自作 俳句

2006-12-09 | Weblog

        みんな出て大きな月を見ておりぬ

        紫陽花の映る鏡に紅をひく

        嫁ぐこと案じて目覚む雪明かり

        嫁ぐこと諾う父や梅白し

        干竿に身を委ねたる浴衣かな

        遠足児つり橋にきて列乱る

        短日やきりなき家事を手抜きして

        無患子の北に離れて散にけり

        毬栗の包みは英字新聞紙

        雛納めして六畳のひろさかな

        手袋を脱がせておりぬ己が口

        曲がるには惜しき道なり冬の虹

        地下道を抜けて風花触れにけり

        初夢に辻褄合わぬ人と合う

        満月の更なる遠き父の国

        頬杖の強き碁敵若葉雨

        シャガールのような蒼さや十三夜

        我が作の案山子を闇に怖れけり