大晦日です。大三十日、大つごもり、大年、行く年、年惜しむ、除夜・・・。大晦日は、誰にとっても感慨深い日のせいか、それを意味するボキャブラリーは、豊富であります。
第一級の寒波襲来です。関東平野北遇は、今、地鳴りを立て強風が吹き荒れております。上信越の国境を越えて、雲が次つぎと流れて来て、空を覆い、陽を影らします。
空風に 雲重々と流れ来す 冬田の麦の青さたくまし -夢 蔡ー
人は、感情や生活状況によって、風景の見方・感じ方に違いがでます。【♪北風吹きぬく 寒い朝は 心一つで暖かくな~る~#】 なんて歌が有りましたっけ。 寒いのは、どうも苦手で、何んとしても身がちじみます。▼ それにしても、何もかも吹き飛ばす勢いです。ついでに、総ての煩悩まで飛ばしてしまえば、手間が省ける~!・・。「エ~、仏様に失礼だって? まことにその通りで・・。」
顧(かえり)みて人は祈るか 除夜の鐘 響くを数え 年は尽き行く ー夢 蔡ー
寒いのは苦手、出不精、不信心で、実際に、除夜の鐘を打ち鳴らしている所へは行ったことがありません。マア、無才な短歌の添えにと、今日の日中に撮ったものを代用しました。と言う訳で・・、除夜の鐘が鳴り出すのを先取りして話を進めます。
除夜の鐘は、人間の煩脳を除去し、救うために鳴り響きます。煩悩は、百八あり、従って、108回鐘は鳴ります。 - これは常識ですー
「百八~?!」 どんなものか調べてみたので、そのサワリだけ書き込んでおくことにします。▼ 人間には【 眼・耳・鼻・舌・身・意 】の【六根】がある。煩悩のもとです。この六つのアイテムには、それぞれ【 好・悪・普 】の評価があります。これだけで、∴ 6×3=18の煩脳が生まれております。更に、【浄(きれい)・染(きたない)】の2項が掛け合わされ(18×22=36)、更々に、【過去・現在・未来】の3項にわたりますので、結果は、108となります。
これだけあると、人間とはなかなか救いがたき者ようです。108個のバリヤ通路をクリヤーするのは、大変です。一歩間違えば、たちまち転落します。「 南無~」 都合で信心はいけません。
雲重く湧き立つ中に日は落ちし 惜しみし年はいま暮れなんとす ー夢 蔡ー
、【歳月は人を待たず】 陶 淵明は言っております。誠に、月日の経つのは早いものです。ついて行くのが、ヤットと言ったところです。体力勝負もめっきり、息切れします。【人生 根蔕(こんてい)無く、瓢として陌(はく)上の塵の如し。】〔人の命は、木の根や果実のヘタのような、しかりした拠り所がないもです。まるであてどなく舞い上がる道の埃のようなものである。) ▼これは、【歳月人を待たず】の書き出し、初句であります。一理あるのでしょうが、なにもそこまで言わなくてもと思うのは、凡人だからでしょうか。
風はすっかりおさまりました。静かです。
寒風に吹き払われし除夜の空 黙(も)だし揺らめく北斗七星 -夢 蔡ー
除夜の鐘が鳴り始めました。近くの神社では花火をあげました。今年は終わりました。
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