細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ヘルプ』で描かれる時代の明るさとモドカしい格差。

2012年02月07日 | Weblog

●2月1日(水)12−45 目黒<ウォルト・ディズニー試写室>
M−017『ヘルプ』The Help (2011) dreamworks / rerians entertainment
監督/テイト・テイラー 主演/ヴィオラ・デイビス <146分> ★★★☆☆
「助けて」という意味のヘルプではなく、これは「ヘルパーさん」、つまり家政婦さんの話。
60年代初期のミシシッピー州では、かなりまだ人種差別が厳しく、黒人たちは不当に虐待をされていた。
それでもヴィオラと、友人のオクタヴィア・スペンサーは明るく、メイドとしての日々を過ごしていた。
まるで70年代頃のテレビの連続ホームドラマのように、明るい南部の生活がスケッチされる。
あの名作「アラバマ物語」のような事件性もなく、ごく恵まれた白人家庭での、メイドの位置。
「風と共に去りぬ」の時代から変わらない人種構造がユーモラスに展開される明るさはいい。
本当ならシリアスになりがちな主従関係も、終始カリカチュアとして演出する軽さもいい。
それを見せることで、アメリカに根付いている人種問題を、ごく自然に見せて行く。
ことしのアカデミー賞にもノミネートされているのは、見事な俳優達のアンサンブルだ。
中では助演のオクタヴィアが得していて、恐らく助演女優賞を代表として受賞するだろう。
いかにも古風なテレビ映画のようで、この長尺には閉口したが、一応は飽きさせない。
お手伝いさんが存在している歴史は、ごこの国でもあり、わが「家政婦・・・」のテーマも生まれる。
「サザン・ホスピタリティー」というのは、この人間関係が底辺にあるようだ。

■渋いゴロのヒットの間に素早くセカンド・スチール。
●3月31日より、全国ロードショー