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北欧へ アールト 役場と夏の家

2017-09-09 | 建築探訪

みなさん、こんばんは

本日は、アールトゆかりの地、ユバスキュラ周辺の建物を見て回りました
とにかく、町中にアールトゆかりの建物が多い地域です
数え切れないぐらいの建築を見学させていもらいました

その中で、まず見たのはセイナッツァロの役場
アールト建築の中で、そのできた背景も含め地元で非常に人気が高い建物
昨年まで無料でユビキュラス市が公開していたそうですが、
経費等の問題で一度閉鎖されたそうです
しかしながら今見れるのは、一人の起業家がオフィスをこの旧役場に構え、
冬以外の一定期間、自由に公開できるようにしたとのこと
それぐらい、愛されている建築家であり、建物だということが、
実物を見て、納得できました

アールト50〜54歳の作品はアールト空間論で埋め尽くされており、
この役場はその中でもアールトファンにとっては、珠玉の作品となっているようです

天井・壁・床を分離せず、壁と床の仕上げを同じにしたり、
シンメトリー(対称)を極力避け、アシンメトリー(非対称)にし、
空間に流動性・躍動・動きなどバランスのとれたデザインが見られました

もう一つの要素はそのスケールだと思います
大きなボリュームに、壁に見せないために、
壁を雁行させたり、窓で壁の端をなくしたり、様々な工夫により、
確かに、大きな建築の威圧感はありませんでした
内部空間も役場なのに、住宅のような人にとって丁度いいスケールでできています

その一例が、写真の玄関の扉から、玄関ホールです

役場全体が、自分の家の延長のような、
佇まいもよく、非常に居心地がいい空間でした 




 
 


実際に打ち合わせルームなどに座りながら話を聞き、
実際に体感しながら見学することができました

そして、アールトの夏の家へ 
役場をやっている時に、この地域を非常に気に入り、
アールト本人が、役場の設計の仕事をしながら、
色々探し回って、見つけた敷地だったとのこと
今は車で山側からアプローチしますが、
当初はその道路がなく、対岸から船でアプローチしていたそうです

それが写真の桟橋とアプローチです







桟橋からアプローチしてくるとこの壁に向かってくるのですが、
この壁の開口、日差しを取り入れるためにこの形になったどうです
この壁を右からまわりこむと、有名な下の写真のシーンとなります


  

先ほどの壁の開口の白い細い列柱もそうですが、この建物は実験住宅とも言われているぐらい、
様々な実験がされています
その一つがタイルのパターン、壁と床、50種類以上あるそうです



小高い岩盤から屋根を見下ろすと、下から見上げられるところは瓦ですが、
そのエッジ以外は板金で、これも実験の一部なのかもしれません




中からの窓の取り方は、さすがうまいです



景色を切り取るこの壁
窓と同じく、そこにいる人に、開放感と落ち着きを与えるように思います

この中庭は森の中でいながら、半戸外のような中国の四合院の中庭にも似た安心感がありました
残念ながら当日は雨でしたが、心地よさを感じることができました

あとこの敷地には、サウナとそこから湖に飛び込むことができる桟橋
(アールトは実際、サウナからすぐ飛び込んでいたそうです)
そして、アールト本人が設計し作った船とその格納庫があり、
そちらも見学することができました

現在も、アールト一族が別荘として使っているそうですが、
ここに来たら、いろんな自然と触れ合いながら、
心身ともにゆったりできるであろう建築でした


サウナへのアプローチ



サウナは湖のほとりに丸太で作られていました

飛び込める桟橋、対岸にはアールト自身が若い頃設計した教会があり
それもこの敷地を選んだ理由の一つでもあったそうです

収納庫と中にある船
家具を作っていたことは有名ですが、船まで作っていたとは思いませんでした 

その後、ユヴァスキュラ大学へ
さながら、アールトキャンパス、
街にあるアールト博物館にも行き、その展示は実大の部屋も3種類あり、
現地の方と結婚し暮らしているガイドさんの非常に熱のこもった説明もあり、
本当に勉強になりました
撮影オッケーということで、展示パネルも模型も何枚も撮りました

 

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