漢方薬に用いる:這個方子有八味薬

【付】漢方薬に用いる:三付薬

【頂】てっぺんのあるものに用いる:一頂帽子 一頂帳子

【座】比較的大きく、固定された物体に用いる:一座山 一座高楼 一座水庫 一座灯塔 一座橋 一座銅像

【棟】建物に用いる:一棟房

【幢】zhuang4 建物に用いる:一幢房

【扇】shan4 窓、扉等に用いる:一扇門 両扇窓 一扇磨(ひき臼の片方の石ひとつ)

【堵】du3 塀や壁を数えるのに用いる:一堵墻

【間】部屋を数える。家屋(房屋)の最小単位:一間卧室 一間客庁 三間門面

【処】
 1.住所に用いる:几処人家
 2.文字の間違い箇所に用いる:両処印刷錯誤 有几処筆誤

【所】
 1.住所に用いる:一所房屋
 2.機構、機関に用いる:一所医院 一所学校

【輌】車輛に用いる:一輌汽車 三輌自行車

【架】
 1.支柱のあるものや機械を数える:一架照相机 一架飛机 一架鋼琴
 2.山を数える。“座”と同じ:一架山

【艘】船(船只)を数える:一艘遠洋貨輪 一艘大客船

【趟】往復する動作の回数、列車の便数を数える:一趟火車 最后一趟車 好几趟車

【副】
 1.ひとそろいのものに用いる:一副象棋 一副担子 全副武装
 2.顔の表情に用いる:一副笑容 一副庄厳的面孔

【爿】pan2
 1.商店、工場、旅館等を数える(“家”と同じ):一爿水果店 一爿店咖啡 一爿面粉廠
 2.田、畑を数える(“片”と同じ):一爿地

【手】技能、能力(本領)等を表す:一手好字 一手好菜 一手絶活

【件】
 1.衣類(主に上着)に用いる。上下ひとそろいのものは「套」、ズボン、スカートは「条」を用いる:一件襯chen4衫
 2.事柄、事件などに用いる:一件大事 
 3.家具や荷物に用いる:両件家具 三件行李

【樁】zhuang1 事柄を数える(“件”と同じ):一樁心事 一樁大事 一樁買売

【宗】ひとまとまりの事物を数える(“件”や“批”と同じ):一宗心事 一宗事 大宗貨物 大宗款項

【項】項目に分けた事物に用いる:一項任務 三項紀律 第一項議題

【筆】金銭に関係のあるもの、商売に用いる:一筆銭 一筆帳 一筆生意

【通】動作に用いる:打了一通鼓 挨一通罵

【頓】食事、叱責(斥責)、説得、罵り等の行為の回数を数える:三頓飯 一頓打 一頓罵

【場】状況の経過に用いる:一場透雨 一場大雪 一場大戦 一場大病 一場大干 一場大哭

【陣】状況や動作の経過の一区切りを表す:一陣風 几陣雨 一陣劇痛 一陣掌声

【記】打ったり殴ったりする動作に用いる:一記耳光

【噴】花が咲いたり実がなったりする回数、成熟して取り入れる成効收割)回数:頭噴棉花 二噴豆角

【則】項目、段落に分かれている文章の条文を数える:三則試題 両則新聞 四則寓言

【封】封入されたものを数える:一封信 一封電報

【首】詩や歌を数える:一首詩 両首詞 三首曲子

【篇】文章に用いる:一篇論文 両篇報告

【幅】
 1.絵画を数える:一幅画
 2.布地に用いる:一幅布

【本】書籍や薄い冊子に用いる:一本書 一本筆記本 一本日記 一本帳 一本名冊

【発】銃弾、砲弾に用いる(“顆”と同じ):一発子弾 十発炮弾

【門】
 1.大砲に用いる:一門大炮
 2.学科、技術を数える:一門功課 両門技術
 3.縁談、親戚等に用いる:一門親事 一門親戚

【家】家庭や企業に用いる:一家人家 両家商店 三家飯店 四家銀行 一家電影院

【盞】zhan3 明かりの数を数える:一盞灯

【口】
 1.家族の人数を数える:一家五口人
 2.豚を数える:一口猪
 3.器物を数える:一口鍋 両口井 三口缸 一口鐘 一口鋼刀

【孔】洞窟、窑洞(ヤオトン)を数える:一孔土窑

【尊】
 1.神仏の塑像を数える:一尊佛像
 2.大砲を数える:五十尊大炮

【股】
 1.細長いものを数える(水の流れも一本の線のようなものと見做す):一股線 両股道 一股泉水
 2.気体、におい、力などに用いる:一股熱气 一股香味 一股煙 一股勁
 3.一味、グループを数える:一股敵軍 両股土匪

