ゆめ未来     

遊びをせんとや生れけむ....
好きなことを、心から楽しもうよ。
しなやかに、のびやかに毎日を過ごそう。

読書三昧! 2015年1月

2015年01月27日 | もう一冊読んでみた
 1月第1週は、この4冊。

 『このミステリがすごい! 2015年版』国内編第2位『さようなら神様』を読みました。
小学校高学年のガキ達の話にしては、なんてませているのだろうと思い違和感がありましたが、「さようなら神様」の編まできて納得。
何故殺さなければならなかったのか、なぜ殺されなければならなかったのか、ぼくには、その理由が希薄な気がしたのですが.......................読者のみなさんは

   『 さよなら神様/摩耶雄嵩/文藝春秋 』

 『このミステリーがすごい! 2015年版』海外編第7位『逃げる幻』を読みました。
「本格ミステリー」第1位という結果を考えてみると、本格ミステリーを読むときには、その評価の仕方や面白さの基準にある一定の作法というか、暗黙の了解みたいなものがあるのかも知れないという気がしました。
ぼくとは、面白さの基準が微妙にずれていると感じましたが..............読者のみなさんは
文学や知識に関するの注釈が興味深かった。

  『2015本格ミステリ・ベスト10』海外ランキング/第1位
  『ミステリが読みたい!2015年版』海外篇/第6位
  『このミステリーがすごい!2015年版』海外編/第7位
  『週刊文春2014ミステリーベスト10』海外部門/第7位

 彼は本を一冊書き終えるたびに安堵して心が軽くなるが、読者のほうは自分の荷物に加えて他人の失望まで背負わされ、足がふらつく結果になりかねない。

   『 逃げる幻/ヘレン・マクロイ/駒月雅子訳/創元推理文庫 』



 ジェイムズ・トンプソンの『凍氷』を読みました。
フィンランドの気温、国による文化の違いとそこでの生活、祖国の戦争と歴史、そのなかでの人々の生き様など様々、考えさせられる内容がてんこ盛りでした。
このことを、堂場瞬一氏は「解説」の中で、以下のように語りました。

 読者としては、こういう細かい心遣いが嬉しいのだ。海外ミステリーを読む醍醐味は、普段知ることのできない異国の雰囲気や習慣、人間性を、小説という空間の中で楽しむことでもある。その意味で、ジェイムズ・トンプソンはサービス精神に富んだ作家と言えるのではないか。

 もし、現役時代にこんな風にいわれたら、その時、ぼくは何と答えただろうか。

 この仕事を受けて己を救え、なんでも欲しいものをわたしが用意してやる。

 ジェイムズ・トンプソンは、こんなことを考えているのだろうか。

 彼は本を一冊書き終えるたびに安堵して心が軽くなるが、読者のほうは自分の荷物に加えて他人の失望まで背負わされ、足がふらつく結果になりかねない。

 人生は、曰く、生きがたい。

 俺は言った。「スロ、おまえはくじけずに生きて、自分がなりたい人間になればいいんだ」

 報いですって------あいつは言った------誰も当然の報いを受けてなんかいないわ。わたしたちはみな、地獄の業火で焼かれているでしょう。ひとり残らず罪人なのだから。


 大変におもしろいミステリーでした................読者のみなさんにも好評です。

   『 凍氷/ジェイムズ・トンプソン/高里ひろ訳/集英社文庫 』



 時々、NHK朝ドラの「マッサン」を観るのですが、「鴨居ウイスキー」の大将を見ていたら、モデルとなった寿屋の大将、鳥井信治郎の生涯が気になった。
それで、手っ取り早く手に入った『やってみなはれ みとくんなはれ』を読みました。
この本の奥付に、第1刷が平成15年9月1日発行とあるので、以前に読んでいるはずだがと思った。
どんな話だったか、全く記憶にないので初めて読む気持ちです。
とにかく、鳥井信治郎の性格、行動、人生、どれをとっても、おもしろいことおもしろいこと。

 「おじいちゃんは死ぬときだけ家にいたはったんです。あとは何もわかりませんわ。あの人には家なんて、あってないようなもんでしたね。門と玄関しかない人でした」(鳥井春子/長男吉太郎の未亡人)

