団地を出ると、闇が深くなる。今夜も月は見えない。2回目だから、少し落ち着いて回りを観察した。少し涼しくなったようだが、まだ蒸し暑い夜だ。橋を渡る。地蔵に蝋燭が燃えていた。この地点から、温度が下がった。少しずつ違う場所に歩を進めているのだろう。盆踊りをしているようだ。涼風に乗って聞こえてくる。
「今夜は落語もあります」
和助さんが言った。
「落語?」
「二つ目だか、三つ目だか。聞けたもんじゃありません。短いのが救いです。初代の桂文枝はよかった」
「今は三枝ですね」
「あれはダメです」
一言で切り捨てた。
「初代の桂文枝をお聞きになったんですか」
「ええ、補厳寺に定席を持ってました」
僕はもちろん知らない。iphoneで「初代桂文枝」を探してみる。明治の落語家だ。
「もうちょっと行くと、携帯電話の電波が届きません。補厳寺は電波の谷間らしいです。あっしは困りませんが、若い者は文句たらたらで」
公園に着いた。今日は子供たちが、四、五人遊んでいた。虎とリスに子供が乗っている。虎もリスも楽しそうだ。
門は開いている。前と同じで、篝火が燃えていた。門をくぐると、空気が一変した。
「ここから、変わるのだ」
「今夜は落語もあります」
和助さんが言った。
「落語?」
「二つ目だか、三つ目だか。聞けたもんじゃありません。短いのが救いです。初代の桂文枝はよかった」
「今は三枝ですね」
「あれはダメです」
一言で切り捨てた。
「初代の桂文枝をお聞きになったんですか」
「ええ、補厳寺に定席を持ってました」
僕はもちろん知らない。iphoneで「初代桂文枝」を探してみる。明治の落語家だ。
「もうちょっと行くと、携帯電話の電波が届きません。補厳寺は電波の谷間らしいです。あっしは困りませんが、若い者は文句たらたらで」
公園に着いた。今日は子供たちが、四、五人遊んでいた。虎とリスに子供が乗っている。虎もリスも楽しそうだ。
門は開いている。前と同じで、篝火が燃えていた。門をくぐると、空気が一変した。
「ここから、変わるのだ」
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