【席】スピーチ、宴席を数える:一席話 一席酒

量詞(2) 名詞の範疇からの量詞の選択

2009年10月12日 | 中国語

 量詞の実際の使い方の具体例として、名詞の範疇から、どういう量詞が使われるか、という見方と、ある特定の量詞について、どういう場合に使われるかというふたつの見方がある。
 今回は、名詞の範疇から、どういう量詞が使えるかをみていく。

1 人を表す量詞:個、位、条。「位」はあらたまった、丁寧な言い方をする時に用いる。「条」は限られた場合にのみ用いられる。

 一個人 一個大人 一個小孩 一個女孩 一個男孩 一個画家 一個司机 一個工人 一個農民 一個士兵 一個朋友
 一位同学 一位老師 一位客人 一位長官 一位代表 
 一条好漢

2 動物を表す量詞:只、匹、頭、条、峰.

 一只狗 一只鸟 一只猴子 一只鶏 一只大象 一只羊 一只猫 一只老鼠 一只蝴蝶 一只虫 
 一匹馬 
 一頭牛 一頭羊 一頭驢 一頭騾 一頭豹子 
 一条蛇 一条魚 一条虫 
 一峰駱駝

3 人や動物の器官、部位を表す量詞:個、只、顆、根、張、片、条。
  個、只以外は、その形状を表すものが多い。

 一個脳子 一顆脳袋 一根頭髪 一根眉毛 一只眼睛 一個鼻子 一個耳朶 一張嘴 一片嘴唇 一顆牙歯 一個舌頭 一個下巴 一条胳臂 一只手 一個手指頭 一個拳頭 一条腿 一只脚 一条尾巴 一顆心  

4 植物を表す量詞:棵、株.

 一棵樹 一棵白楊 一棵草 一棵松 
 一株水稲 一株麦子 一株樹 一株小草

5 果物を表す量詞:個。
  例外:一粒葡萄,一根香蕉.

 一個苹果 一個橘子 一個柿子 一個梨 一個李子
 一粒葡萄 一根香蕉

6 植物の部位を表す量詞:朶duo3、片、条、顆、粒。
  その形状を表すものが多い。

 一朶花 一朶玫瑰 一朶紅梅 一片叶子 一条根 一顆種子 一粒米

7 食物を表す量詞

 一頓飯 一頓早飯 
 一份早餐 一份午餐 一份晚餐 一份中餐 一份西餐 一份点心 
 一根油条 一個包子  一個饅頭 一根鶏腿 一個鶏蛋 一片肉 一塊牛肉 一個三明治 
 一道菜 一道湯 一片面包 一塊蛋糕  一根冰棒  
 一片餅乾 一粒糖果 一片西瓜 一根棒棒糖 

8 食器や調理器具を表す量詞

 一根筷子 一把叉子 一把湯匙 一張餐紙

9 家庭用品を表す量詞。家電や計測器を表す量詞、台を含む

 一張桌子 一把椅子 一条板凳 一条沙発 一張床 一条棉被 一条毛巾 
 一根火柴 一根蠟燭 一盞灯 一个灯泡 一把牙刷 一条牙線 一塊香 一塊桌布 
 一塊手表 一面鏡子 一個臉盆 一個桶 一只桶 一把傘 一条縄子 
 一部電話 一台電視机 一台録影机 一盤録影帯 一盤録音帯 一個氷箱 
 一根香 一帖膏薬 一服薬

10 衣料、装身具、装飾品を表す量詞

 一件衣服 一件上衣 一条褲子 一個口袋 一頂帽子 一条圍巾 
 一只手套 一只袜子 一只鞋 一只眼鏡 一只耳環 
 一枚胸章 一枚戒指 

11 建物を表す量詞:座、棟。

 一座城 一座橋 一条路 一棟房子 一座別墅 一座高楼 一幢楼房 一座塔 一座廟 
 一扇窓 一扇門 一面墻 一堵墻 一間房

12 交通手段を表す量詞:輌、列、架、艘.

