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北欧へ アールト自邸 アトリエ ほか

2017-09-10 | 建築探訪



みなさん、こんばんは。

本日のメインはヘルシンキにあるアールト自邸とアトリエです。

白く塗られたレンガと焦げ茶色の木の外壁が、
面としてずれて収まっているため、
ボリューム感はなく、佇まいよくそこにありました。
そして玄関も決して大げさでなく、木と石と緑でまとめられています。



初めは自宅にアトリエが併設されていて、
その吹き抜け空間から見学スタート。
想像していたより空間は大きくなく、しっくりくる大きさ。



一番奥、緑が綺麗に眺められるコーナーサッシの部分が、
アールトの席だったそうですが、本当はそこは奥さんの席。
実は当初の予定は一段上がった写真を撮っている位置だったとのことですが、
そこがここち良かったようです。
確かに気持ちよく、いい仕事ができそうなデスクでした。






そして自宅部分へ。



本の写真を見ていてひとつの気になっていたことがありました。
それは写真右上の梁の付け根、斜めの方立て。
案内してくれた方に聞いたのですが、
この建物は、レンガ造、木造、鉄筋コンクリート造など、
当初の事務所員の方に聞いてもいろんな構造混ざっていてはっきり言えないとのことです。
何れにしても構造的には必要だったのだろうと考えられます。

実際そこに立ってみると写真で見ていたよりは気にならない印象でしたが、
リビングへ入ってくる時は、次の写真のカットとなります。



外の鮮やかな緑に目が行くため、反対側の梁の端部は当然気になりません。
このことにより、気にせずそのままにしたのではないか。と一緒に見学行った方も話してらっしゃいました。

これはなるほど。と納得しました。
職業柄、空間の全てに目を配り、窓の反対側も気にして見ます。
しかしながらそこに住んでいる人、もしくは来た人はそこまで気になるでしょうか。
それよりも、そこを無理をせず安全性などもっと大事なところを優先する。
当然、何も気にかけなくていいわけではないですが、
いろんなことに置いてバランスを取れる、そんな高度な設計を見た気がします。



ダイニングについては、ここはフィンランド伝統の窓の納め方、
はめ殺しの大きな窓の横に縦長の換気用窓という形。
これにより、微妙にアンシンメトリーになり、空間に動きが出ます。
この椅子は、アールト本人が気に入ってイタリア・ベネツィアで購入した椅子。
これはどこでも使い続けるほど、気に入っていたようです。

 

そして、アトリエへ。



看板サインも、よく見ないとわからないぐらいの慎ましさ。

中に入ると、まず食堂「タベルナ」へ
これはイタリア語で食堂の意味。イタリア好きなのが伺えます。
ちなみに、私も西欧中心に11カ国一人旅した際、
どこが良かったか?と聞かれたら、あえていうならイタリアと話していたぐらいでした。



アトリエの空間は、ハイサイドライトと連続窓で構成されており、
柔らかい明るさで、落ち着きがある空間が演出されていました。
私もこんなアトリエ空間を作りたいと思いました。

ギャラリー空間については、照明器具や家具など色々と実験できるようになっていました。
この中にある柱は、文化の家のホールの柱と同じ形で、実験的に作っていたというのも、驚きました。
開口部は全て中庭を向き、その中庭はローマの円形劇場のようになっており、
実際にプレゼンテーションや打ち合わせをしていたそうですが、いろんな活動が想像されました。

その後はヘルシンキ駅周辺の美術館、音楽ホールがある近辺で、
自由見学しながら昼食。少し、ヘルシンキ市民の気分を味わえました。
駅はエリエル・サーリネンの作品。いい駅でした。
   

午後は、「文化の家」へ。
巨大なボリュームにならないよう形を工夫したり、仕上げをレンガと銅板にしたり、
その効果は、街の中にしっくりはまっている佇まいになっていました。
内部は役場と同じくニューマンスケールで非常に心地いい空間でした。

ホールもアンシンメトリー。アールトの基本です。
柱は、本当にアトリエにあったものと一緒でした。

 

 

最後は、 岩をダイナマイトなどで砕いてその中に作ったテンペリアウキオ教会を見て、
ツアーの見学は終了しました。

 

しかしここで終わらないのが、今回ご一緒している皆さんです。
ツアーにない、アールト作品、アカデミア書店にみんなで行きました。

こちらも、綺麗なトップライトと石の仕上げを、いいスケールで作られていました。
カフェ アールトもペンダントの照明器具がギリギリまで低く設けられており、
心地良さそうな空間となっていました。



 

 

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