3月21日に,熊本県益城町のグランメッセ熊本で開催された特別講演会に院長,衛生士の小川、吉富、野下の5人で参加してきました。
この講演会は、熊本地震復興支援を目的として、熊本県歯科医師会と日本歯周病学会が主体となって企画されました。スピーカーとしてスウェーデン・イエテボリ大学歯周病科名誉教授のヤンリンデ先生が、来日され、『歴史が示す歯周病は治療から予防の時代へ』というテーマで、講演されました。ヤンリンデ教授は、歯周病治療に精通する者はもちろんのこと、世界中の多くの歯科医療人が知る人ぞ知る、御年80歳を超える、まさに“生ける伝説”的存在です。歯周病学を学ぶにあたり、“リンデの教科書”と言えば、世界共通のバイブルの一つといっていいでしょう。わたくし自身、長崎大学歯周病学講座での大学院生時代から現在に至るまで、歯周病に関する基礎および臨床的知識の多くを、このリンデ先生の教科書から学んできました。
最近は、治療の技術論や新しい治療法・治療用機器等の講演会が多く、自分自身の臨床が、つい手法にばかりにとらわれがちになってきてたように思えます。もちろん、治療のノウハウを学び、技術の研鑽に努めることはとても重要であり必要なことだと思います。しかしながら、いくら手法を学び、技術力が向上しても、病気(歯周病)の本態を理解できていなければ、治療が、誤った方向に進み、結果は、絶対についてきません(病気は治りません)。リンデ先生の講演は、歯周病の病因論と病態、そして治療について、それらが解明・確立されるまでの基礎研究や臨床研究の歴史的背景とともに学べる内容のもので、それを、活字(教科書)ではなく、生で聴けたことは、大変貴重な財産となりました。
今後も、原点を忘れることなく、病気の本態を十分に理解し、確実な診査・診断に基づいた正しい治療を患者様に提供することに努め、同時に技術の研鑽も怠ることなく、口腔健康の維持・増進に貢献していきたいと思います。そして、80歳を超えても、約4時間近い講演を立ちっ放しでやり遂げたリンデ教授のように、生涯現役の歯科医療人であり続けたいと思います。
くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント歯周病センター(佐賀県鳥栖市)
TEL:0942-81-5410 副院長 山口 竜亮