 一輌車 一輌汽车 一輌自行车 一列火車 一架飛机 一条船 一枚火箭 一艘軍艦

13 工具を表す量詞:把

 一把錘子 一把鎖 一把剪刀

14 文具を表す量詞

 一支筆 一枝筆 一張紙 一塊墨 一方硯台 一台電脳

15 文芸作品を表す量詞:封、則、首、篇、道、幅.

 一封信 一則日記 一首詩 一篇文章 一幅照片 一張照片 一幅画 一台戯 一道命令 一首歌 一支曲子 一篇報告 一個字 一個詞 一個句子

16 事件や動作を表す量詞:件、頓、場、通.

 一件事 一個事件 一個動作 一通電話 
 一頓毒打 一頓吵架 一頓臭罵 
 一場球賽 一場風波 一場戦争 一場大火 
 一個案例 一通報告 一陣騒動 一陣掌声

17 武器を表す量詞

 一把刀 一面盾 一張弓 一支箭 一支槍 一発子弾 一門大炮 
 一枚炮弾 一枚導弾

18 地理、天文、気候を表す量詞

 一座山 一道梁 一条江 一条河 
 一個池子 一個湖 一個海 一個月亮 
 一輪明月 一顆星星 一個太陽 
 一朶雲 一陣風 一場雨 一個響雷 一道閃電 

19 形状を表す量詞。条、根、支、道、面、片、張、顆、粒、塊kuai4.
  用例は上記の各分類を参照。


量詞 数量と事物の形状・形象を表す中国語語法の一要素

2009年10月12日 | 中国語
 量詞は、単に名詞や動詞の数量を表すだけ、と軽く見られがちであるが、実は名詞に修飾して、数だけでなく、その事物の形状・形象も表現できることばであり、その数もたいへん多い。中国語の表現力を向上させるには、量詞の使い方、というのも重要ポイントである。

【定義】
 量詞とは、ものの数をはかる、或いは量(長さ、重さ、容積など)をはかることのできる名詞と連用、或いは数詞と連用する詞、或いは詞素であり、通常は名詞の指す物体の形状や用途により分類される。名詞と連用されるものは、動詞と連用されるものと区別し、名量詞ということもある。 また、動詞と連用し、動作の数をあらわすものを動量詞という。

【分類】
 [名量詞]
  (1) 専用名量詞:ある特定の名詞に選択される関係のある量詞。ある名詞はひとつの、或いはいくつかの限られた量詞を必ず使う。このような量詞が専用名量詞である。 例:一本詞典,一匹馬,一尾魚。

 (2) 臨時名量詞:ある名詞を仮(臨時)に量詞の位置に置き、数量の単位として用いるもの。
 例:a. 端来両盤餃子,拿来一瓶醤油。b. 坐了一屋子人,擺bai3了一床東西。
  この形式は、一般にあるものを収納するものの数を表す。 aグループとbグループの違いは2点。
  1、aグループの数詞はどんな数でもよい; bグループの数詞は一般に「一」だけ。
  2、bグループは数が多いことを強調する意味合いがある; aにはそれがない。

  (3)計量名量詞:主に度量衡の単位。例:公斤、尺、畝mu3、度、等。

 (4)通用名量詞:多くの名詞に適用する量詞を指す。種、類、些、点、等の四つを含む。量詞“個”には通用化の傾向があり、これと組み合わせることのできる名詞は益々多くなっている。しかし依然として多くの名詞で専用の量詞しか使えないものがあり、“個”との代替ができない。
  例:“電影”は“一部電影”だけではなくて“一個電影”と言うことができる。しかし“紙”は“一個紙”と言うことはできない(“一張紙”など)。

 [動量詞]
 “去一趟、看一遍、做一次、哭一場”中的“趟、遍、次、場”は動作の数を表すので、動量詞と呼ぶ。
 動量詞は、次のふたつに分類される。
 (1)専用動量詞:次、回、遍、趟、下(儿)、頓、番、を含む。これらの動量詞の表す意味は各々異なり、動詞との結合の能力も異なる。例えば、“次”と“下(儿)”は動詞との結合能力が強く(多くの動詞と結合できる)、“趟”は“去”“走”“跑”等、一部の動詞としか結合できない。

