金曜日の夕方から札幌へ行って、NTT労組主催による「児童労働撲滅キャンペーンin札幌」に参加してきました。
2004年から始まって、もう8年目になるNTT労組の児童労働撲滅キャンペーン。例年、6月12日の「児童労働撲滅世界デー」に合わせて開催されています。札幌での開催は、当初、昨年の6月に予定をされていたのですが、東日本大震災を受けて延期。おととしの神戸での開催から2年越しで、今日、6月9日の開催となりました。
まずは、金曜日の夕方、地元関係者の皆さんが勢揃いしてのイベント実行委員会が開かれ、事前学習会も兼ねた最後の意識合わせ。私も10分ほど時間をいただいて、激励の挨拶をさせていただきました。
私自身、古くは全電通本部の国際担当時代から児童労働撲滅の運動に関わってきたので、かれこれ18年ぐらいの歴史があることになります。はじめて、現場を踏んだのは、国際自由労連(ICFTU、現ITUC)のアジア太平洋地域事務所(APRO)に出向していた時代の1995年、南アジアで始めた児童労働学校プロジェクトの担当者として、パキスタンのハリプールを訪れた時のことでした。
そこで、レンガ製造所で働かされる債務児童労働の実態を見せつけられて、「世の中にこれほどの不正義が存在するのか?」と絶句したのが始まりだったのですね。そのことを紹介させていただきながら、「世界の平和は、社会正義があってこそ実現可能であること」「ある国で不正義が蔓延していれば、他の国の正義が脅かされてしまうこと」をお話しし、最後に「(児童労働が蔓延する国々の)政治を動かすために力と心を合わせて運動を続けて行こう!」と訴えました。
さて、今日のイベントは、まず午前9時過ぎからの会場設営でスタート。私が現場に到着した時は、ちょうど、児童合唱団のリハーサルが始まったところ。かわいらしい子どもたちの素敵な歌声が響いていて、早くも雰囲気を盛り上げてくれていました。
以下、一日の様子を写真でご紹介します:
(リハーサル中の子どもたち。上の最初の写真が本番の様子です)
(会場設営中の児童労働撲滅PRチーム。過去のスタディツアー参加者が頑張っています)
(こちらはNGOのACEのブース。1998年の第1回グローバルマーチを一緒に仕掛けたのが思い出深いです)
(今年4月のスタディツアーでネパールに行った原田さん。児童労働の実態を伝えてくれました)
(基調講演をしてくれた女優の紺野美沙子さん。UNDPの親善大使として活動中です)
(この日のハイライト。かつて児童兵士として強制的に徴兵された経験をもつチクワニネさんの話)
(会場には同期の徳永エリ参議院議員もかけつけてくださいました)
会場となった札幌駅前通地下歩行空間は、今日も大勢の市民や観光客がひっきりなしに通行していて、多くの皆さんがセンターステージでのイベントやブースに足を止めてくれて、児童労働の問題について耳を傾けてくれたり、フェアトレードの商品を購入してくれたりしてくれました。
そして、個人的に今日のハイライトだったのが、ミシェル・チクワニネさんの講演。チクワニネさんは、アフリカのコンゴの出身ですが、5歳の時、サッカーをして遊んでいる最中に突然、誘拐され、児童兵士として殺人マシーンになる訓練を強制的に受けさせられた経験を持っています。その時の体験談は衝撃的ですが、私たちが認識しなければいけないのは「これは単に、私個人の体験談という過去の話ではありません。今なお、世界の各地で同じ事が起こっていて、30万人以上の子どもたちが児童兵士として戦闘に駆り出されているのです・・・」というチクワニネさんの言葉。これもまた、これ以上ない不正義が世界に蔓延している現実なのです。
チクワニネさんの証言は、「児童労働反対世界デーキャンペーン2012」のウェッブサイトで短時間版を見ることができます。
また、東京近辺の方は、明日6月10日(日)、文教学院大学で開催される児童労働反対世界デーのイベントで直接、チクワニネさんの話を聞くことが出来ます。詳細はこちらで。ぜひご参加下さい!
以上、「児童労働撲滅キャンペーンin札幌」の参加報告でした。