細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ドラゴン・タトゥーの女』は苦策のハリウッド・リメイク長編。

2012年02月18日 | Weblog

●2月17日(金)11−00 六本木ヒルズTOHOシネマズ7スクリーン
M−024『ドラゴン・タトゥーの女』The Girl with the Dragon Tattoo (2011) columbia picture / MGM
監督/デヴィッド・フィンチャー 主演/ダニエル・クレイグ <158分>★★★☆☆
非常に見たい新作だったが、たった1回の夜の試写を見逃したので、さっそく劇場で見た。
オリジナルのスウェーデン映画は、3部作に分かれていたので、3冊のミステリーを読むように魅せられた。
それから3年もしないのにリメイクされ、しかも1本の作品にしたのは、恐らく英語圏の集客を狙ったのだろう。
だからストーリー進行に無理があり、さすがのフィンチャー演出にも乱れがある。おまけに編集ももたつく。
やはり主演のボンド氏の存在感が、あまりにも軽く、加えてリスベットの個性にも、あの驚きが少ない。
そりゃ、先発のオリジナルのパワーに比較することが、そもそもナンセンスなことなのだろう。
いっそアメリカの事件にアレンジして再映画化したほうが、もっと個性も出た筈。
あの「インソムニア」のような、思い切ったハリウッド風アレンジだったら、と惜しまれた。
「デパーテッド」という好例もあったではないか。
でもオリジナルの人間関係を、複雑にせざるを得ない事情も、リメイクの契約にあったと思われる。
ま、それでも「ミレニアム」の初体験の方には、見逃せないサスペンス。
フィンチャーならではの、素晴らしいショットも、ときどき見られるので、気を抜けない長丁場だ。
これだけ時間をかけた重厚な大河サスペンスは、やはり、めったに見られない。
分厚いハードカバーをゆっくり読むつもりで、体調のいい日に挑戦してほしい大作であった。

■左中間に上がった長打コースだったが、意外に伸びずにセンターフライ。
●全国でロードショー中