想いをかたちに

日々起こること、仕事のこと、気になること、
小さなことから気ままにつれづれに書いていきます。

高山寺 石水院

2017-09-26 | 建築探訪



みなさんこんばんは

続けて、京都栂尾にある高山寺 石水院に訪れませした
これは、堀部さんの本「建築を気持ちで考える」を北欧に行く前に読んでいて、
そこに掲載されていた写真、文を読んで是非行って見たいと思っていました 

 

写真は撮影禁止ということで今回はスケッチとホームページからの写真を




KYOTRIP|京都観光おすすめスポット情報

遠くの山並みから、近くの山の木々の見え方、切り取り方が素晴らしく、
これは山の林の中に床が浮いているような感覚
初秋、紅葉前のさらに夕刻、なんとも言えない景色を体感できました
この寸法を体に入れようと平面と断面を短時間でできる限り拾いました

実はここ、よく教科書で見た鳥獣戯画のお寺、レプリカが飾ってありました


<高山寺公式ホームページより>

京都に行った際は是非、学校での授業を思い出すとともに、素晴らしい建築と景色を
御楽しみいただいたらどうでしょうか

お子様を連れて行くと、歴史の教科書がより身近に感じられ、
小さい頃から日本の素晴らしい建築を実際に味わうことができます
おすすめです

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栗林公園 掬月亭

2017-09-25 | 建築探訪



みなさん、こんばんは

香川県高松市に行く機会があり、朝起きて何かみたい建築なかったかな
と考え思い浮かんだのが、栗林公園の掬月亭でした

中村好文さんの本、意中の建築で読んで以来、気になっていましたし
伊礼さんがフェイスブックにもアップしていて、いつかはと思っていました
それは突然のひらめきと、突然の出会いでした

公園の中に入り横からアプローチ
植栽の陰に隠れていましたが、雨戸、障子が開けられ、向こうが抜けて見える感じ、
写真で見ていた空間を彷彿とさせるものでした
そして、軒先きがシャープで低く抑えられていて、佇まいがいい



そして、大茶屋の内部へ
まるで景色の中に、水辺に飛び出しているような開放的な空間  まさしく庭の中にいる感覚
ただ座っているだけでも、もちろん心地いいのですが、
ここで、茶会などが行われたら、何と気持ちいいだろうと感じました

このスッキリさ、ミースやコルビュジェの近代建築に通じるものがあります
近代建築の巨匠たちは、京都「桂離宮」に影響を受けたというのは、
中村好文さんはじめ、いろんな書籍で読んだことがありますが、
桂離宮を訪れた時よりも、ここでより実感しました
モダニズム、近代建築の源流は、日本の建築にあった



大茶屋ともう一つ、非常に心地よかったのが、一番奥にある茶室
海外からのお客様に押し出されるように奥へと進んだところに、この茶室はありました
6畳間のその空間は、正面に床の間と、丸窓、そこから切り取られた山の風景が心にくい
そして、左に障子に挟まれた庭園の緑
大茶屋の喧騒から離れ、当時の人たちもこの落ち着いた空間でゆっくりしたんだと想像できました

   

皆さんも、香川県高松に行かれた際は、ぜひこの空間を体感ください

他に高松市には丹下健三設計の県立体育館がありますが、
車で通りましたが未だ閉鎖中でした
耐震改修ができないほど難しい構造とは聞いてましたが、考えさせられます
同じ設計で県庁などもあります。こちらも一緒にご覧になると、
世界の近代建築に影響を与えた日本建築から、日本の近代建築を見ることができます
うどんとともにぜひ

  

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木の家設計グランプリ2017

2017-09-24 | 住まい・建築

 

みなさん、こんばんは

今年も、谷口工務店主催「木の家設計グランプリ」
協賛企業として参加させていただきました 
テーマは「働く家を考える」

テーマに沿った木造住宅のアイディアコンペですが、
127組の学生が一堂に集まり、個別審査、10選作品によるファイナルプレゼン、
そして公開審査があり、表彰式、懇親会となります。