 開高健は、この本のなかで、鳥井信治郎の生涯に『梁塵秘抄』の「童心の歌」をおくっている。

 あそびをせむとや うまれけむ たわむれせむとや うまれけむ あそびする子の声聞けば わが身さえこそゆるがるれ

 今、気になっているのは、寿屋常務、作田耕三は「マッサン」のなかで、どのように描かれているのかということです。

   『 やってみなはれ みとくんなはれ / 新潮文庫
     /青春の志について----小説・鳥井信治郎----/山口瞳
     /やってみなはれ----サントリーの七十年・戦後篇----/開高健
 』

 三人の男は襖の隙間からのぞいていた。男の目がギラギラ光っていた。別々の角度から、別々の魂胆あって、それを見ていた。
 一人は寿屋の宣伝部長の片岡敏郎である。もう一人は、デザイナーであり画家である木下木它である。残る一人が、カメラマンであった。

    はい。結構ですよ

 女は......松島恵美子である。
「一生一度のおねがいなんだ。ぼくの言うことをきいてくれないか。変なことをするわけではない。だまって無理をきいてほしいんだ。......」


 SUNTORYのHPでは.......... 赤玉ポートワイン/日本初のヌードポスター

NHK朝ドラ「マッサン」では、三人の男の場面を10月24日の放送で。

NHK朝ドラ「マッサン」 24日放送..........よくまとめられています

NHKに問い合わせ殺到
朝ドラ「マッサン」“ヌード”ポスター誰だ?...........産経ニュース 2014.10.26

さらに、くどいようですが..........ヌード披露 柳ゆり菜




 『その女アレックス』が売れている。

 「内容に自信はあったが昨年は予想以上。特別な販促なしに2週間で重版が決定、版を重ねてきた。
 読者の男女比は約6:4、30~50代の男性がメイン、最近は20代女性が増えている。9刷34万部」
 (担当編集者の永嶋俊一郎さん/朝日新聞2015.1.11)





 1月第2週は、この2冊+。

 『このミス~ 2015年度版』の海外編第3位『時限紙幣』を読みました。
「訳者あとがきに」によると、この本の著者、ロジャー・ホッブズは、運にも才能にも恵まれ、二十二歳で大学を卒業し、二十三歳で本書を書き上げ、昨年、二十四歳で国際的なベストセラー作家になりました。
本書は出版される前から破格の高額で映画化権が売れて、早くから話題になったとあります。
砂を噛むような殺伐とした世界、そんななかで、命と金のやりとりをする男とギャング達の物語でする。
この男、何が楽しみで生きているのか凡人にはうかがい知ることのできない不思議な世界で息づいています。
楽しみは、ただひとつ、古典の翻訳のみ。
ぼくは、この物語からひとつだけ教訓を得ることができました。
それは、何事にもばかにならない経費がかかるということです。
「坊主丸儲け」とは、なかなかなりません。

 おもしろいクライム・ノベルの一冊でした..........R・ホッブズに聞く

   『 ゴーストマン 時限紙幣 /ロジャー・ホッブズ/田口俊樹訳/文藝春秋 』

 「なんでも欲しいものをわたしが用意してやる。」の約束は、非合法特殊部隊を組織して、その指揮を執らないかという国家警察長官からの誘いだった。
ジェイムズ・トンプソンの警察官カリ・ヴァーラを主人公とするシリーズの第三作『白の迷路』は、カリの非合法活動の物語です。
ぼくは読みながら、トンプソンは、この物語をどんな形で締めくくるのだろうか、と常時気をもみました。
それでも、後半には多分こんな結末を迎えるのではないかと、朧気ながらみえてきました。
それにしても、すごい暴力、また暴力で余り気持ちの良い物語ではありません。
非合法活動が、いつまでも闇のなかでとは思えません。
そうなると、第四作目はいかなる展開になるのかと楽しみになってきます。
しかし、しかし、不幸なことに、トンプソンは2014年8月に帰らぬ人になってしまいました。
「解説」で、北上次郎氏がアメリカでは、四作目『Helsink! Blood』が、既に発売されているとふれていますが、その内容までは言及がありませんでした。
しばらく、おあずけです。

   『 白の迷路/ジェイムズ・トンプソン/高里ひろ訳/集英社文庫 』

 ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝氏と寿屋の大将は、円満に別れることができたのか知りたくて『私の履歴書/経済人11』を読んでみました。
このあたりの事情は、この履歴書ではふれられていなかったが、少年時代やニッカ創業の頃、妻リタさんの写真など大変に興味深かったです。

