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上海地下鉄で追突事故、270人病院へ 日本人2人軽傷 信号の故障か

2011-09-28 07:08:50 | Weblog
上海地下鉄で追突事故、270人病院へ 日本人2人軽傷 信号の故障か 2011年9月28日 共同
 中国・上海市の中心部を通る地下鉄10号線で27日午後2時50分ごろ、列車同士の追突事故が発生した。271人が病院に運ばれ、うち日本人2人が軽傷を負った。死者は出ていない。事故原因は信号機の故障とみられる。10号線の信号システムの製造元の親会社は7月に浙江省温州市で衝突事故が起きた高速鉄道にもシステムを供給しており、急ピッチで建設が進む中国の鉄道の信頼性が再び問われそうだ。
 上海市衛生局の同日夜の記者会見によると、病院に運ばれた271人のうち61人が入院し、180人はすでに帰宅した。上海紙は20人が重傷と伝えている。在上海日本総領事館は男女1人ずつの邦人の負傷を確認。2人とも軽傷で、すでに自宅に戻ったという。総領事館では他に事故に巻き込まれた人がいないか調べている。
 事故が起きたのは市内の観光名所に近い「豫園駅」と「老西門駅」の間の線路上。運営会社の上海申通地鉄集団によると、午後2時10分ごろ、老西門駅の隣の「新天地駅」で設備の故障が発生。手動による運行管理に切り替えた。
 専用電話で運転士に指示し、一定の区間内に複数の列車が進入しないように制御していたが、後続列車が何らかの理由で指示に従わず、止まっていた前方の列車に衝突した。前方の列車の乗客は「30分間停車した後に突然、衝撃を受けた」と語った。10号線は同日夜、運行を再開したが、申通地鉄は事故調査委員会の指示により、28日から事故現場を含む一部区間は運行を止めることを明らかにした。
 1995年に開業した上海の地下鉄は今年6月末時点で、11路線を運行。営業距離は合計420キロメートルと世界最長だ。市中心部を通る10号線は、上海万博の開幕に併せて2010年4月から順次開通した。
 10号線では今年7月28日に本来の進行方向と逆に発車するトラブルが発生。8月2日にはある列車が突然、動かなくなり、後続列車が近くの駅まで押していく事態となった。いずれも信号機の故障が原因とされる。
 10号線の信号システムの製造元は仏重電大手アルストムと中国の信号機メーカー、中国鉄路通信信号の合弁会社。中国鉄路通信信号は7月に信号設備故障を引き金に衝突事故を引き起こした高速鉄道の路線にシステムを供給していた。この合弁会社のシステムは上海のほかにも遼寧省大連や吉林省長春、天津市、広東省深セン市、同広州市の地下鉄でも採用されているという。
 交通の足として定着している地下鉄の事故は市民に大きな衝撃を与えている。温州の高速鉄道事故は落雷が信号機故障の引き金とみられるが、今回は度々、トラブルを起こしており、「安全対策は十分だったのか」(50歳代女性)と不安の声も出ている。
 衛生局などと共に会見した申通地鉄の兪光耀総裁は事故を陳謝した上で、「原因究明に努める」と強調した。上海市トップの兪正声党委書記は27日、「十分な検証を進めるよう」指示を出した。

「窓が割れ無我夢中で」 乗客らトンネル歩き脱出 上海の地下鉄事故  2011年9月28日 共同
 「乗っていた地下鉄が30分ほど停車した。突然、バーンという大音響とともに窓ガラスが割れ、無我夢中で逃げた」。中国きっての先進都市、上海市の中心部で27日発生した地下鉄追突事故。市民の足として親しまれている地下鉄の乗客は、一気に恐怖のどん底に突き落とされた。
 浙江省寧波市から出張で上海を訪れていた金さんと名乗る50歳前後の女性は、追突された列車の最後尾の車両に座っていた。市営地下鉄10号線の老西門駅近くで列車は停車。「トラブルが発生した」との車内放送があった後に、後続列車がぶつかった。
 「手荷物が床をころころと転がった」と青ざめた表情の金さん。車内では悲鳴が飛び交い、金さんは何とか脱出したが、どのように逃げたかの記憶は定かではないと搬送先の病院で語った。
 上海市内の病院には50人以上のけが人が運び込まれ、一時はロビーにまで担架が並んだ。
 上海テレビは、事故直後の地下鉄内の様子を放映。運転席にある緊急脱出口から次々に線路に降りた乗客らは、トンネル内を列をつくって脱出。線路脇で寝かされている負傷者も映し出された。
 現場近くの老西門駅。事故が起きた列車に乗り合わせ、地上に出てきた女性は、赤ちゃんを抱きながら「ドン、と衝撃があった」と興奮した様子。地下鉄の出入り口からは老人らが担架で次々に運び出され、救急車で搬送された。周辺は数十台の救急車のサイレンとやじ馬で騒然となった。

上海で地下鉄追突、270人けが 信号故障が原因 2011年9月28日 朝日
http://www.asahi.com/international/update/0927/TKY201109270351.html
 27日午後2時50分ごろ、中国・上海市中心部の地下鉄10号線・老西門駅付近で列車の追突事故が起き、271人が負傷して病院に運ばれた。中国メディアによると、7月に起きた高速鉄道の脱線事故と同様に信号の故障が原因。上海地下鉄は会見で、信号システムの納入業者も同じだったとした。
 地下鉄の関係者らによると、駅周辺で故障が起きて手動の信号で運行を続けていた。事故車は速度を落として運行していたとされるが、前方に別の車両がいるのに止まれなかった。上海市当局は事故原因を調査すると表明した。ただ、10号線は事故から約4時間20分後に運転を再開した。
 事故に遭った女性乗客は朝日新聞の取材に「後ろから追突されたような強い衝撃があり、多くの乗客がひっくり返った」と話した。出血して倒れている人もおり、負傷者は5カ所の病院に運ばれた。
 40人が死亡した浙江省温州の高速鉄道事故でも、信号機故障が原因だった。また、上海の地下鉄では、2年前にも1号線で信号システムの故障による車両の接触事故が起きている。




 7月に浙江省温州市で高速鉄道(中国版新幹線)衝突事故を起こして甚大な被害を出した中国ですが、今度は地下鉄で衝突事故が発生。270人余りが病院に運ばれるという大きな事故がまたまた発生したようです。
 それにしても、直接の原因は信号機の故障のようですが、事故現場は地下鉄。万が一にも火災が発生したり、火花が発生して引火したことが原因で有毒ガスでも発生した日にはそれこそ大惨事にもなりかないだけに、だからこそ制御には細心の注意を払い、基本停止事故が発生すれば、後続列車も直ちに運行を停止して最寄駅で停車させるなどの措置は最低限取るべきだったのではないかと思うのですが、どうも今の中国を見ていると、先進国の車両など表面的な技術だけを取り入れることで他の国に追いついたつもりになり、列車の運行の中である意味一番大切な制御技術がないがしろにされているように思えてなりません(1時間に2本くらいしか走らないローカル線ならともかく、地下鉄ならせいぜい10分間隔の運行でしょうし、だからこそ制御システムには細心の注意を払うべきではないでしょうか…)し、この国が本当の意味で先進国の仲間入りするためには、単なる技術のモノマネではなく、人命を最優先するというごくごく当たり前の運用ができるかにかかっているように思えてなりません。


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