朝からみっちり、学生も徹夜明けで大変です。
でもみんな一生懸命!
私ども協賛企業もビルダー賞を出させていただくため、
個別審査では、学生に作品の説明をしてもらうのですが、
若々しい、フレッシュな住宅や建築、街に対する思いを聞くことができます。

またそれに対して、設計を勉強してきた先輩として少しコメントをさせてもらうのですが、
それをメモしてくれる学生がいたり、あとで「勉強になった」と言ってくれる学生がいたり、
こちらの方がその想いと姿勢に、とてもいい刺激をもらいました。



ファイナルプレゼンは100名を超える聴衆の前で話をし、
有名な建築家造園家との質疑応答ができる、これは本当にいい経験になると思います。



そして受賞できるできないの喜怒哀楽、
懇親会では憧れの先生と直接真剣に話をしたり、
本当にみんな一生懸命!これが本当に大事だと改めて感じました。

また、学生の皆さんには、私たちのように設計施工でやっている工務店の存在が
あまり知られていないという現実を改めて確認しました。
これをきっかけに少しでも工務店のことを知ってもらい、
将来この業界で一緒に働いてくれたらこれ以上の幸せはありません。 

最後に、谷口工務店谷口社長の挨拶の言葉
「人と人がつながり、いい住宅を建築を、ここに集まったみんなが将来作っていく、
そして、日本をよくする。」

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つむぐいち 誠にありがとうございました

2017-09-23 | 会社イベント

みなさま こんばんは

開催させていただいた、つむぐいち、
1日しかも10時から16時という限られた時間でしたが、
100名を超えるたくさんの方々にご来場いただき、
大盛況のうちに終えることが出来ました。
これは、出店にご協力いただいた各作家さん、お店さんの方々、スタッフ
そしてご来場いただいた皆さまのご尽力のおかげです。
誠にありがとうございました。

今後とも、みなさまの生活の中で、
手仕事や手作り、肌触りの良さなどを感じていただき、
心地いい生活を送れる
そんなお手伝いができたらと考えております。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。 

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つむぐいち + お金のがっこう

2017-09-22 | 会社イベント


みなさん、こんにちは

いよいよ明日9月23日土曜日

秋を彩る数々の作品や商品の手作り市場 「つむぐいち 」
知らなきゃ損する低金利住宅ローン活用セミナー「お金のがっこう」
人気エリア寿ドエル小赤横の分譲地「事前説明会」

以上のイベントをこの4月に新しいショールーム兼事務所「COCONOMA」で開催します



つむぐいちは、モデルハウスつむぐいえのコンセプトと同様、
丁寧な仕事をされている地元の作家さんを中心に、9組の方々に出店していただきます。
手触りの良さや温もり、人のことを考えたつくり、手仕事の良さ、
是非、手にとったり、触れていただき感じていただければ幸いです。
詳しい作家さんの情報などこちらをご覧ください
つむぐいちFacebookページ

お金のがっこうは、2019年10月の消費税アップも気になるところですが、
それと同じぐらい、もしくはそれ以上インパクトがある金利の上昇、
アメリカも金融緩和政策から舵を切り始めたと言われる今、
いくつかの金融機関の方々もいらっしゃいますので、
気になるところをお聞きいただければと幸いです。

事前説明会は、この度、弊社で人気の寿田川エリア(ドエル小赤横)で、
建売をさせていただく、分譲地についてご説明させていただきます。
10月頭に抽選を予定していますので、松本南エリアで土地をお探しの方、
お住いの新築、お引越しをお考えの方、お聞きいただければ幸いです。

連休の1日ではありますが、
みなさん是非とも足をお運びください。

気になりましたら、お電話を!0263-58-2095

こちらのページもご覧ください
国興ホームページ




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木の構造体実験 そして 耐震等級 

2017-09-21 | 講演会・セミナー



みなさん、こんにちは

先週末は、運営委員会を務めさせていただいている建築士会の平成29年度信州木造塾が開催され、
メインイベントである長野県林業総合センターでの木の構造体実験でした。
毎年、木構造の第一人者、山辺豊彦先生をお迎えし行っている塾ですが、
今年の実験は、一番ダイナミックと言ってもいい、構造壁のせん段試験です。

