今日もブレーキのお話です。
キャリパー、マスターシリンダー、ブレーキホース、、、とお話しは進んでいますので、、、ブレーキフルードですね。
ブレーキフルード、、、とは、、、
ブレーキレバー(ペダル)を操作すると、マスターシリンダーで油圧が発生します。
その油圧は、、、ブレーキホース(ブレーキパイプ)を介してキャリパーのピストンを押して、、、ブレーキパッドを強く挟み、ブレーキが効きますね。
油圧式ブレーキの油圧を伝える大事な媒体が ブレーキフルード になります。
ブレーキフルードは、、、バイクのブレーキシステムの中に密閉?されているのですが、制動による高熱を受けたり、経年変化やマスターシリンダー内でピストンの摺動で汚れたりし、劣化いたします。
もうひとつ、、、ブレーキフルードの特性として、、、吸水性がありますので、それによるブレーキフルードの劣化で沸点の降下があります。
この表は、、、
ブレーキフルードの吸水率と沸点の変化を表しています。
例えば、、、このブレーキフルードは、、、
当店で通常使用しているホンダ純正のブレーキフルードですが、、、
裏に表示している沸点は、、、
155℃以上の性能になります。
そして、、、バイクを使い続けていると表のように年を追うごとに吸水して、、、沸点は下がっていきます。
沸点が下がるとどうなるか??? ベーパーロック現象 が発生しやすくなります。
老メカ、16歳からバイクの生活をどっぷりとしていますが、ベーパーロックによるブレーキが効かない!という経験は残念ながらありません。
経験したくない現象ですが、、、
お客様と林道ツーリングによく行っていましたが、、、曲がりくねった峠を下っていた時です、、、前を走っていたお客様の1台が、、、突然止まって、、、後ろブレーキが効かない、スカスカ! という事が起きました。
九十九折れの下りですので、ブレーキを使いすぎて、、、ベーパーロックを起こしたようです。
この時は崖から落ちる!など、、、大事には至りませんでしたが、お客様は肝を冷やしたに違いありません。
ブレーキのトラブル、、、防ぐのは、、、点検と整備 ですね。
ブレーキフルードの交換は、、、メーカー推奨2年ごとになります。
ブレーキフルードには高性能な銘柄、グレードもあります。
何が違うのか?というと、、、
沸点が、、、
高温になっています。
この製品は、、、
ワコーズSPR というブレーキフルードで、、、こちらの裏には、、、
ウエット沸点が 212℃ 。。。
ホンダ純正ブレーキフルードが155℃以上、、、ですので、ワコーズSPRのほうが高温まで沸騰しないので、ブレーキ性能の限界を高めてくれます。
この様な高性能な製品も当店では扱っていますので、整備の際に指名くださればグレードアップする事が出来ます。
最近のバイクには、、、ABS装置が装備されている機種も多くなりました。
昨日、一昨日アップしたキャリパー、マスターシリンダー、ブレーキホースともうひとつ、ABSユニットがバイクに備わっています。
ABSユニットはマスターシリンダーとキャリパーの間に装着されています。
ブレーキフルードがABSユニットに出入りしていますので、ブレーキフルードが劣化してくると、、、マスターシリンダーやキャリパー同様にABSユニット内部も汚損してしまうでしょう。
ABSユニットは非分解の部品です。
内部はブレーキフルードの複雑な通路があり、オーバーホール用の部品は販売されていません。
ABSユニット、、、お値段をちょっと調べたら、、、アッ、、、と、驚くお値段が、、、
ホンダ フォルツァSIABSで、、、¥91500-!!!
ヤマハ YZF-R25、、、¥64000-、、、でした。
ブレーキフルードの交換を怠ると大変な出費をする事になる場合も。。。
ブレーキのお話でした。