石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

原発作業員の安全・健康管理問題~細野大臣への申し入れ第二弾を行いました!

2011-08-02 23:59:18 | 活動レポート
先週予定していて、急きょ延期になった東電福島原発作業員の安全・健康管理問題に関する細野原発事故担当大臣への申し入れ第二弾、今日の午後に実現しました。




6月17日に第一弾を行ってから約1ヶ月半。この間、細野担当大臣もわれわれの申し入れに重きを置いて、さまざまな取り組みを進めてくれました。とりわけ、現地の医療体制の拡充や緊急搬送体制の整備については、厚生労働省の対策室のがんばりもあって、大きく改善されています。

しかしその一方で、3月4月に作業に従事した作業員の線量確定が未だに終わっていないこと、1ヶ月毎に行われるべき健康診断を実施していない作業員がまだ多数に上ること、緊急作業に従事してすでに解除(退所)になった元作業員に所在の掴めない作業員が多数いることなど、課題はまだ山積しています。

同時に、ここへ来て大変なニュースが飛び込んできました。

そう、1号機と2号機の原子炉建屋の間部分で、10シーベルト以上の超高線量箇所が見つかったというニュースです。その後、他の場所でも同じような超高線量が見つかったという報道もあり、あらためて建屋付近および建屋内の汚染状況がまだまだ不明確であることが明らかになっています。このような状況下で、あらゆる不測の事態を想定し、事前に取り得べき対応を行っておくというのも政治の責任です。

今回は、このような観点から、第二弾の申し入れを行いました。



詳細は下記、申し入れ書を参照していただきたいと思いますが、いずれの点についても、細野大臣からは前向きに対応していく旨、その場での回答がありました。前回同様、今後、進捗状況に合わせて具体的な報告をいただけるものと思います。

とりわけ、自己造血幹細胞の事前採取については、われわれから勉強会の議論の様子も伝えながら、改めて政治の決断の必要性を訴えました。細野大臣も、10シーベルト以上の汚染箇所が見つかったという新しい状況にも鑑みて「あらためて検討してみる」とのこと。前進的な対応を期待したいと思います。

ちなみに、有志の一人、吉田統彦議員から「造血幹細胞採取だけでなく、精子の事前採取と、iPS細胞の採取もぜひ」という提案。これも併せて検討してくれることと思います。

以上、今日の申し入れの報告でした。今後も引き続き、仲間たちと取り組みを進めていきます!



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細野豪志 原発事故担当大臣 殿

福島原発事故収束に向けた緊急作業に従事する全ての作業員の
              安全・安心、健康・衛生の確保に取り組む民主党議員有志

2011年8月2日

福島原発作業員の安全・健康管理と雇用・生活の安心確保
に関する申し入れ書 第二号

まずは、連日、大変厳しい環境の中で原発事故収束のための緊急作業に従事されている多くの作業員および現場関係者の皆さま方に、民主党議員有志一同、心より感謝と敬意を表します。同時に、作業員の安全と健康の確保のために努力をいただいている細野原発事故担当大臣をはじめとする政府関係者、及び地元福島県自治体の皆さま方にも深く感謝いたします。

私ども民主党議員有志一同は、去る6月17日、政府・東京電力統合対策室の細野事務局長(当時)に対し、「作業員の安全・健康管理と雇用・生活の安心確保に関する申し入れ書」を提出させていただきました。

その後、新たに原発事故担当大臣に就任された細野大臣の指導の下、政府も作業員の安全・健康管理問題を最優先課題の一つに据え、東京電力をはじめとする事業者・協力会社への継続的な指導を行っていただいております。現地の緊急医療体制の充実など、いくつかの点で進展が見られており、私どもとしても政府の取り組みを評価しているところです。

しかしながら、3月中に作業にあたった作業員の被ばく線量が未だに確定していないことや、所在不明の元作業員が数多く見つかっていること、更には、1ヶ月毎の健康診断を受けていないものが多数存在することなど、作業員の安全と健康を確保するための対策は今なお多くの課題を残しています。また、8月1日には、1号機・2号機の原子炉建屋間で毎時10シーベルト以上もの非常に高い放射線量が計測されておりますが、その一方で、不測の事態に備えた作業員の安全・健康対策の検討は未だ十分に行われておりません。
 
以上の観点から、私ども民主党有志議員一同は、政府の責任において作業員の安全・健康管理と雇用・生活の安心を最大限、確保していただくため、追加的・補足的な対策事項を下記の通り申し入れます。各項目について、即時かつ確実な取り組みを行っていただきますよう重ねてお願い申し上げます。