 

床構面の実験も2体行い、合計6体。
大工さんは朝7時からきて組み立ててくださり、午前中からどんどん実験しました。

実際に建物が倒れてしまうと想定されている限界まで横に引っ張るのですが、
数値で言いますと、高さと横に引張る距離の比が、1/20~1/15ぐらいまで、


筋交いは、折れて、折れてない方でも金物のビスが抜けたり、
今回筋交いが折れそうなところに、節がありました。
みんなここから早めに折れてしまうのではと考えていましたが、
結構粘って、節ではないところから折れました。
比較的柔らかいとされる杉材でいい材料だったからではという見解でした。
これも今回、新しい経験となりました。
  

構造用面材の場合は、合板が斜めに引っ張られ、釘がめり込み、曲がってしまいます
  

貫工法の伝統工法は、耐力は強くないですが壊れず粘り強く動いていきます


構造壁に地震などで力が加わった時、どう動き、どこから壊れ始め、どうなってしまうのか、
実際目の前で見て、壊れる瞬間の音「木が泣く」を聞ける体験は、
私ども建築に携わる人間として非常に貴重な、重要な体験だと考えます。
構造も、耐力がある強いと言っても、剛性、弾性など様々あります。
どう組み合わせるかも設計にかかってきます。この経験をもとに検討していくことができます。


近くの施設で一泊し、翌日は3時間半の山辺先生の座学。
今回は木構造の基本でしたが、
一つ勘違いされやすいところの説明が改めてありました。 
耐震等級についてです。 

耐震等級は、住宅における品質確保法で定められているもので、
基本的に建築基準法とは違う法律で定められています。
耐震等級は1〜3までしかありません。
また、耐震等級1は建築基準法の壁量を満足すればそれと同じと考えられていることが多いそうですが、
それは違います。基本的に、壁量を計算する際の係数が違うので、全く別です。
もう一つ、 耐震等級2は、耐震等級1(建築基準法)の壁量の1.25倍、耐震等級3は1.5倍を
耐震壁として入れればいいというのも多いそうですがこれも間違いです。
こちらも、それぞれに計算する際の係数が定められており、その計算によってでた壁量を満たしていれば、
耐震等級1〜3となるわけです。

ちなみに弊社は、簡易計算ではなく、1棟1棟ビルなどと同じ許容応力度計算をしています。
プランに応じて柱梁一本一本、金物一つ一つ、それで大丈夫か検証をし、
長期優良住宅基準と同じ耐震等級2相当(許容応力度計算をしているのでおそらくそれ以上)を標準としております。
ご希望によって、耐震等級3にももちろん対応可能です。

この実験や講義などで得た経験と知識を活かし、プランニングから設計をし、
構造計算によって確認をして、しっかりした建築をつくる。

実はこの信州木造塾は、弊社先代社長 田中国興が、初代運営委員長を務め、開催させていただきました。
この木造塾も今年で15年目だそうです。
「まだまだ、木、木構造は知らないこと知られていないことが多い、
知っている建築士も少ない。だから木造塾をつくるんだ。」
当時、本人から聞いたのを覚えています。

ものづくりにかける想いは、今もありがたく、引き継がせてもらっています。

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北欧へ 光と影 続き

2017-09-12 | 建築探訪



みなさんこんにちは

前回の続きですが、ここからは全てアールト設計です。

6.アールト大学 学生のためのホテル 学生寮
こちらは一見、開口部が特徴的でそちらに目がいきましたが、
建物を一周するとその配置、ボリューム設計に唸らされました
模型の写真もつけましたが、地形に沿ったカーブ、
また、アールトのボリュームをとにかく小さく感じさせるための工夫、
ただのカーブではなくS字にしたり、凹ませたり、
逆に、小さいボリュームをあえて飛び出させたり、
それにより、赤煉瓦の建物の重々しさが、軽減されていました
敷地に対する佇まい6層の建物とは思えないものでした
そして、ピロティと内部にトップライト、柔らかい光をおとしています

