統合医療日記

ここでの統合医療とは単に西洋医学と東洋医学の統合ではなく、病気を肉体と精神と社会及び自然環境の4視点から見ていきます。

玉川温泉に何故ガン患者が行くのか

2011-01-23 11:43:42 | 日記

マイラドン温泉の源泉地近くの地表に出た花崗岩の放射線(玉川温泉の北投石と変わらない)


農園の山道に外部から搬入した砂利の放射線

 日本は原爆が広島と長崎に落とされ、原爆投下後からガンになる人が多く出て、放射線の恐ろしさが身に染みている。日本人はみな放射線アレルギーである。しかし末期がん患者は、岩盤浴で有名な秋田県の玉川温泉やラドン温泉の福島県のやわらぎの湯に、ガンと戦うため放射線を浴びにに行く。玉川温泉では氷点下の凍てつく中、患者たちが寝袋一つに身を入れてがんと闘う。以前は宿がとれずに駐車場の車の中で凍死する患者や行方不明になり家族が捜しに来ているケースなどがテレビで紹介された。

 玉川温泉はラジウムやラドンが多いと言われるが、ラドンは一般に冷鉱泉に溶けているガスであり、暖かい温泉にはほとんど含まれない。すべての泉質がある別府温泉でもラドン温泉だけは無いのである。ラドンはラジウムが気化してできるガスである。空気より7.7倍重く、ガスがすぐに逃げて露天風呂にはむかない。玉川温泉でも、岩盤浴中にがん患者がラジウムから出てきたラドンガスを吸引するのは無理であろう。玉川温泉の岩盤にある北投石(天然記念物で持ち帰り禁)はラジウムを多く含んでおり、それの微量射線を患者が受けているのであろう。

 玉川温泉は日本での岩盤浴発祥の地といっても過言ではない。ラジウムは花崗岩の中に含まれている。しかし花崗岩は地下1000メートルの深いところにあり、花崗岩の亀裂を流れる地下水の中にラジウムから壊変したラドンガスが溶け込み、単純放射能冷鉱泉(ラドン温泉)の源泉となるのである。ただ玉川のようにラジウムを含む花崗岩が地表面に出てきているところは珍しいのである。しかし、玉川でもどこでも北投石が出ているわけではないので、放射線を確かめて岩盤浴する必要がある。ベテランのがん患者はインスペクター(アメリカ製の放射線カウンター)を持ってきている人もいる。

 しかしがん患者がみんな玉川に行けるわけではないので、一般的にはやわらぎの湯や三朝温泉などのラドンの温泉に行く人が多い。ラドンは放射性の希ガスで主にアルファ線(電離放射線)を出す。風呂に入ると皮膚から15%、呼吸器から85%吸収することができる。飲用すればほぼ100%消化器から吸収される。

 ただアメリカやWHOはラドンなど微量放射線には厳しい。しかし日本では古くからこの微量放射線を利用した温泉療法があり、色々な病気を持つ人が療養に行く。しかしながら、そもそもガンなどの重篤患者はすべての温泉において禁忌である。それでもやわらぎの湯は年間30万人、玉川温泉では25万人の人が行っているのである。全世界から湯治客の来るあの世界遺産の温泉ドイツのバーデンバーデンでも年間30万人くらいであり、日本のがん患者の温泉に対する期待の大きさがわかる。いわゆる医学理論よりも副作用よりも治ることしかがん患者には意味のないことである。しかし、あくまでも自己責任ということである。



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