                   記

1:作業員の安全・健康管理対策全般に関する統括責任部署の設置

 福島原発作業員の安全・健康管理対策は、放射線防護対策、作業・生活環境の改善、被曝線量測定や管理、安全衛生教育や健康診断、緊急医療体制の整備、不測の事態に対する予防策の検討・実施など、複数の省庁にまたがる多面的な対応が必要です。しかしながら、現時点で、これらの対策はそれぞれの担当部署において個別の責任で実施されており、政府全体の取り組みを監視・監督し総合調整を担う責任部署が明確に規定されていません。
 よって、原発事故担当大臣の下に、作業員の安全・健康管理対策全般に関する統括責任部署を設置し、本件に関する権限と責任の所在を一元化することによって、本申し入れ書に含まれる諸施策等を大臣直轄の下で確実に実施することを求めます。


2:作業人員計画表(人員工程表)の策定と作業員の安全管理の徹底について

 作業員の被曝線量管理を徹底しつつ、現場の安全・健康管理を徹底するためには、無理のない作業工程と人員配置が必要不可欠です。そのため、前回の申し入れでも要請しました通り、現行の事故収束に向けたロードマップに基づき、各工程の遂行に必要な作業人員や要員確保の計画などを示した『作業人員計画表(人員工程表)』を早急に策定し、公表することを求めます。
 なお、その策定にあたっては、作業員の被ばく線量の最小化、休憩・休息時間や休日・休暇の確保、健康診断や内部被曝線量チェックに要する時間等を確保すると同時に、特殊・高度技術を必要とする作業員確保のための育成・養成計画も併せて策定していただくようお願いします。


3:万が一の被ばく事故に備えた対策の検討・実施について

 作業員の安全・健康管理対策の基本は、作業員の被ばく線量を最小限に留めつつ、不測の事態を予防し、線量管理を限度以下に徹底的に管理することであることは言うまでもありません。しかしながら、今後の作業工程では、内部の状況が未だに把握出来ていない建屋内での作業など、作業員に安全・健康にとってリスクの高い内容も含まれており、万が一の事故の発生など、あらゆる可能性を想定した対策を検討しておくことが必要です。
 したがって、政府の責任において、各工程のリスク評価を適正に行うと同時に、不測の事態が生じた際に大量被ばくする危険度が高い作業に従事する作業員について、自己造血幹細胞の事前採取・凍結などの事前対策を早急に講じることを要請します。なお、上記1で要請した統括責任部署が設置されるまでの間、本件に関する検討を早急に着手するため、担当部署を指定することを併せて要請します。


4:健康管理の徹底とデータベースの構築について

 現場では、これまで放射線業務に従事した経験のない作業員も数多く作業に関わっており、知識不足から生じる不必要な被ばくの実態も伝えられているところです。よって政府には、現場で作業する全ての作業員について、労働安全衛生法並びに電離放射線障害防止規則、および厚生労働省からの指導に基づく事前研修・訓練、十分な安全衛生教育、血液検査を含む定期健康診断等の確実な実施を確保するよう要請します。
 また、厚生労働省が計画している作業員の健康管理データベースの構築について、3月11日以降、福島第一原発で緊急作業に従事した全ての作業員等について、一切の漏れなく生涯にわたる健康管理が適切になされるよう、国の責任において必要な個人データ、作業・被ばく記録、健康診断・健康被害記録などを確保しつつ、すでに離職した(解除された)者を含む全ての作業員について、研修・教育の受講歴、作業記録、累積被ばく線量、健康診断の結果等を証明出来る「被ばく線量管理手帳(仮称)」またはそれに準ずるものを交付することを求めます。
 同時に、これまで作業に従事した作業員で未だ被ばく線量が確定していない作業員について、可及的速やかに内部被曝線量を含めた実効被ばく線量が確定されるよう強く求めます。


5:健康管理・健康被害補償スキームおよび雇用・生活保障スキームの検討について

 今回、福島原発事故収束のための作業に従事した全ての作業員等が、離職(解除)後も安心した生活が送れるように保障することは、今後の工程に必要な作業員を確保し、事故収束を進めて行く上でも必要なことです。よって政府の責任において、離職(解除)後の定期的な健康診断や、必要な精密検査、万が一の健康被害の際の補償措置などを含む健康管理・健康被害補償スキームのあり方について、早急に検討に着手し、国民に提案することを求めます。
 また、法令上、1年間で50ミリシーベルト、5年間で100ミリシーベルト以上の被曝を受けた作業員は残余期間中、原発管理区域での作業に従事できないことから、該当する作業員の雇用・生活保障スキームについても併せて検討し、提案することを要請します。


(了)