想いをかたちに

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小さなことから気ままにつれづれに書いていきます。

北欧へ 光と影 続き

2017-09-12 | 建築探訪



みなさんこんにちは

前回の続きですが、ここからは全てアールト設計です。

6.アールト大学 学生のためのホテル 学生寮
こちらは一見、開口部が特徴的でそちらに目がいきましたが、
建物を一周するとその配置、ボリューム設計に唸らされました
模型の写真もつけましたが、地形に沿ったカーブ、
また、アールトのボリュームをとにかく小さく感じさせるための工夫、
ただのカーブではなくS字にしたり、凹ませたり、
逆に、小さいボリュームをあえて飛び出させたり、
それにより、赤煉瓦の建物の重々しさが、軽減されていました
敷地に対する佇まい6層の建物とは思えないものでした
そして、ピロティと内部にトップライト、柔らかい光をおとしています

 
   
エントランスの写真は丸谷先生がアップしてくださいました
 

7.アールト大学 図書館
こちらは図書館という機能に対して、工夫された開口部の設計を体感することができました
トップライト、ハイサイドライトそして窓、断面的に光を柔らかく回す設計、
柔らかい光に包まれ、ここちいい図書館でした
そして、連続水平窓にはアアールトらしい本当に一部高さを変える設計が見られます
角を壁にしない納まりと相まって、動きが出て、煉瓦の重さ、硬さが和らいで、
佇まい良くなっているように感じました


      

  


8.アールト大学 オーディトリウム
こちらは、主張する象徴的な外観をし、大学のシンボルとなっている印象です
階段状、劇場の席のような部分では学生たちが授業を行っていました
内部は、この独特の断面により作られた窓から柔らかい光が、
座席と講師席にふりそそいでいました
聞く方もさることながら、喋る方も気持ちよく、喋りやすいのではないかと、
使い心地の良さを感じる空間でした


    

9.給水塔
参加者の方が、全体模型を見ていて発見した給水塔
アールトの作品集にちょっとだけ載っていたもの
コースには入っていませんでしたが、ぜひ見て見たいということで、回ってもらうことに
これも、今回ツアーの醍醐味。本日二つ目のコース外物件
それは、突然現れ、予想よりはるかに大きく、その造形とともに圧倒されました
これもアールト作品


  


10.厚生年金会館
この作品は、アールト大学からはなれ、ヘルシンキの街中にあるオフィス
こちらが有名なのは、図書館と食堂です
大学の図書館と違い、ここはトップライトのみ
ここには他とまた違った落ち着きがある雰囲気でここち良かったです
食堂はレベル差と開口部そしてツタにより、
ランチタイム、食事の時間をゆったり過ごせる空間となっていました
天井に見えるのは暖房の温熱パネル、機能のデザインもしっかり考えられていました
現在も約700人の方々が働くオフィスビル
外観についてはやはり、ボリュームを抑えることを意識した工夫の積み重ねがありました
使い続けられ、街の中で良さを増した建築がそこにはあるように感じました



    
     
   

11.フィンランディアホール
いよいよ最後の作品
このホールはアールト晩年の作、増築部分は奥さんが完成させたというもの
増築部分のうねる壁は、その前の木の枝ぶりからその形になったとのこと
森を大事にするお国柄がそんなところからも感じられました
ホールはエントランスは思った以上に低く、
階段を登ったホワイエで一気に開放感を味わえます
これが空間の明るさのメリハリ、より開放感が強調されます
ホール自体もアールトらしい、アンシンメトリー
音響については賛否両論あるそうです
街に対して閉じ、自然に対して開くという構成がしっかり取られ、
ホールとして大事な、日常の中の非日常を味わえるいい建築だと思いました
下の車回しだった部分は、囲われ、レストランになったとかで、
やはり時代、要請に合わせて建築をどう変化させていくか
それも今作り手に求められている重要な仕事だと改めて感じました

 

     

  


こうしてここにアップをさせてもらいましたが、
写真や話は知っていても、実際に見なくてはわからない、感じられない部分が多いと
改めて感じさせられることも多い視察でした。
改めて内容の濃い、本当に有意義な視察だったと感じます。
全体を通してまた振り返りたいと思いますが、
今回通じて、自然体、また、これでいいんだと改めて自分で再確認させていただくことも多く、
これからの仕事についても、生かしていきたいと思います。

長い記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 

 

コメント
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