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福岡3児死亡事故、飲酒で危険運転を認定 被告に懲役20年

2009-05-16 12:04:56 | Weblog
福岡3児死亡事故、飲酒で危険運転を認定 被告に懲役20年 2009年5月15日 
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090515AT1G1500H15052009.html
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090515-OYT1T00296.htm
 福岡市で2006年、幼児3人が死亡した飲酒運転追突事故で、危険運転致死傷罪などに問われた元同市職員、今林大被告(24)の控訴審判決が15日、福岡高裁であった。陶山博生裁判長は、業務上過失致死傷罪にあたるとして懲役7年6月とした一審・福岡地裁判決を破棄、危険運転致死傷罪と道路交通法違反(ひき逃げ)罪を適用し、懲役20年(求刑同25年)を言い渡した。弁護側は上告する方針。
 一審判決は脇見運転を事故原因と認定したが、判決理由で陶山裁判長は「現場の道路にはこう配があり長時間の脇見運転は不可能。被告が前方に視線を向けながら被害車両を認識できなかったのは、飲酒の影響以外には考えられない」と指摘。「危険運転」にあたると判断した。
 その上で、「飲酒運転が社会問題化するなかで、3人の幼児の尊い命を奪った刑事責任は誠に重大。事故後も友人に身代わりを依頼する証拠隠滅を図るなど犯情は悪質だ」などと指摘した。

「相当量の飲酒、視覚に影響」 福岡3児死亡 一審破棄  2009年5月15日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090515AT1G1500C15052009.html
 幼児3人が死亡した福岡市の飲酒運転追突事故で、15日の福岡高裁判決は「長時間の脇見運転は不可能。飲酒の影響で前の車両に気付かなかった」として元福岡市職員、今林大被告(24)に危険運転致死傷罪を適用した。一審判決は「危険運転」の適否を慎重に判断、業務上過失致死傷罪にとどめていたが、高裁判決は飲酒運転に厳しい姿勢を示した形だ。危険運転致死罪は裁判員制度の対象で、市民は司法判断も分かれるような難題に答えを求められることになる。
 事故は2006年8月に福岡市東区の「海の中道大橋」で発生。今林被告が飲酒後に乗用車を運転し、大上哲央さん(36)の車に追突。大上さんの車は橋の欄干を突き破って博多湾に転落し、長男(当時4)、次男(同3)、長女(同1)が水死。哲央さんと妻のかおりさん(32)もけがをした。

裁判長に気持ち伝わったと父、まだ納得できぬと母  2009年5月15日 
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090515-OYT1T00561.htm
朝日夕刊 http://www.asahi.com/national/update/0515/TKY200905150190.html
 福岡市での3児死亡飲酒運転追突事故で、元同市職員今林大被告(24)に福岡高裁で懲役20年の実刑判決が言い渡された15日、大上哲央(あきお)さん・かおりさん夫妻は閉廷後、同市中央区の福岡県弁護士会館で記者会見した。
 哲央さんは冒頭、「事故から2年9か月、毎日毎日苦しい生活を送ってきた」と振り返り、「今まで言い続けてきたことが裁判長に伝わった」と時折、言葉に詰まりながら話した。また、「3人も私たちと一緒に判決をしっかりと受け止めることができた」と亡くなった3人の子を思いやった。
 危険運転致死傷罪が適用されたことについて、哲央さんは「自分たちの意見陳述を、しっかりと司法が受け止めてくれたと思う」と評価した。
 しかし、懲役25年の1審求刑に対し懲役20年の判決となったことに、かおりさんは「求めるものは25年。5年少ないことは納得できない」と不満を述べた。
 今林被告は1審判決後、保釈中で、この日の法廷には姿を現さなかった。これについて、哲央さんは「3人の命はとても重く、今林被告の目で見てほしかった」と憤った。かおりさんは「この写真(遺影)を毎日見ることがどんなにつらいか。今林被告にも分かってほしいと思って、持ってきたのに……」と残念そうな表情を見せた。
 判決を踏まえ、今林被告への言葉を求められると、哲央さんは「しっかりと刑を受け止めてほしい」と語った。かおりさんは「反省を求めてきたが、見られない。かける言葉はない」と吐き捨てた。

「懲役20年」…目を真っ赤に、涙流す3児の父母 2009年5月15日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090515-OYT1T00492.htm
 判決の瞬間、法廷がどよめいた。「原判決を破棄し、懲役20年に処する」――。福岡高裁501号法廷に陶山(すやま)博生(ひろお)裁判長の声が静かに響くと、大上哲央(あきお)さん(36)、かおりさん(32)夫妻がひざに抱えた3児の遺影が震えた。
 1審判決を上回る重い刑が下されたことに、傍聴席の多くの人が得心した様子だったが、元福岡市職員・今林大(ふとし)被告(24)の弁護人らは「納得いかない」と反発していた。
 大上さん夫妻は黒色のスーツ姿で午前9時40分過ぎ、福岡高裁に姿を現した。哲央さんは、事故で亡くした3児の遺影をえんじ色の包みで覆い、両手で抱えていた。
 懲役7年6月だった1審判決を破棄する判決を聞くと、2人は「ワッ」と声にならない声を上げた。お互いに信じられないといった表情で目を真っ赤にはらし、涙を流していた。
 今林被告側が、「哲央さんの居眠り運転も事故の一因」と主張していたことに、裁判長が「居眠り運転をしていたとは考えられない」と明確に否定すると、安堵(あんど)の表情を見せた。
 「調子に乗るな。何様のつもりか」「金をもらっているんだろう」――。大上さん夫妻は飲酒事故の悲惨さを訴え、メディアに多く登場して注目を集める一方、街頭やインターネットでいわれのない中傷や非難にさらされ続けた。一家は昨年末、世間を避け、事故の影響によるパニック障害療養のため、海外転居を余儀なくされた。
 大上さん夫妻の代理人、羽田野節夫弁護士によると、2008年1月の1審判決後、一家は人目を避けるように、いったん九州を出た。だが、転出先でも「テレビで見た大上さんでしょ」と頻繁に声をかけられた。ついには「大変ですね」と気遣いの言葉さえ、忌まわしい事故の記憶をよみがえらせる心理的な負担となったという。
 「2人はいつも、『人に監視されている』という思いに駆られていた」。羽田野弁護士は振り返る。
 この日の逆転判決を、大上さん夫妻のそばで聞いた羽田野弁護士は、陶山裁判長の言葉を懸命にメモに納めた。
 言い渡し後、傍聴席を立つ哲央さんの肩にポンと手を掛け、穏やかな顔で夫妻のこれまでの苦労をねぎらった。