   『 私の履歴書/経済人11/竹鶴政孝 』



 1月第3週は、この2冊+。

 「なんでも欲しいものをわたしが用意してやる。」の約束は、非合法特殊部隊を組織して、その指揮を執らないかという国家警察長官からの誘いだった。
ジェイムズ・トンプソンの警察官カリ・ヴァーラを主人公とするシリーズの第三作『白の迷路』は、カリの非合法活動の物語です。
ぼくは読みながら、トンプソンは、この物語をどんな形で締めくくるのだろうか、と常時気をもみました。
それでも、後半には多分こんな結末を迎えるのではないかと、朧気ながらみえてきました。
それにしても、すごい暴力、また暴力で余り気持ちの良い物語ではありません。
非合法活動が、いつまでも闇のなかでとは思えません。
そうなると、第四作目はいかなる展開になるのかと楽しみになってきます。
しかし、しかし、不幸なことに、トンプソンは2014年8月に帰らぬ人になってしまいました。
「解説」で、北上次郎氏がアメリカでは、四作目『Helsink! Blood』が、既に発売されているとふれていますが、その内容までは言及がありませんでした。
しばらく、おあずけです。

   『 白の迷路/ジェイムズ・トンプソン/高里ひろ訳/集英社文庫 』

 ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝氏と寿屋の大将は、円満に別れることができたのか知りたくて『私の履歴書/経済人11』を読んでみました。
このあたりの事情は、この履歴書ではふれられていなかったが、少年時代やニッカ創業の頃、妻リタさんの写真など大変に興味深かったです。

   『 私の履歴書/経済人11/竹鶴政孝 』



 1月第4週は、この4冊。

 『このミス~ 2015年度版』の国内編第8位『破門』を読みました。
作者の「黒川博行」氏の本は、初めて読みます。
テンポ良い大阪弁の会話が多く、おもしろくて読みやすい。
極道同志の金のやりとりの話で、完全な娯楽小説です。
映画を観るように物語を楽しみました。
二宮は、桑原のことを味噌糞に悪態をつくが、ぼくにはどちらもどちらという気がします。
むしろ、桑原をなぜか憎めない。

   『 破門/黒川博行/角川書店 』

   第151回直木賞受賞作...........................黒川博行氏受賞インタビュー

 『このミス~ 2015年度版』の国内編第11位『怒り(上)』を読みました。
物語は、八王子郊外の新興住宅地「けやきの丘」の一軒家で、何の変哲もない共働きの夫婦が殺害され、現場に「怒」という血文字が残されているところから始まります。
この不可解な事件を起こした犯人と「田代」、「直人」、「田中」の三人は、どのように関わっていくのか。
上巻を読んだ限りでは、はっきりしません。
ぽちぽちとは、ヒントらしきものが仕掛けてあるような感じはするのですが。

 愛子というのは本当に不思議な子だと明日香は思う。会っていると、その拍子抜けしたようなリズムに苛々させられるのに、なぜかそばにいてもらわないとこちらがそわそわしてしまう。愛子が心配だからというだけでもない。あまり役に立たないお守りみたいなもので、財布に入れたからといって何か良いことがあるわけでもないが、なくなったらなくなったで、何か縁起が悪そうな気がするのだ。

 怒りを表すことを怖がらないために...............................週刊文春WEB

   『 怒り(上・下)/吉田修一/中央公論新社 』

 「現代における数少ない本物の魔女の一人
今週は、マーガレット・ミラーの『悪意の糸』を読みました。
ミラーさんの作品は、今回が初めてです。
読んでみると、たいへんなつかしい雰囲気の物語です。
巻末には、「本書は一九五一年刊 Dell Books版を底本に翻訳刊行した」とあり、納得しました。
時代を感じさせることはあっても、物語はいたって新鮮です。

 みなさんの読後感は................読書メーター/悪意の糸

 同時代の魔女の一人にヘレン・マクロイをあげることがもできますが、彼女の作品も今月のブログで『逃げる幻』を報告しました。

   『 悪意の糸/マーガレット・ミラー/宮脇裕子訳/創元推理文庫 』

 『このミス~ 2015年度版』の海外編第11位『ジャック・リッチーのあの手この手』を読みました。
ぼくは、「三つ目の願いごと」と「フレディー」をおもしろく読みました。

 ハリソンは手紙を読み、首を振った。「こいつ頭がおかしい」
 「みんなそうさ」わたしは言った。「おかしくなる時が違うだけでね」


   『 ジャック・リッチーのあの手この手
     /ジャック・リッチー/小鷹信光編・訳/ハヤカワ・ミステリ
 』


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