細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『追憶』の懐かしさは、M・ハムリッシュの、あの名曲で、鮮明に甦る。

2021年03月21日 | Weblog
●3月20日(土)21-40 <ニコタマ・サンセット傑作座>
OV-072『追憶』"The Way We Are"(1973) Columbia Picture, Raster Productions,  <シネマスコープ・サイズ・118分>
原作・脚本・アーサー・ローレンツ 監督・シドニー・ポラック 主演・バーブラ・ストライサンド、ロバート・レッドフォード 
初めてのロードショー公開当時は大ヒットで、日比谷スカラ座の外階段にまで長蛇の列が出来ていて、わたしは新橋の兼坂ビルの試写室で見ていたが、
うちの家内が見たい、というので、まだヨチヨチ歩きの長男を連れて日比谷公園に行き,1回目の上映の終わる2時頃まで、噴水の回りを廻って待っていた。
まだパソコンも、当然のようにケータイのような、電子機器もないアナログ時代だったので、とにかく小春日和の公園で待つしかなかった・・・という記憶がある。
バーブラが製作した映画なので、これは女性目線の感覚で作られたラブストーリーで、人気のあったレッドフォードは、あくまで女性から見た<身勝手なハンサム>。
とはいえ、「華麗なるギャッツビー」のイメージも前後していて、ハンサムなレッドフォード人気は凄くて、バーブラは主題歌を唄って、かなり稼いだ作品だ。
ボストンの大学時代から、スポーツ万能で「オール・アメリカン・スマイル」という試作小説も書けるレッドフォードは、バーブラと恋してしまう。
結婚して卒業後は、ハリウッドのスタジオにスカウトされて、マリブ・ビーチの個建てハウスで新作映画のシナリオを執筆するシナリオ・ライター。
主婦のバーブラは、大学時代からの反ブルジョア思想の運動家の活動を続けていて、とうとう二人の女児を持ったが、離婚してしまい、大陸の東西で別の生活となる。
数年後、ラストのマンハッタン、セントラルパーク横の、あの有名なプラザホテルの前で、偶然にプロテスト署名運動をしていたバーブラと再婚の彼が再会するのが圧巻だ。
「まだ、懲りずに、ネバー・ギブアップ・ドゥー・ユー?」というレッドフォードの前髪を手で直す、バーブラの顔に、あのテーマ曲が被って来て・・・ああ、涙。
やはり、マーヴィン・ハムリッシュ作曲の主題曲が最高で、バーブラの唄もいいのだが、メロドラマのパターンを忠実に再現した感覚は、いまでも泣ける。
あれ以来、何度、プラザホテルの前に行ったか・・・、とにかく、あの名曲が必ず脳裏に甦って来るのだから、お向かいのティファニーの「ムーンリバー」といい勝負。

■レフトオーバーのフェンス直撃のツーベース。 ★★★★☆
●コロムビア映画、ソニーピクチャーズDVDでの鑑賞