今林被告の弁護人「感情的な判決、上告したい」 2009年5月15日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090515-OYT1T00623.htm
 福岡市での3児死亡飲酒運転追突事故で、元同市職員今林大被告(24)に福岡高裁で懲役20年の実刑判決が言い渡された15日、今林被告の主任弁護人、春山九州男(くすお)弁護士は「きわめて感情的な判決で、適用条文の要件を一つずつ積み重ねる作業に欠けている印象を持つ。到底納得できず、上告したい」と述べた。
 量刑については「今林被告は『いかなる刑にも服する』と話していたが、懲役20年とは思っていなかったのではないか」と話した。




 3年前の8月25日に、福岡市の海の中道大橋で、時速約100キロの猛スピードで車を衝突させて被害者の車を転落させ、3幼児を死亡させた今林大被告の事件の高裁判決ですが、地裁判決の懲役7年6月・業務上過失致死傷罪を取り消して、危険運転致死傷罪を適用して懲役20年を課す画期的な判決が下されました。
 一部の司法関係者は「殺人よりも厳しい」と刑の厳罰化を懸念する声も出ているようですが、そもそも橋の近くで時速100キロも出して脇見運転もない(タイミング次第では容疑者の車だって転落していたかもしれません)でしょうし、しかも事故直後に(車のライトを川に向けて照らしたり近隣に救助を求めるなど)救助のための努力をするどころか、逃亡を図り、あげく知人に水を持ってこさせてがぶ飲みすることで、体内のアルコール濃度を薄めて飲酒運転の発覚を逃れようとする悪質ぶり…。

 私は法律の専門家ではないので、量刑のバランス的に20年という量刑が適当なのかどうかは判断しかねますが、もし被告弁護士が批判したような、感情で物を言うのならば、被害者の母親が言う『求めるものは25年。5年少ないことは納得できない』という意見に賛同しますし、被害者の父親が手を握り締めて何度もうなずいたと聞きましたが、私も判決を聞いた瞬間、全く同じ気持ちで同じような動作をしていました。
 おそらく、5年分の減刑は、被告弁護士いわく『被害者が月命日に墓参りに行っている』という一言が効いたのかな…と思いますが、ではなぜ被告は裁判の場に顔を出さなかったのでしょうか? たとえどんなに逃げ出したい場面であっても、人には絶対に逃げてはいけない局面が一生のうちに何度かはあるはずですし、今林被告にとってはまさにその局面だったと思いますが、その当然の義務から逃げ出した時点で、私には被告が本気で反省しているのか、どうしても疑問に思えてなりません。

 まもなく裁判員制度がはじまりますが、なぜ今、裁判員制度を取り入れるのでしょう???
 日大大学院法務研究科の板倉宏教授などは、『殺人でも、こんなに重くなりません。懲役10数年になることが多いです。傷害致死3人でも、懲役20年はなかなかありません。遺族や市民の処罰感情を反映したものでしょうが、自動車の事件に限って重い感じがします。(高裁は)危険運転致死傷罪を適用する前提で事実認定したとしか思えませんね』などと20年の実刑を疑問視するコメントを残していますが、判例至上主義に陥るあまり、世間の感覚とあまりにもかけ離れた判決が出ていることは、『3年前の9月25日に埼玉県の川口市で、カセットプレーヤーを操作しながら前を見ずに50~55キロで走行し、散歩中の園児ら41人の列に突っ込ませ、4人の幼児を死亡させて17人に重軽傷を負わせた井沢英行被告に、危険運転致死傷罪が適用されずに業務上過失致死傷罪が適用されて、求刑通り懲役5年が適用された』事件一つとっても明白なところ。
 むしろ現在の判例が人の死というものをあまりにも軽く取り扱い過ぎている現実を無視して、単純に比較論で量刑を考えるのもどうかと思いますし、司法が真に国民のためのものになるには、より国民感情に即した運用がなされるべきなのではないかな…とむしろ私は思いました。


1 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-04-17 20:12:40
刑法の基礎の基礎で勉強する不作為殺人
あれが殺人罪を構成するなら、この今林大とかいうクズの行為は明らかに不作為殺人だろ!
そんなことも理解できんアホは、今すぐ弁護士なんか辞めちまえ!
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