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「帝都大捜査網」 いつまでも続くと思うな

2018年05月28日 | もう一冊読んでみた
帝都大捜査網/岡田秀文  2018.5.28  

    2018年版 このミステリーがすごい!
    国内篇 第16位 帝都大捜査網


最後は、意外だった。
ヒントは、あった。

 「私は多都子の日記を読み進んだ。日記の記載は二年前あたりからはじまり、一年前で終わっている。」

ぼくは、読んでいて、あれ、と思ったのだ。

国内編第16位だったが、まずまず面白いミステリでした。

 「あんた、いくつだね。まだまだ、自分の身体を動かし、額に汗して充分働ける年じゃないか。だいたい、株やら債券に確実な儲け話なんぞありゃせんわ。うまい話には必ず裏や、思わぬ落とし穴があるものだ。悪いことは言わん。ここで手仕舞いして、まっとうな商いに戻れ。これまでうまくいったのは単なる偶然だよ。いつまでも続くなんて思うな」

この助言は、永遠の真理ですね。
いつまでも続くなんて思うな

 この屈辱に耐えたところで、先にどんな光があるわけでもない。どうあがいても返せる当てのない借金なのだ。最後は炭坑送りか北洋の漁船にでも乗せられて、死ぬまで続く重労働を科せられる運命だ。そうなれば生きていること自体が刑罰に等しい。

男は、「炭坑送りか北洋の漁船」 女は...... に昭和初期の時代を感じさせますね。

 「この会の趣旨は、全員の財と力を合わせて本願を成就することにあります。敗れた方をただ自死させるのではなく、みなさんのお力添えで極楽浄土へ送ることもまたこの会の大いなる役割なのです」

なにやらどこかの宗教団体の教えみたいですが、何とも恐ろしいまさに命がけのゲームなのです。

 呆然自失とはまさにこのことだ。偽造社債に全財産をはたいたのに続いて、今度は命を懸けて勝負に臨んだ償金を目の前でさらわれてしまった。
 「骨折り損のくたびれもうけもいいところだわ。一文無しのうえに人殺しになっちゃって、これからどうしたらいいの」


 「殺人鬼、捕らえてみれば、小市民、ってところか」
 何かの歯車がひとつ狂えば、案外、人間はだれでも途轍もない悪事を平然とやってのけるものなのかもしれない。


生真面目で融通のきかない小市民。貝塚堅生が、偶然陥った人生の落とし穴とは..........

      『 帝都大捜査網/岡田秀文/東京創元社 』


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