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米ストレステストで10行が計746億ドルの増資必要と判断、バンカメは339億ドル

2009-05-08 20:18:43 | Weblog
米ストレステストで10行が計746億ドルの増資必要と判断、バンカメは339億ドル 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK027593620090507
 米金融規制当局は7日、大手銀行10行に対し746億ドルの資本増強を要求した。 金融機関への信頼を回復し、過去数十年で最も深刻なリセッション(景気後退)から抜け出す道筋を付けることが目的としている。
 当局は大手19行を対象とする「ストレステスト(健全性審査)」で、財務基盤がぜい弱な銀行と健全な銀行を事実上区別し、貸出債権の劣化に悩む銀行に対し必要な増資の額を具体的に提示した。テストには150人を超える当局者が関与した。
 リセッションが深刻化することを想定して行われたテストでは、損失拡大に持ちこたえるために増資が必要と判断されたのは10行。
 当局はバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)に対し、339億ドルとテスト対象行の中で最大の増資を求めた。さらにウェルズ・ファーゴに137億ドル、GMACに115億ドル、シティグループに55億ドルの資本増強を指示した。
 オバマ政権は、資本不足と判断された金融機関は民間から資本を調達することが望ましいとしているが、バーナンキ連邦準備理事会(FRB)議長は、必要があれば政府には支援の用意があると表明。
 議長は声明で「米銀行システムが厳しい景気低迷期を乗り切ることができるよう、米政府は財務省を通じて必要な追加資本を注入する用意がある」との考えを示した。

ストレステストの重要性、透明性にある 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT846744520090507
 ガートナー米財務長官は7日、大手銀行を対象に実施したストレステスト(健全性審査)の重要性は、その透明性にあるとの見解を示した。
 ガイトナー長官は記者団に対し、ストレステストの実施は非常に信頼性が高く、慎重に策定されていると述べた。その上で「システムの修復には依然としてなすべきことが多くある」と付け加えた。
 バーナンキ連邦準備理事会(FRB)は声明で、ストレステストと財務省の資本増強プログラムは米国の銀行システムの安定性回復に貢献するとの見解を示した。 「米銀行セクターを強固にする上で、このプログラムは重要な役割を果たす」と述べた。

ストレステスト、金融監督の改善の指針となる可能性 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT846716320090507
 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は7日、国内大手銀19行を対象したストレステスト(健全性審査)の結果は、金融監督や規制の改善に向けた有効な指針となり得る、との見解を示した。
 議長はシカゴ地区連銀主催の会合で講演し、銀行監督の効果を向上させることがFRBの「最優先事項」であり、金融システム全体を揺るがしかねない問題に一段と注視することは将来における安定性の強化につながる、と語った。
 「われわれの規制システムは金融システム内の潜在的なシステミックリスクを監視・評価し、必要に応じてこれに対応する権限を含まなければならない」と述べた。
 銀行法の一部が効果的な監督の妨げとなっているとの見方を示し、銀行・保険・証券で監督モデルが異なることを例に挙げた。その上で、議会に法改正を求めた。
 「ひとつの金融機関のあらゆる面についての安全性・健全性をめぐる懸念を監督機関が監視し対処する上で必要な手段・権限を確保するためにも、議会がグラム・リーチ・ブライリー法の改正を検討することを期待する」と語った。
 1999年に成立した同法は、米金融制度を大幅に改革し、銀行持ち株会社による銀行・証券・保険業務を可能とした。
 講演では経済や金融政策の見通しには言及しなかった。
 議長はまた、講演後の質疑応答でストレステストの対象19行について、いずれも債務超過のリスクはないとの認識を示すとともに、審査結果は銀行の貸し出し能力に関する信頼感を市場にもたらすだろうと述べた。
 さらに、政府が実施したストレステストは、銀行間の結果比較や損失の推定を行ったことで、通常の銀行監督の枠を超えたと指摘。前例のない一貫性と比較可能性を備えたテストだと述べた

米ストレステストこうみる:事前報道の範囲でサプライズなし 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK027605020090507
<RBS証券 シニアストラテジスト 市川達夫氏>
 おおむね事前に報道されていた内容におさまり、サプライズはない。米国株が反落する一方、米債も売られてはいるが、米債に関してはストレステストの反応というよりは30年債入札が不調に終わったことが背景にある。米金融機関を対象にしたストレステスト(健全性審査)の結果については円債市場が反応する材料でもなさそうだ。
 財務省が12日実施する10年利付国債(1兆9000億円、2019年3月20日償還)の入札を控えていることもあり、きょうの円債市場はやや上値の重い展開になりそう。一方で日銀国債買い切りオペ増額の効果もあり、当面、国内投資家からの現物債売りによって金利レンジが大幅に切り上がることも想定しづらい。