 
   
エントランスの写真は丸谷先生がアップしてくださいました
 

7.アールト大学 図書館
こちらは図書館という機能に対して、工夫された開口部の設計を体感することができました
トップライト、ハイサイドライトそして窓、断面的に光を柔らかく回す設計、
柔らかい光に包まれ、ここちいい図書館でした
そして、連続水平窓にはアアールトらしい本当に一部高さを変える設計が見られます
角を壁にしない納まりと相まって、動きが出て、煉瓦の重さ、硬さが和らいで、
佇まい良くなっているように感じました


      

  


8.アールト大学 オーディトリウム
こちらは、主張する象徴的な外観をし、大学のシンボルとなっている印象です
階段状、劇場の席のような部分では学生たちが授業を行っていました
内部は、この独特の断面により作られた窓から柔らかい光が、
座席と講師席にふりそそいでいました
聞く方もさることながら、喋る方も気持ちよく、喋りやすいのではないかと、
使い心地の良さを感じる空間でした


    

9.給水塔
参加者の方が、全体模型を見ていて発見した給水塔
アールトの作品集にちょっとだけ載っていたもの
コースには入っていませんでしたが、ぜひ見て見たいということで、回ってもらうことに
これも、今回ツアーの醍醐味。本日二つ目のコース外物件
それは、突然現れ、予想よりはるかに大きく、その造形とともに圧倒されました
これもアールト作品


  


10.厚生年金会館
この作品は、アールト大学からはなれ、ヘルシンキの街中にあるオフィス
こちらが有名なのは、図書館と食堂です
大学の図書館と違い、ここはトップライトのみ
ここには他とまた違った落ち着きがある雰囲気でここち良かったです
食堂はレベル差と開口部そしてツタにより、
ランチタイム、食事の時間をゆったり過ごせる空間となっていました
天井に見えるのは暖房の温熱パネル、機能のデザインもしっかり考えられていました
現在も約700人の方々が働くオフィスビル
外観についてはやはり、ボリュームを抑えることを意識した工夫の積み重ねがありました
使い続けられ、街の中で良さを増した建築がそこにはあるように感じました



    
     
   

11.フィンランディアホール
いよいよ最後の作品
このホールはアールト晩年の作、増築部分は奥さんが完成させたというもの
増築部分のうねる壁は、その前の木の枝ぶりからその形になったとのこと
森を大事にするお国柄がそんなところからも感じられました
ホールはエントランスは思った以上に低く、
階段を登ったホワイエで一気に開放感を味わえます
これが空間の明るさのメリハリ、より開放感が強調されます
ホール自体もアールトらしい、アンシンメトリー
音響については賛否両論あるそうです
街に対して閉じ、自然に対して開くという構成がしっかり取られ、
ホールとして大事な、日常の中の非日常を味わえるいい建築だと思いました
下の車回しだった部分は、囲われ、レストランになったとかで、
やはり時代、要請に合わせて建築をどう変化させていくか
それも今作り手に求められている重要な仕事だと改めて感じました

 

     

  


こうしてここにアップをさせてもらいましたが、
写真や話は知っていても、実際に見なくてはわからない、感じられない部分が多いと
改めて感じさせられることも多い視察でした。
改めて内容の濃い、本当に有意義な視察だったと感じます。
全体を通してまた振り返りたいと思いますが、
今回通じて、自然体、また、これでいいんだと改めて自分で再確認させていただくことも多く、
これからの仕事についても、生かしていきたいと思います。

長い記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 

 

