細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ムーンライズ・キングダム』の懲りないオトナ達の<かくれんぼ>。

2012年12月15日 | Weblog

●12月14日(金)10−00 六本木<シネマート試写室2>
M−148『ムーンライト・キングダム』Moonlight Kingdom (2012) focus features / indian paintbrush
監督/ウェス・アンダースン 主演/ブルース・ウィリス <94分>配給/ファントム・フィルム ★★★☆☆
1965年、カナダに近いニューイングランド沖の島。
恐らく東京の1区くらいの小さな島の学校で、12歳の男女が恋におちて駆け落ちをした。
といっても、狭い島の中のこと。まさに子供の<かくれんぼ>。
たったひとりの警察官のブルースと、ボーイスカウト隊長のエドワード・ノートンが捜索にあたる。
もともとブルースとエドはコメディアンだから、この珍役を愉しそうに演じている。
どこかティム・バートンの「シザーハンズ」を思わせるノスタルジックな風景と、アンティークな感覚。
とくに、この島にはネイティブ・インディアンの懐かしい感覚が残っているので、おとなの童話漫画のような画調が懐かしい。
ま、「ハリー・ポッター」の60年代アメリカンだと思えば、気分は非常に和んで来る。
まだテレビも初期の、あの懐かしいアメリカン・グラフィティの世界への郷愁を、大物スターたちが「学芸会」のようにハシャグのだ。
ストーリーは、ただの「かくれんぼ」なのだが、それをマジに展開するのがウェスの毎度の世界。
趣味的にはウディ・アレンの「ラジオ・デイズ」の、ノーテンキなアイランド騒動。しかし立派なアートワーク。
これだけのビッグなスターが揃い、ハーヴェイ・カイテルなどは、カメオなのだ。何という贅沢。
それでも今年のゴールデングローブ賞にノミネートされた人気は、やはり本物の、お遊びだと見るしかない。

■バントの飛球が、前進守備のサードの頭上を越えて内野安打。
●2月8日より、TOHOシネマズ シャンテなどでロードショー