細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●ゴダールとスプレー・グラフィティー。

2005年07月25日 | Weblog
●7月25日(月)13-00 京橋<映画美学校・2試写室>
M-097 「ゴダール/アワー・ミュージック」Notre Musique (2004) 仏
監督 ジャン=リュック・ゴダール 主演・ナード・デュー ★★★☆
サラエヴォを舞台に、監督ゴダールが学生たちと話した会話を基にして、映像で描いた世界観のイメージ。
例によって、ゴダール的な映画なので、ハリウッド風のエンターテイメントとは対極にある作品。
「映画は光を通じて、人間の暗部を描くもの」というだけに、廃墟の都市の不思議な瀕死の風景が息苦しい。
面白くはないが、ゴダールの映像による文化と戦争批判は、今回はシンプルで情感がある。
自爆死は犯罪ではない、来世に対しての希望だ。というのは、どうも納得できない。
テロはテロだろう。作るのはいいが、不快感は迷惑である。

●M-098 「ボム・ザ・システム」Bomb the System (2003)米
監督・アダム・バラ・ラフ 主演・マーク・ウェバー ★★★☆☆
スプレーによるストリート・アートは犯罪である。
だからこそブロンクスやブルックリンのグラフィティー・カルチャーは、警察の目の届かないところで勝負する。
「盗んだスプレーで描かないグラフィティーは、アートじゃない。」と豪語するだけに、深夜のアート・ワークは命がけだ。
そのリアルな世界は、エミネムの「8mile」同様に魅力がある。ちょっと遅れて来た落書き映画。
自分のサインを街に残したい、という気概は、ゴダールにも似ていた。