連載小説「Q」第二部5
次に企画室長になるのは、Qと呼ばれる女性だった。
彼女は人工頭脳だ。
Queen。
六十階に住んでいる。
彼女はCEOでもある。
分散型AIである。
今や家庭にも入り込んでいる。
愛慕にもいる。
光一はQに呼ばれていた。
企画室のある三階から、十六階までエレベーターで上がる。
そこで、個人認証システムを通る。
文字通り、駅の改札口を通るみたいに。
十六階で個人認証で確認され、一人用のエレベーターに乗る。
地上三百メートルの六十階まで四十五秒で着く。光一が六十階に来るのは初めてだった。
――誰がいるのだろう
「大谷光一君」
女性の優しい声がする。
「真っ直ぐ歩いて。どこでも好きなドアを開けて。待っているわ」
廊下に沿っていくつもドアが並んでいる。
突き当たりまで走ろうと思ったが、
「廊下は走っちゃダメ」
と、叱られた。
連載小説「Q」第一部をまとめました。
次に企画室長になるのは、Qと呼ばれる女性だった。
彼女は人工頭脳だ。
Queen。
六十階に住んでいる。
彼女はCEOでもある。
分散型AIである。
今や家庭にも入り込んでいる。
愛慕にもいる。
光一はQに呼ばれていた。
企画室のある三階から、十六階までエレベーターで上がる。
そこで、個人認証システムを通る。
文字通り、駅の改札口を通るみたいに。
十六階で個人認証で確認され、一人用のエレベーターに乗る。
地上三百メートルの六十階まで四十五秒で着く。光一が六十階に来るのは初めてだった。
――誰がいるのだろう
「大谷光一君」
女性の優しい声がする。
「真っ直ぐ歩いて。どこでも好きなドアを開けて。待っているわ」
廊下に沿っていくつもドアが並んでいる。
突き当たりまで走ろうと思ったが、
「廊下は走っちゃダメ」
と、叱られた。
連載小説「Q」第一部をまとめました。
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