くらのうえ市丸歯科ブログ

お口の健康を守りたい

「地域包括ケアを支える医科歯科連携とリハ栄養」について受講してきました。

2016年11月02日 | 外部セミナー

 

2016年10月28日(金)、アバンセにて『地域包括ケアを支える医科歯科連携とリハ栄養』というセミナーを受講してきました。

演題にあるリハ栄養とは、障害者の方や高齢者の方の、機能・活動・参加を最大限発揮する栄養管理の事を言います。

リハビリ者の多くは入院中に痩せてしまうという事を教えていただきました。その原因として、発症前からもともと低栄養だったり、リハ病棟での不適切な栄養管理だったり、リハビリ量に対し、栄養が不足している為痩せていくのだそうです。今年度のリハビリ者は、約50%が低栄養。病院なのだから、栄養管理はしっかり考えてされていると思っていた私には、衝撃の事実でした。

この講演で、講師の若林先生は”サルコペニア”という単語をよく使われました。サルコペニアとは、加齢・活動・栄養・疾患による筋肉量・筋力・身体機能が低下することをいい、サルコペニアになってしまうと、寝たきりになったり、嚥下障害・呼吸障害が起きたりします。リハ栄養による対応として、加齢が原因のときは筋トレなどを、活動が原因のときはリハビリなどで運動し、早期離床を、栄養が原因のときは適切な栄養管理を、疾患が原因のときは治療や栄養管理、運動を行います。原因によって対処の仕方が変わるわけですが、医科で受診した場合、医科の知識を用いて治療を進めてしまうため、運動が必要なのに、とりあえず入院させて安静にさせる。ということが起こってしまいます。そのため、治るどころか悪化させてしまうという事態が現状では起こり得るのです。サルコペニアの方に対して、原因によって対処の仕方が変わるわけですから、医科や栄養管理士、理学療法士など、多職種での連携が必要になるわけです。

さて、歯科はどこで関わってくるのか?

入れ歯が合わなくなったとします。入れ歯が合わなくなるとしっかり噛むことが出来ず、咬み合わせが悪くなり、食事量が減ります。食事量が減ると、栄養摂取が減るという事ですから、体重も減っていきます。つまり、栄養が原因のサルコペニアになるという事です。そして、どんどん栄養が減っていった結果、サルコペニアによる嚥下障害などが起きるのです。

しっかり噛める入れ歯をつくること、また、患者様と一緒に歯を守っていくことが、歯科の役割になっていきます。

この講演を受講し、歯科は口腔内にとどまらず、全身の健康にも繋がっていくことを学びました。多職種で連携をとるということは簡単ではありませんが、積極的に行動を起こし、将来的には連携をとることが当たり前、という考え方が浸透していけたらと思っています。この講演は、その一歩となりました。

口腔内の環境は、全身の健康管理にも繋がります。

何か口腔内でお困りのこと、気になることがございましたら、是非、ご相談ください。当院スタッフと一緒に解決していきましょう!

 

(医)くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント歯周病センター(佐賀県 鳥栖市)

TEL:0942-81-5410 

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