ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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確定拠出年金、加入者の6割が元本割れ 日経・R&I共同調査

2009-06-07 14:28:12 | Weblog
確定拠出年金、加入者の6割が元本割れ 日経・R&I共同調査 2009年5月18日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090518AT3S1502Y17052009.html
 個人の運用次第で受給額が変わる確定拠出年金(日本版401k)の運用成績が悪化している。日本経済新聞社が格付投資情報センター(R&I)と共同で運用状況を調べたところ、3月末時点で加入者の63%が元本割れになり、年利回りは4人に1人が10%以上のマイナスになった。厳しい運用状況が続けば、老後に必要な資金を十分確保できなくなる懸念もある。
 調査は確定拠出年金の運営管理業務を手がける大手3社の協力で今月初めに実施。同年金に加入している約110万人を抽出して3月末の運用成績を調べた。

3メガ銀の株評価損、6年ぶり1兆円超 前期、持ち合いが圧迫  2009年5月18日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090518AT2C1600116052009.html
 3メガバンクの2009年3月期決算で、保有株式の値下がりによる損失が計1兆3000億円となり、6年ぶりに1兆円を超えたことが分かった。前期はそろって大幅赤字になるなど企業との株式持ち合いが業績を圧迫。メガバンクは将来の損失発生を抑えるため、持ち合い解消へ動く見通しだ。
 保有株の時価が大きく値下がりした際に損失を計上する減損処理の額(傘下銀行合算ベース)は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が5700億円、みずほFGが5100億円、三井住友FGが2200億円だった。昨年秋以降の急激な株安で前の期(計4300億円)の約3倍に膨れあがり、不良債権処理損失とともに各グループの最終赤字の主因となった。




 確定拠出年金の加入者の63%の方が元本割れ状態となり、年利回りも4人に1人が1割を超えるマイナス運用となっていることがわかりました。
 まあ、確定拠出年金の場合、法施行が2001年10月で、実際に個別の企業に導入されはじめたのがその数年後。しかも導入された当初は、導入した企業も従業員にどう投資教育を行なえばよいか試行錯誤していて、当の従業員は最初は元本確保型商品を中心に運用。その後株価の回復に伴いようやく運用対象を株式を含む投資商品にシフトし始めたところで、サブプライムショックで株式投信は4割前後下落。(3メガ銀行の株式評価損だけで1兆円…。個人投資家が逃げ切るのはかなり困難でしょう)
 確定拠出年金の場合は、毎月一定金額を積み立てる方式のため、スポット投資と異なり、何割値上がりしたらドライに利益を確定するという発想も薄いですし、金融市場が動揺しはじめても、元本確保型商品に迅速にシフトして上手く逃げることができた方の方が少数派でしょうし、6割を超える方が元本割れになっているといっても、制度が導入されたタイミングを考えれば、別に不思議でもなんでもないことだと思います。

 日本の投資初心者の場合、『最初に小額を投資して利益が出たから、今度はまとまった額を投資したらバブルがはじけて多額の評価損が出て怖くなって解約し損失が確定』というパターンが少なくないのですが、逆に言えば、今のような株式の価格水準そのものが低い時こそ、小額ずつ投資を始めるには格好のタイミング。今どれだけ確定拠出年金の資産のうち株式に投資できる方の比率がいるかが、今後の運用成績も左右することになるのではないでしょうか。


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