保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

足もとから世界の「水」を考える・・・

2006-03-19 00:00:58 | 保津川エコ・グリーン委員会
昨日、皇太子浩宮様はメキシコで行われている
「第4回世界水フォーラム」で基調講演にたたれ、
「水問題の解決策は、その地方、その河川流域ごとに異なり、
それぞれの地域の歴史の流れと伝統が尊重されなければ、
本当に地域に役立つものとはならないはずです」などと述べられ、
各地域が歴史を生かした水問題の解決策を模索することが
重要だと訴えられたとマスコミ報道で聴きました。

世界規模で「水」問題の解決を考える「第三回世界水フォーラム」
が京都を中心に開催されてから早2年の歳月が経ちました。

依然、世界の「水」問題は根本的な解決策のないまま、
深刻さの度合いを高めています。

京都で「世界水フォーラム」が開催された時、ある機関紙に
「世界の『水』がなくなる?」と題してレポートを投稿した
こともあり、このブログでも2005年6月9日付
記載したように、今、もっとも関心を持っている問題なのです。

「水」の問題を考える事は、人間の命の源を考える事。

しかし、世界でも比較的「水」に恵まれているこの日本では
「慢性的な水不足」「水質汚濁」「洪水被害」等で、開発途上国を
中心に年間500万~1000万の人々が命を落としている現実に実感が
沸きません。

また、この深刻な現実を知らされても、あまりにも問題が
世界的規模なので「水」問題について、私達はどのように
考え行動を起こしていかねばならないか?それが一番難しい問題でしょう。

そんな時、皇太子殿下の「各地域の歴史と伝統、特性に合った解決を」
というメッセージは一つの方向性を示されたもので大きなヒントにも
なったのではないかと思いました。

私達の仕事場である「保津川」にも明らかに水質汚濁は進んでいます。

一昔前にはよく見かけたメダカや蛍も最近は減少傾向にあり、
河川の生態系破壊は進行中です。

渓谷に流れ着く空き缶、ペットボトル、買い物ビニール袋
なども恐ろしい量です。

下流の嵐山でも夏になると、藻が大量に繁茂し悪臭問題や遊覧船の運航
鵜飼いなどにも支障をきたしています。

世界の「水」を考える事は自分の地元の川を考えることにも
通じるのではないでしょうか?

思いは世界に~行動は足元から。「意識はグローバル~行動はローカル」

保津川(桂川)の持つ歴史や特性は何なのか?

この保津川は1000年以上の昔から筏に始まり舟の水運に
至るまで、川の上を生業にしてきた人間がいる。
その人達の手で「川」は守られ今日に継承されてきた。
今、その川で生きる私達船頭が、今この川の現状や
出来る事の情報を発信し、行動を起こすことで、
地元や流域の人達の意識を高め、ともに解決策を
考えて行く事に繋がるような気がしています。

今はまだ漠然として明確な答えはありませんが、
私達が歴史と伝統を見直し、アピールする
ことが「川の恵み」への感謝に繋がり、
命の源である「水」を考えるきっかけになると思うのです。

私達、川で仕事をする当時者が、川のゴミ掃除し
美化に務めていくことがすべてのスタートとなる
そんな気がしています。

そして今後は、保津川を愛する人達との連携も図りながら、
研究し具体的な考えと行動を起こしていきたい思います。

これはなにもゴミ掃除をするだけが行動ではないと思います。

今の河川水質汚濁の一番の原因といわれる「生活系排水」
は私達の家から流されています。
空き缶やペットボトルもあなた一人がゴミ箱に入れて
くれたら改善されます。

自らの生活を少し変えるだけでも「水」問題を
解決する大きな力になるでしょう。

一人一人の意識と行動が今、求められいる!そんな気がします。

保津川への皆様のご支援とご協力をよろしくお願いします。