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北欧へ 光と影

2017-09-11 | 建築探訪



みなさん、こんにちは

北欧視察最終日は、盛りだくさんの一日でした
教会建築4棟、大学施設5棟、年金会館、ホール、計11棟
そのうちアールト設計の建築が、6棟
締めくくりにふさわしい、ラストスパートです

様々な光と陰の形を、体験することができました
そして今まで体験したことないような空間体験をさせてもらいました

1.ラーヤサロ教会 2003 Kavi Jrävien and Merja Nieminen
木造の小屋組や、板張り、祭壇正面と横の赤いモニュメントも木です
その木の空間に入れる光は、3段レベル差のハイサイドライトと、
効果的に配置されたトップライトや窓です
木と日の温もりを感じる教会空間となっています
一つ、教会までのホワイエ空間(エントランスとホール)も、
写真のように周りの緑を意識できるようにガラス張りになっていましたが、
ここは暗いぐらいでもよかったのではないかと思いました
その方が教会内部の明るさ、温もりをより感じるのではないかと
メキシコ、バラガンのカプチン派教会は、全室は真っ暗、
扉を開けると一気に光に包まれる その時の感動は今でもはっきり覚えています 



    


2.Church of the Good Shepherd 2002  Juha Leiviskä
こちらの教会は、外観のレンガ造に対して、列柱空間を抜け中に入ると
真っ白な壁や柱、そして光を落とすガラスのキューブなので構成された空間
幸い晴れたり曇ったりし、光の強弱も体験できました
写真の通り、トップライトやスリッドは左右非対称、大きさもまちまち、
これにより、左上からのメインの光と右上のかげ、
そのコントラストの中に浮かぶペンダントの照明器具、光の雲を想像させます
電気を消し、光が強くなった瞬間は、綺麗でゾォっとしました



 


3.Myyrmäen Kirkko  1984  Juha Leiviskä
続けて同じ建築家レイヴィスカの作品
駅の横にあるこの教会は、森と線路の間に淡い色のレンガの壁を集めたように佇んでいる
これも、大きなボリュームを感じさせない手法の一つだと感じました
内部は、白い壁と柱、今度は白い壁、面と光の線を感じさせる空間
そして照明器具の光の雲、それを吊り下げるコードさえ空間を構成する線となり、
素晴らしい空間を作っていました



   



4.オタタニエミの教会 1957 1976 ヘイッキ & カイヤ・シレン
アールト大学の中にあるこの教会は、最初は1957年に完成し、
1976年に火災が起き、全焼したそうですが、学生などの要望で、
すぐに再建されたそうです 一つの教会がです
それはアプローチから中に入り、教会空間を体験し、
本当に愛される教会なんだとわかりました
そのように、何年経っても愛される建築を作りたいと感じました

 
    

5.デイポリセンター  ライリ&レイマ・ピュテラ
岩盤の自然な起伏の中にそれに沿わせるように建てられた大学施設
ちょっと内部に岩盤のような石の意匠が、もう少し自然というか
できればフランクロイドライトや、ジェフリーバワのように、
そのまま岩を残して、それを内装として表せればよかったと感じました
一つも同じサッシがなく、大工さんが大変苦労したとのこと
空間構成は、使いにくい部分もありそうですが、学生施設として面白かったです



 

まずここまでとし、続きは後日にさせていただきます

この後は、一気にアールト建築5棟です 

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北欧へ アールト自邸 アトリエ ほか

2017-09-10 | 建築探訪



みなさん、こんばんは。

本日のメインはヘルシンキにあるアールト自邸とアトリエです。

白く塗られたレンガと焦げ茶色の木の外壁が、
面としてずれて収まっているため、
ボリューム感はなく、佇まいよくそこにありました。
そして玄関も決して大げさでなく、木と石と緑でまとめられています。



初めは自宅にアトリエが併設されていて、
その吹き抜け空間から見学スタート。
想像していたより空間は大きくなく、しっくりくる大きさ。



一番奥、緑が綺麗に眺められるコーナーサッシの部分が、
アールトの席だったそうですが、本当はそこは奥さんの席。
実は当初の予定は一段上がった写真を撮っている位置だったとのことですが、
そこがここち良かったようです。
確かに気持ちよく、いい仕事ができそうなデスクでした。