米ウェルズ・ファーゴ、普通株発行で60億ドル調達へ 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK027602020090507
 米銀大手ウェルズ・ファーゴは7日、60億ドルの普通株を発行すると発表した。 JPモルガン証券とワコビア証券が共同でブックランナーを務める。 関係筋によると、発行条件は8日朝に決定され、発行価格は20.50─22ドルの見込み。7日の終値は24.76ドルだった。

バンカメ、普通株発行で約170億ドルの調達を計画 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK027602420090507
 米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は7日、ストレステスト(健全性審査)の結果公表を受け、普通株の発行で約170億ドルを調達すると発表した。
 さらに資産・事業の売却で100億ドルを調達するほか、その他の手段でも70億ドルの資本増強を図る。
 普通株の募集は8日に行う。 バンカメは、ストレステストで339億ドルの資本増強が必要と判断された。
 同行は、資産運用部門のコロンビアなど複数の事業の売却を検討していると表明。
 連邦政府による不良資産(1180億ドル)の損失保証についても、必要がなく、コストもかさむため打ち切りたいとの意向を示した。
 取締役の刷新も「速やかに」検討すると表明。同行の取締役については、ルイス最高経営責任者(CEO)に近い人間が多すぎるとの批判が出ていた。 

米Mスタンレー、ストレステスト結果受け普通株・社債発行で50億ドル調達へ 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK846804520090508
 米モルガン・スタンレーは7日、普通株と社債の発行により総額50億ドルを調達すると発表した。同日発表された米政府による銀行ストレステスト(健全性審査)の結果、18億ドルの資本増強の必要があると指摘されたことを受けた措置。
 調達額の内訳は、普通株発行分が20億ドル、社債発行分が30億ドル。発行される社債は米連邦預金保険公社(FDIC)による保証のないシニア債。

米シティが優先株55億ドルを普通株に転換へ、ストレステスト受け 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS846799920090508
 米シティグループは7日、金融機関を対象にした当局によるストレステスト(健全性審査)の結果、55億ドルの資本不足を指摘されたことを受け、優先株を普通株に転換することで同額の資本増強を行う方針を明らかにした。
 シティは2月にも、有形普通株資本を増強するため、約525億ドル相当の優先株を普通株に転換すると発表しており、今回の増資はこれに追加する形となる。
 ストレステストによると、政府が想定した最悪のシナリオの下でシティの損失は約1050億ドルになる。これに、収入見通しや2月に発表した優先株の普通株への転換計画などの要因を加味した上で、普通株式ベースで約55億ドルの資本増強が必要と判断された。
 パンディット最高経営責任者(CEO)は同行の対応について「厳しいストレスシナリオを乗り切る財務力を確保する」ものだとした。
 すべての民間株主が保有する優先株を普通株に転換すると仮定した場合、転換後のシティの発行済み普通株式総数に占める米政府の保有比率は約34%となり、従来の約36%から低下する。既存株主の保有比率は24%となる。

米GMAC、公的資金による支援を求める必要も 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK846787520090508
 米政府が金融機関を対象に実施したストレステスト(健全性審査)で115億ドルの増資を指示された自動車・住宅ローン金融GMACは、さらなる公的資金による支援を求める必要に迫られる公算が大きい。
 政府により資本増強を指示された他の9行と異なり、GMACは資金調達の手段が極めて限定的だ。
 2008年12月の政府による60億ドルの資本注入時に発行した優先株の転換は可能だが、それでも目標の半分を調達できるに過ぎない。GMACは政府の救済と債務再編に関連して、銀行持ち株会社に業態を変更した。
 GMACの主要事業は自動車金融、住宅ローン融資、および保険。かつての親会社ゼネラル・モーターズ(GM)の自動車販売台数が減少するなか、GMACは住宅ローンやその他のクレジット損失の拡大により、過去7四半期のうち6四半期で赤字を計上。ストレステストの結果、問題がさらに深刻化した。
 コンウェイ・マッケンジー&ダンリービーのバン・コンウェイ社長は「GMACの最初の選択肢は、政府から一層の資金を獲得することだ」と述べた。
 同氏は「これが失敗した場合、収益性のある部門の追加売却を余儀なくされる可能性がある。保険事業がそれに該当する」とした一方、「事業を売却するのであれば、市場の状況から、良いタイミングと言えるだろう」との見方を示した。
 GMACは、資本不足の115億ドルのうち91億ドルを新たな中核的自己資本(Tier1)で補う必要がある、としたが、資金調達の方法については言及しなかった。

