衣・考

松本衣デザイン専門学校校長・太田が、衣服とその周辺、デザイン他について感ずること考えることを書きます。

布との対話・・・・

2009-12-25 09:40:34 | 衣・考
師走の騒ぎの中でも、校内には「ものづくり」の現場がぜいたくな時をきざんでいる。

わたしの1日の仕事の多くは、「片付け仕事」に追われているせいか、アトリエでの時間はとてもゆったりとしたぜいたくな気分になる。

とくに、今、4年生が、テキスタイルデザイナーH氏の布を衣服にデザイン、仕立てる仕事を依頼されている。その仕事の仕方・・・・・

学生も通常は「量産」のためのデザイン、製造を学んでいる。

最初はH氏に授業で、布の説明やコンセプトを話していただいた。

つぎに3年生、4年生全員に、デザインをしてみてもらった。

なかなか苦戦・・・・・・・

結果、偶然なのか?・・・・・4年目の2人のデザインを採用することになった。

1作めは、先日ここに写真を紹介しました。

今2作目です。

量産デザインでは「計画」を重要視するのですが、今回のような「作家もの」は異なります。

そもそも、出来上がる衣服は、量産ものではないのです。

そして、量産された布ではないので、テキスタイルデザイナーの思いやがストレートに伝わってきます。布の個性が強いです。それが魅力そのものですから、「生かす」ことが使命と言えます。

毎日が「布との対話」です。

1工程やってみては、次をデザインします。

副資材1つ使ってみては、また、次を考えます。

本当に楽しい、ぜいたくなやり取りです。

布の側の話や都合をききながら進めていく感じです。

いわゆる「アパレルデザイン」とは異なるということを、じっくり理解し、味わってほしいものだと思います。

よい機会をいただいたものだとおもいます。

まわりの学生も、ときどき覗いて「体感」してください。