猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

皇位継承、男系にこだわる理由

2005-10-26 23:50:49 | 皇位継承問題・皇室
 皇位継承の原理は男系の伝統を守るべきだと考える理由を、今回は少し別の角度から書いてみたいと思う。
 「有識者会議」が提唱している継承方法は、実は純粋な「女系」とも呼べない。純粋な女系らば母方の血をさかのぼれば必ず一つに繋がるという原理である。その場合女帝が本則(追記:理論的には各一代限りの男子もありうるようだ)というのが理論的帰結になろう。もちろんわが皇室の伝統とは全く異なるものだが、それはそれで徹底すれば一つの継承原理ではある。しかし、有識者会議案の言うように長子が継承する(あるいは兄弟姉妹の中で男子優先でも同様だが)となれば、血筋を父方と母方でジグザグに遡って一つの祖にたどり着くことになる。
 さて、一般の国民の中にもジグザグに遡れば天皇の血筋に繋がるものなどいくらでもいる。不敬な例えで恐縮だが、私ですら母方の祖父は清和源氏の血をひいていることになっているらしいから、無理やり遡れば清和天皇にたどり着いてしまう。つまり、有識者会議の案のように傍系も認めかつ女系も認めるとなれば、一般国民との差異が余りにも小さすぎると思う。この点に一番違和感を覚えるのである。それゆえに、女子が皇位継承し、かつその子孫が男系という原理によらずして皇位を継承するとなれば、我々一般国民と天皇の「格」の違いは「直系」であることに求めなければならない。かくして、直系という原理にこだわるとなれば、結局のところ皇位継承者に陥るということである。それならば、伝統に基づいて男系をもって一線を画すのがよいのではないかと考えるわけである。
 皇室と一般国民の近さが増してよいではないかという反論もあるかもしれないが、私は、何か大きな一線を画すものがないと皇室は存在意義を失っていくのではないかと危惧する。有識者会議はそこを真剣に検討したとは全く思えないから、安易な結論に反対したいのである。



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2 コメント

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Unknown (板の魔術師)
2005-11-02 05:01:42
初めてコメントします。

今回の素人集団の案は本当に?ですねえ。

女帝が完璧な婿に恵まれ子沢山ならハプスブルク=ロートリンゲンのように権威の低下も最小限ですみますが、女帝が数代続く可能性もあるわけで、そうなると旧宮家のほうが正統と

いう勢力の出現や妙な野心家が出る可能性も長期的にはありえます。

(有識者を名乗るならこの辺も考慮にいれないといけないはずです。)

個人的には伏見宮貞敬親王の男系子孫でかつ明治天皇の子孫に皇位継承範囲を広げるべきと思います。継承順位は多少複雑になる恐れがありますが、なぜそれが問題視されるかが自分にはわかりません。
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板の魔術師さまへ (猫研究員(高峰康修))
2005-11-02 16:06:36
全くもって同感です。直系相続が不可能になったときは、血筋が遠くても男系男子が継がれるのが例外なき伝統であります。その場合に、絶える方の直系に属する内親王を皇后にすることで血統を「高める」という工夫がなされることも多かったですよね。女系という概念をあくまで「補助的」に使っていたとでも言うべきか…。

有識者会議は、初めから「女系女子容認」と結論を決めていたのでしょうね。

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