そして自宅部分へ。



本の写真を見ていてひとつの気になっていたことがありました。
それは写真右上の梁の付け根、斜めの方立て。
案内してくれた方に聞いたのですが、
この建物は、レンガ造、木造、鉄筋コンクリート造など、
当初の事務所員の方に聞いてもいろんな構造混ざっていてはっきり言えないとのことです。
何れにしても構造的には必要だったのだろうと考えられます。

実際そこに立ってみると写真で見ていたよりは気にならない印象でしたが、
リビングへ入ってくる時は、次の写真のカットとなります。



外の鮮やかな緑に目が行くため、反対側の梁の端部は当然気になりません。
このことにより、気にせずそのままにしたのではないか。と一緒に見学行った方も話してらっしゃいました。

これはなるほど。と納得しました。
職業柄、空間の全てに目を配り、窓の反対側も気にして見ます。
しかしながらそこに住んでいる人、もしくは来た人はそこまで気になるでしょうか。
それよりも、そこを無理をせず安全性などもっと大事なところを優先する。
当然、何も気にかけなくていいわけではないですが、
いろんなことに置いてバランスを取れる、そんな高度な設計を見た気がします。



ダイニングについては、ここはフィンランド伝統の窓の納め方、
はめ殺しの大きな窓の横に縦長の換気用窓という形。
これにより、微妙にアンシンメトリーになり、空間に動きが出ます。
この椅子は、アールト本人が気に入ってイタリア・ベネツィアで購入した椅子。
これはどこでも使い続けるほど、気に入っていたようです。

 

そして、アトリエへ。



看板サインも、よく見ないとわからないぐらいの慎ましさ。

中に入ると、まず食堂「タベルナ」へ
これはイタリア語で食堂の意味。イタリア好きなのが伺えます。
ちなみに、私も西欧中心に11カ国一人旅した際、
どこが良かったか?と聞かれたら、あえていうならイタリアと話していたぐらいでした。



アトリエの空間は、ハイサイドライトと連続窓で構成されており、
柔らかい明るさで、落ち着きがある空間が演出されていました。
私もこんなアトリエ空間を作りたいと思いました。

ギャラリー空間については、照明器具や家具など色々と実験できるようになっていました。
この中にある柱は、文化の家のホールの柱と同じ形で、実験的に作っていたというのも、驚きました。
開口部は全て中庭を向き、その中庭はローマの円形劇場のようになっており、
実際にプレゼンテーションや打ち合わせをしていたそうですが、いろんな活動が想像されました。

その後はヘルシンキ駅周辺の美術館、音楽ホールがある近辺で、
自由見学しながら昼食。少し、ヘルシンキ市民の気分を味わえました。
駅はエリエル・サーリネンの作品。いい駅でした。
   

午後は、「文化の家」へ。
巨大なボリュームにならないよう形を工夫したり、仕上げをレンガと銅板にしたり、
その効果は、街の中にしっくりはまっている佇まいになっていました。
内部は役場と同じくニューマンスケールで非常に心地いい空間でした。

ホールもアンシンメトリー。アールトの基本です。
柱は、本当にアトリエにあったものと一緒でした。

 

 

最後は、 岩をダイナマイトなどで砕いてその中に作ったテンペリアウキオ教会を見て、
ツアーの見学は終了しました。

 

しかしここで終わらないのが、今回ご一緒している皆さんです。
ツアーにない、アールト作品、アカデミア書店にみんなで行きました。

こちらも、綺麗なトップライトと石の仕上げを、いいスケールで作られていました。
カフェ アールトもペンダントの照明器具がギリギリまで低く設けられており、
心地良さそうな空間となっていました。



 

 

