赤すぎるセーターを選りこの冬の障りのような者になりたい
川下をえらんで座る会合のそういえば瀞とはこんなふう
あなたこそわたくしに躓けばいい短くなった袖をのばして
切り口に黴を育ててゆくような最晩年という豊かさよ
公園で絡まっているこどもたちをゆっくりほぐす仕事をしたい
冬の空気を吸っては吐いて何度でも転ぶひとたち 小さすぎるな
毛糸玉なのだろうまだ数回の冬しか知らず そうか、うれしいか
立ち止まるしゃがむぶつかる笑い出す耳をしまってまた駆けてゆく
けものにはなれそうもない 十二月 みぞれ わたしは鉋が欲しい
ずっと生きているのもいいね(死ぬのもね)ただ生姜湯があればうれしく