細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ノーウェア・ボーイ』がビートルズに転身するプロセス。

2010年10月08日 | Weblog
●10月7日(木)10-00 六本木<シネマート試写室>
M-121『ノーウェア・ボーイ』Nowhere Boy (2009) lennon films U.K. 英
監督/サム・テイラー=ウッド 主演/アーロン・ジョンソン ★★★☆☆
ミュージシャンとして本格的にスタートする以前の、ジョン・レノンの青春を描いて興味ある。
父親は家出。母親は奔放な生活で養育能力が薄く、レノンは伯父と伯母に育てられていた。
1950年代のイギリス、リバプール。
伯父の急死のあとは、近所に住む母と伯母の間を行き来するうち、レノンはプレスリーに傾倒。
工面して中古のギターを手にして、学業には手がつかない。
よくありがちな青春の迷走を描いて行くが、やはりこれが、あのレノンだという意識があるので、不思議なテンションが持続する。
だから、このあとに「ハードデイズ・ナイト」に続いていくリズムも自然に感じる。
愛という感情から見放された青春は、ロックン・ロールへと転化していく。
オノ・ヨーコも承認しているレノン前期ものとして、面白く瑞々しい。
アーロンの姿が、次第にジョンに見えてくるから、成功作と言えるだろう。
ビートルズ・マニアは必見だ。

■素直なジャストミートで、センター前のクリーンヒット。
●11月5日より、全国ロードショー