創作日記&作品集

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『一人称単数』村上春樹著

2020-10-05 17:07:30 | 読書
どれも素晴らしい短編である。
八つの小説の視座は変わらない。
一人称単数である。
確かに私たちは等しく一人称単数なのだ。
最初の『石のまくらに』は「性交」が必須である。
村上春樹の小説は性描写が過激だからノーベル賞が受賞できないという意見があると聞いた。
しかし、性描写がなければ『石のまくらに』は成立しない。
たち切るも/たち切られるも/石のまくら
うなじつければ/ほら、塵となる
この短歌もない。
『品川猿の告白』では、思わず声を上げて笑ってしまった。
新作である 『一人称単数』では、私達の唯一の拠り所である一人称単数の危うさ、そして、怖さが描かれていると思う。


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