想いをかたちに

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小さなことから気ままにつれづれに書いていきます。

北欧へ 2日目

2017-09-06 | 建築探訪

北欧 2日目 ストックホルムで迎える朝です。
朝は散歩から。やはりせっかく来たから街を見る。感じる。
通勤の方々が多い中、カメラを構え、ストックホルム市庁舎が対岸が見えるところまで。
街並みはやはりすばらしい。というか今まで見て来たヨーロッパの街並みでも、
これは?!という街並みにそぐわない建物はなく、全体的に洗練されている印象でした。



そして本日1件目は、アスプルンドのスカンディア・シネマ
今は、特別なイベント以外使うことがなく、通常空いていないのですが、
そこは、特別なご縁があり、私どもだけのために特別に開けていただき、
見せていただきました。

街をイメージし、そこから各家に行くように個室空間への演出があったり、
スケールも、ヒューマンスケールで随所に気の利いた設えがあり、
とても居心地のいいシアターでした。 




2件目は、ノーベル賞の晩餐会で有名なストックホルム市庁舎。
アスプルンドの先生、エストベリの設計で1901年に、若手職人の手で作られた建物です。

まず、正面の門から中庭に入り、目の前に広がる広場から川辺までの抜け、一体感。
なんとなく、ベネツィアのサンマルコ広場を思い起こしましたが、
ノーベル賞の晩餐会が行われるホールは、もともと中庭にする設計で、
その中庭は、当時エストベリが視察をし気に入ったサン・マルコ広場のような中庭を作りたかった
とのこと。



いつの時代も、建築の設計にはどこか、参考にするものがあるのだと改めて感じました。
イメージを受け継ぐ、もしくは真似して、よりいい空間ができればいいというだと思います。
そのために、いつの時代も建築に携わる人は、やはり幾つになっても、
世界の街、名建築を見てまわる必要があるのだと思います。 
 




そして、3件目は、アスプルンドの森の墓地。
私にとって一つの憧れの地でした。
実際訪れ、そのランドスケープ(外部計画)の素晴らしさを感じましたが、
実はそこは、同年のレヴェレンツが共同設計者として担当していたとのこと。
これもまた、お互いを生かし、共同で行うことの意味を改めて感じました。

もう一つ深く感心させられたのは、
大切な人の死という言葉にならない深い悲しみと向き合う人たちに対する
その場所としての二人の建築家としての本当に真摯な姿勢です。

森に帰ることを自然な流れであることを連想させるランドスケープと建物、
空間構成による光と陰、そして角を極力無くし、まわるいディテールによるその空間は、
「優しさ」を感じさせてくれ、松林のその松の足元にある墓地はなにか神々しく、
亡くなった方がそこで眠れてよかったとさえ感じさせてくれるのではないかと思いました。

なかなかは入れない、待合室や大礼拝堂、そして、森の斎場の内部まで見学できたことは、
非常にありがたいことでしたが、それもあってか、
そこまで思わされたのは、初めての体験でした。














このアングルで冬の写真のスライドが、18年前、最初に私がこの建築を知ったきっかけで、
見た瞬間に、ここに行ってみたいを思ったのを鮮明に覚えています。

 




最後に中は見れないということで外観でしたが、
その共同設計者、レヴェレ ンツ設計の教会を見ることができました。
ボリュームは佇まいよく抑えられ、そのレンガの表情は趣深く、
なんとも言えない表情をしている建築でした。 

 


.

夜はこの旅行でご一緒している方々のうち6人の方と、
スウェーデン料理が食べられる1908年創業の老舗レストランへ。
美味しいピッティパンナというジャガイモとお肉を炒めた上に目玉焼きをのせた料理と、
スウェーデンビールで、本日の見学の話、建築の潮流の話などで盛り上がり、
楽しいストックホルムの夜となりました。 

 

 

コメント
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