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北欧へ アールト 役場と夏の家

2017-09-09 | 建築探訪

みなさん、こんばんは

本日は、アールトゆかりの地、ユバスキュラ周辺の建物を見て回りました
とにかく、町中にアールトゆかりの建物が多い地域です
数え切れないぐらいの建築を見学させていもらいました

その中で、まず見たのはセイナッツァロの役場
アールト建築の中で、そのできた背景も含め地元で非常に人気が高い建物
昨年まで無料でユビキュラス市が公開していたそうですが、
経費等の問題で一度閉鎖されたそうです
しかしながら今見れるのは、一人の起業家がオフィスをこの旧役場に構え、
冬以外の一定期間、自由に公開できるようにしたとのこと
それぐらい、愛されている建築家であり、建物だということが、
実物を見て、納得できました

アールト50〜54歳の作品はアールト空間論で埋め尽くされており、
この役場はその中でもアールトファンにとっては、珠玉の作品となっているようです

天井・壁・床を分離せず、壁と床の仕上げを同じにしたり、
シンメトリー(対称)を極力避け、アシンメトリー(非対称)にし、
空間に流動性・躍動・動きなどバランスのとれたデザインが見られました

もう一つの要素はそのスケールだと思います
大きなボリュームに、壁に見せないために、
壁を雁行させたり、窓で壁の端をなくしたり、様々な工夫により、
確かに、大きな建築の威圧感はありませんでした
内部空間も役場なのに、住宅のような人にとって丁度いいスケールでできています

その一例が、写真の玄関の扉から、玄関ホールです

役場全体が、自分の家の延長のような、
佇まいもよく、非常に居心地がいい空間でした 




 
 


実際に打ち合わせルームなどに座りながら話を聞き、
実際に体感しながら見学することができました

そして、アールトの夏の家へ 
役場をやっている時に、この地域を非常に気に入り、
アールト本人が、役場の設計の仕事をしながら、
色々探し回って、見つけた敷地だったとのこと
今は車で山側からアプローチしますが、
当初はその道路がなく、対岸から船でアプローチしていたそうです

それが写真の桟橋とアプローチです







桟橋からアプローチしてくるとこの壁に向かってくるのですが、
この壁の開口、日差しを取り入れるためにこの形になったどうです
この壁を右からまわりこむと、有名な下の写真のシーンとなります


  

先ほどの壁の開口の白い細い列柱もそうですが、この建物は実験住宅とも言われているぐらい、
様々な実験がされています
その一つがタイルのパターン、壁と床、50種類以上あるそうです



小高い岩盤から屋根を見下ろすと、下から見上げられるところは瓦ですが、
そのエッジ以外は板金で、これも実験の一部なのかもしれません




中からの窓の取り方は、さすがうまいです



景色を切り取るこの壁
窓と同じく、そこにいる人に、開放感と落ち着きを与えるように思います

この中庭は森の中でいながら、半戸外のような中国の四合院の中庭にも似た安心感がありました
残念ながら当日は雨でしたが、心地よさを感じることができました

あとこの敷地には、サウナとそこから湖に飛び込むことができる桟橋
(アールトは実際、サウナからすぐ飛び込んでいたそうです)
そして、アールト本人が設計し作った船とその格納庫があり、
そちらも見学することができました

現在も、アールト一族が別荘として使っているそうですが、
ここに来たら、いろんな自然と触れ合いながら、
心身ともにゆったりできるであろう建築でした


サウナへのアプローチ



サウナは湖のほとりに丸太で作られていました

飛び込める桟橋、対岸にはアールト自身が若い頃設計した教会があり
それもこの敷地を選んだ理由の一つでもあったそうです

収納庫と中にある船
家具を作っていたことは有名ですが、船まで作っていたとは思いませんでした 

その後、ユヴァスキュラ大学へ
さながら、アールトキャンパス、
街にあるアールト博物館にも行き、その展示は実大の部屋も3種類あり、
現地の方と結婚し暮らしているガイドさんの非常に熱のこもった説明もあり、
本当に勉強になりました
撮影オッケーということで、展示パネルも模型も何枚も撮りました

 

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