米ゴールドマン、TARP資金を「近く」返済する方針 2009年05月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS846786720090508
 ゴールドマン・サックス・グループは7日、不良資産救済プログラム(TARP)の下で米政府から注入を受けた100億ドルの公的資金を「近く」返済する方針を明らかにした。
 ゴールドマンはこの日結果が公表された米銀行ストレステスト(健全性審査)で、資本増強の必要はないと判断された。
 米政府はゴールドマンについて、仮に金融市場が厳しい状況に陥っても、今後2年にわたり資本増強の必要はないと判断した。
 ゴールドマンは結果公表後に発表した声明で、TARP資金の返済条件をすべて満たしているとの見方を示し、「近く返済することに強い自信がある」と表明した。
 ゴールドマンは4月、50億ドルの株式と、米連邦預金保険公社(FDIC)の保証なしの社債20億ドルを発行したと発表。数カ月前から、資本水準は十分であり、TARP資金の返済を望んでいると表明していた。
 米当局者は6日、TARP資金の返済を目指す金融機関は、十分な資本があり、普通株の発行や政府の保証なしの社債を発行する能力があることを示す必要があるとの認識を示した。

世界的な株高は弱気相場の一時的反発、年内に反転の公算 2009年05月7日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPnJT846483720090506
 米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は6日、世界的な株高傾向は弱い企業決算や経済ニュースを受けて年内に反転する公算が大きいと述べた。
 今回の金融危機を予測したことで知られる同教授は、当地で開催された金融セミナーで「今はまだ弱気相場の一時的反発だ」と語った。
 投資家が慎重姿勢を維持すべき理由を3点挙げ、マクロ経済の予想以上の悪化、予想を下回る決算、銀行セクターや新興市場の危機をめぐる一段の悪材料が見込まれることを指摘した。
 「まもなく多くの金融ショックが出現する」とし「金融市場が回復する一方、われわれは向こう数四半期にマイナスのサプライズに直面する。市場は先走り過ぎている」と述べた。 




 米銀のストレス結果の内容ですが、結局、ゴールドマン・サックス  JPモルガン・チェース  メットライフ  ステート・ストリート  USバンコープ  リージョンズ・フィナンシャル  バンク・オブ・ニューヨーク・メロン キャピタル・ワン・フィナンシャル BB&Tの9行は増資の必要性なしと判断され、バンク・オブ・アメリカが339億ドル、(ワコビアを救済した)ウェルズ・ファーゴが137億ドル、GMACが115億ドル、シティグループが55億ドル、リージョンズ・フィナンシャルが25億ドル、サントラスト・バンクスが22億ドル、キーコープとモルガン・スタンレーが18億ドル、フィフス・サード・バンコープが11億ドル、PNCフィナンシャル・サービシズ・グループが6億ドル不足という評価がなされた(http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK846753320090507)ようですね。
 正直、いくらワコビアを救済合併したという特殊事情があるとはいえ、ウェルズファーゴがこれだけ多額の資本不足に陥り、その規模がシティグループの倍以上というのはいささか意外だったのですが、ウェルズファーゴの場合は、バンカメやシティグループ、AIGのように国の資金を直接投入することはしていませんし、不足分のうち60億ドルについては既に普通株で調達することを発表済。まあ、市場の予想の範囲内だったということなんでしょうね…。

 それにしても、ゴールドマンやJPモルガン、メットライフ、USバンコープの4行については完全に安全圏だろうな…とは思っていましたが、ゴールドマンは早くもTARP資金の返済を希望ですか…(汗
 この会社については、以前から「米政府から1日も早く自由になって投資銀行らしい自由に報酬を取り決める従来の経営体質に戻したがっている」という噂があったのですが、株価が回復しているといえ、「急落の後の一部戻しに過ぎない」と経済が早期に回復する楽観シナリオに疑問をもつ見方も一部で見られるようですし、年初から株価が5割以上上げていることで、金融市場の中を生き残っていく自信をつけたのかもしれませんが、つい数ヶ月前までは、ベアスターンズが救済され、リーマンは破綻、AIGも救済ということで、5大証券会社のうち3社が市場から姿を消して、かろうじて生き残ったゴールドマンとモルガンスタンレーも銀行持株会社への転換を迫られる(モルガンスタンレーは三菱UFJによる出資も受け入れています!)ところまで追い込まれていただけに、ごくごく個人的な意見を述べるならば、もうしばらくの間は慎重に振舞った方がよいのではないかという気がしますね。


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