ゆめ未来     

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愚者たちの棺/ゴースト・スパイナー/服従

2016年06月04日 | もう一冊読んでみた
 今週は、この3冊。
 愚者たちの棺/ゴースト・スパイナー/服従

愚者たちの棺/コリン・ワトスン  2016.6.4

愚者たちの棺』を読みました。
森英俊氏による解説「きわめて英国的な殺人」に、次のよう紹介があった。

 本書の作者コリン・ワトスンの名は、よほどの英国ミステリ好きでないかぎり、耳慣れないものに違いない。これまでに紹介された作品は、わずかに三短編のみで、いずれも地味なクライム・ストリーだったから記憶に残っていないとしても無理はない。ところが、本書を皮切りにした以下のシリーズの長編に目を通してみれば、地味な印象はがらりと変わるだろう。........

紹介されている以下のシリーズは、原書で、ぼくには読む能力がないので何ともいえませんが、この『愚者たちの棺』は、確かに地味な感じがしました。
英国ミステリ好きの方々は、この雰囲気がたまらないのかもしれませんが。

ぼくは、読み切るのに少し時間がかかりました。

 『なあ、きみ』と親しげに呼びかけてくる、目下の懸案とは関係のない事柄に心を砕く輩の愚問に常に悩まされてきたから、言質を与えずに相手を満足させる術は心得ている。

意味がわかりにくい文章ではないが、このような文章に時々ぶち当たると読書のリズムが乱されるのです。

 『 愚者たちの棺/コリン・ワトスン/直良和美訳/創元推理文庫 』



ゴースト・スパイナー/ジェフリー・ディーヴァー  2016.6.4

 リンカーン・ライム・シリーズの一冊、『ゴースト・スパイナー』を読みました。
「ゴースト・スパイナー」(2014.10.30刷)は、このシリーズの第十作目です。
第一作『ボーン・コレクター』は、邦訳が1997年でした。
ぼくは、このシリーズを何冊読んだろうかと思いリストを作ってみましたが、2006年以前は、読んだかどうかはっきりしないものもあり、正確なもの(6冊余り)は出来ませんでした。
それで、シリーズのはじめの作品から順次読んでみようかと思っています。

「ゴースト・スパイナー」で殺し屋、ジェイコブ・スワンが語る料理の蘊蓄が、ぼくにはとっても面白かった。
殺し屋スワンは、「槌目ナイフ、貝印旬」を使っています。
これは物語上の話と思ったのですが、実際にあるのか、インターネットで検索してみました。

海外で人気の日本の高級包丁、『貝印旬』(Shun)シリーズがありました。
こんな素晴らしい包丁を見ると、料理をしないぼくでも、台所におきたい一品です。
なお、『たか田八』主人、高田さんのコマーシャルビデオがあるのですが、八さんの調理場がチラリとみえて興味深かったです。

  貝印 旬Shun シリーズ

 "なあ、ロベルト、考えてもみろよ。アメリカってのは、どんな思想を持とうが許される地球上でただ一つの国、薄暗い路地で思想警察に撃ち殺されたり、夜中に家から引きずり出されて秘密の刑務所に連行されたりする恐怖と無縁の国なんだぜ。その国の悪口を言うのはどうしてだ? ちょっとは手加減しろよ"

朝日新聞 2016.6.1
大統領批判の詩をネットで共有・・・禁錮刑
元ミス・トルコに「侮辱罪」で判決


トルコ・イスタンブールの裁判所は5月31日、元ミス・トルコのモデル、メルベ・ビュユクサラチさん(27)に対し、禁固1年2ヶ月17日、執行猶予5年の判決を言い渡した。........
14年、エルドアン氏を批判する詩を写真共有サービス「インスタグラム」で共有した。
詩は、トルコ国歌をもじって、エルドアン氏の強権ぶりや、トルコの一部メディアで報じられた同氏の金銭に絡む疑惑などを揶揄する内容だった。........


 『 ゴースト・スパイナー/ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子訳/文藝春秋 』



服従/ミシェル・ウエルベック  2016.6.4

 ミシェル・ウエルベック氏の『服従』を読みました。
フランスの政治状況、歴史文化、哲学や文学界などの知識があれば理解しやすいのでしょうが、ぼくには分かりにくい小説でした。
ぼくはこの小説が、2016年本屋大賞翻訳小説部門第3位だったので手にしました。
この本を読んだ皆さんの感想は、いかがだったのでしょうか。.........読書メータ

 フェラチオに関して言えば、彼女のようなのは他に知らず、彼女はいつでもこれが最初で最後のフェラチオであるかのように事を行った。一回ごとのフェラチオが、一人の男の人生を正当化するに十分だった。

 女性の尻を眺めるという、最低限の夢見る癒やしもまた不可能になってしまったのだ。

 『O嬢の物語』にあるのは、服従です。人間の絶対的な幸福が服従にあるということは、それ以前にこれだけの力を持って表明されたことがなかった。.....『O嬢の物語』に描かれているように、女性が男性に完全に服従することと、イスラームが目的にしているように、人間が神に服従することとの間には関係があるのです。お分かりですか。イスラームは世界を受け入れた。......イスラームにとっては、反対に神による創世は完全であり、それは完全な傑作なのです。コーランは、神を称える神秘主義的で偉大な詩そのものなのです。創造主への称賛と、その法への服従です。


  『服従』 評・松山巖(評論家・作家)

 『 服従/ミシェル・ウエルベック/大塚桃訳/河出書房新社 』


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