 (2)工具動量詞: 例:他踢了我一脚。我打了他一巴掌。老師瞪了我一眼。“脚”は“踢”の手段(工具)であり、“巴掌”は“打”の手段(工具)であり、“眼”は“瞪”の手段(工具)である。このような詞は仮(臨時)に用いて動作の量を表す。したがって、このような動量詞を臨時動量詞と呼ぶこともできる。

 [複合量詞]
 名量詞“架”“人”と動量詞を結合することで、これを特殊な計量単位とすることができる。これを複合量詞と呼ぶ。
 一般に複合量詞の構成形式は“名量詞+動量詞”であるが、注意しないといけないのは、名量詞は多くのものが複合量詞を構成することができるが、動量詞は“次”だけが通常複合量詞を構成できることである。 
 例:班次、人次、件次、卷次、例次、艘次、部次、架次、批次、戸次、輌次、台次。

【用法】
 (1)量詞の繰り返し:計量名量詞以外で、多くの量詞は繰り返して使用できる。例:名量詞:個個/件件/張張。動量詞:次次/趟趟/回回。  
 量詞の繰り返しのもう一種の形式は“一+AA”で、例えば“一個個”“一件件”“一趟趟”。この形式の表現の文法的な意味は、上記の繰り返し形式と同じものと、違うものがある。
 意味には、3種類ある。
  1、“毎一”(ひとつひとつ。ひとりひとり)を表す。基本は“AA”の繰り返しと同じ。
   例:小伙子們一個個身強力壮。
  2、“逐一”(逐一。動作のひとつひとつ)を表す。この意味の繰り返し形式は、状語(状況語)になる。
   例:我們要一件件仔細検査,不要漏掉。
  3、数や回数の多いことを表す。
   例:他一次次給我打電話。

 (2)数詞+形容詞+量詞  
  数詞と量詞は通常直接結合し、共同で数量面で名詞を修飾する。しかし、時に数詞と量詞の間に形容詞が挿入され、数詞+形容詞+量詞という形式が形成されることがある。例:他手里提着一大包東西。このような構成で表現されるのは、主に量の大小の強調で、誇張の意味も含まれる。使用上、以下の点に注意が必要:  
  1、量詞が臨時名量詞の場合、一般に形容詞を挿入しやすい。
   例:晩上他吃了一大碗飯。 
  2、量詞が専用名量詞の場合、制約が多いので、慎重に用いるべきである。
   例:他扛着一大件行李。 
  3、挿入できる形容詞には制約があり、主に“大、小、厚、薄、長”等少数の単音節の形容詞だけが使用できる。

【解説】
 中国語の量詞、特に名量詞は、とりわけ種類が多く多彩であり、他の外国語に比べ、際立った特色である。
 量詞の中には、限定的な状況でのみ用いられるものがあり、二三の名詞としか結合しない。例えば、“尊”は“一尊佛像”、“一尊菩薩”という場合にしか用いない。
 量詞の中には、様々な名詞に結合するものがあり、例えば“個”は、“一個人、一個問題、一個苹果、一個家、一個座位、一個単位、一個口信”などと言うことができる。
 名詞の中にはいくつもの量詞を使えるものがあり、例えば、帽子:一只 一頂 一个 一打。魚: 一条 一尾 一串 一斤。葡萄:一顆 一粒 一堆 一串 一把 一吊。
 どの量詞がどの名詞に使われるかは、一定の法則があり、例えば小さくて丸いもの、例えば珍珠(真珠)、米、葡萄、小石子等は、量詞“顆”を用いることができる;細くて長いもの、例えば竹竿、長槍、香烟等は、量詞“支”、“根”を用いることができる。
 これらの量詞を使用すると、数の単位を表示するだけでなく、事物の形状、形象を示すことができる。文学家は量詞のこうした特徴を利用し、“一輪明月、一鈎残月、一弯新月、一叶扁舟、一縷笛声”といった簡潔な形象表現を生みだした。 
 量詞には褒貶の色彩のあるものがある。例えば、“両位青年工人協助民警抓住了一伙歹徒。”量詞“位”には尊敬の気持ちが含まれる;一方、量詞“伙”には、軽蔑の気持ちが含まれる。
 大多数の量詞には何ら感情の色彩は無いが、それらがどの名詞と結合して使われるかは、習慣に基づく。例えば、“把”は、“一把刀、一把米、一把扇子、一把鎖、一把年紀”などと言うことができる。

 では、次回では、具体的な量詞の用例を見てみたい。