2年前に書いた心療内科の本がアマゾンの心療内科部門で今までベストテン入りしていましたが、「マンガでわかる心療内科」という漫画7巻が7位まで占めてとうとう私の本は圏外に流れ去りました。やはりうつ病の患者さんなんかは病気が悪い時は文章を読む集中力、持続力がなくなっていますので、マンガとかいった映像の方が分かりやすいのだと思います。そこで今回、私は著作活動をしばらく中止して作詞、作曲活動に切り替えることにしました。患者さんの感情に直接語りかけ病気を治していく新たな音楽療法です。
なお、面が割れているので友人等が見終わったら消去しますのでよろしくご理解ください。
以下この曲の歌詞内容説明です。ご参考下さいませ。
VIDEO
今この瞬間(とき)を
君は何を考え続けているの
いつまでも何に囚われているの
心の悩みに振り回されないで
もっと良いことを考えようよ
リブ イン ザ モウメント
リブ イン ザ プレシャス モウメント
悲しいことばかり考えないで
嫌いな人のことばかり考えないで
あなたを支えてくれる人がいる
あなたを必要としている人がいる
リブ イン ザ モウメント
リブ イン ザ プレシャス モウメント
大切な人を亡くしても
その人の心は無くならない
その人に言おうよさようならを
その人に言おうよ有り難とうを
どんなに苦しいときもじっと絶えて
どんなに悲しいときもあるがままに
苦しみも悲しみもすべて受け入れて
そうすれば希望が生まれてくるよ
あるがままに今を生きよう
今この瞬間(とき)を生きよう
リブ イン ザ モウメント
リブ インザ プレシャス モウメント
解説1.
現在、うつ病で服薬治療中の患者さんは日本で100万人以上いますが、未治療の患者さんやパニック障害、双極性障害などの患者さんも入れると心に病を持つ人は3百万人から6百万人いると推定されます。さらにこれらは増加の傾向にあり、日本の自殺者は1998年から今日まで3万人を超えたまま推移しています。これに対して現在日本での心療内科医もしくは精神科医は1万人ほどと少なく、多くは薬物療法を中心とした診療を行っています。しかし、うつ病などのストレス関連疾患の再発防止や完全治癒のためには、認知療法や森田療法などの色々な精神療法が必要です。しかし、これらの治療は診療時間が長く取れないため、現実的にはほとんど行われていません。
私は今まで診療のみでなく、講演会や著書を出版しこれら精神療法について言及してきましたが、やはり時間やその他の物理的限界のため効果を上げることが出来ず、また患者さんが悪いときは講演を聴いたり本を読んだりする気力もなくなるため、何かもっと効果的で良い方法はないかとずっと考えていました。そして、それはやはり音楽しかないという結論に達しました。音楽に言葉を載せて直接患者さんの感性に訴えかけてれば良いと考えました。
私は今まで心療内科・精神科医として何百、何千という外来患者さんや企業における不調者面談を行ってきましたが、その経験の中で彼らのほとんどが最も苦しんでいる特徴的な事柄に焦点を絞り、それらに対する解決方法を短い歌詞にしました。この度、才能あるLica先生とのご縁で素晴らしい作曲をして頂き、私の理想通りの大変説得力のある曲を作って頂きました。後はこれを少しでも多くの人に聞いて頂き、病める人悩める人達の少しでもお役に立てば、作者の喜びとするところです。
解説2
今この瞬間(とき)を
この曲のタイトルは「今を生きることが最も大切」ということを説いています。過去は帰らないし変えることも出来ませんが今と未来は変えられるということです。今に集中して生かされている今を感謝を持って明るいものとすれば、未来も明るいものとなってくるということを語っています。
君は何を考え続けているの
いつまでも何に囚われているの
心の悩みに振り回されないで
もっと良いことを考えようよ
リブ イン ザ モウメント
リブ イン ザ プレシャス モウメント
人間は一つのことを集中し考え続けている時は他の合理的な脳の機能は停止しています。そしてその内容が暗いものであれば感情脳は緊張し、さらにそれが持続する時は感情脳の支配下にある自律神経は疲弊し、やがて不安や緊張と共にそれが心身にも悪影響をもたらします。これらの悪循環を止めるには、考え続けている事を止めて、今に集中することが必要となります。そうしなければ、良いことを考えようとする合理的、または理性的に働く脳の機能が蘇ってきません。Live in the moment Live in the precious moment「今を生きる」というよりも「瞬間を生きる」さらにそれも「貴重な瞬間を生きる」という気持ちが大切なのです。すなわちNothing is more precious than time 時間より大切なものはこの世にはないのです。すなわちあなたが心配していること以上に、今という大切な時間を失っている方が不幸だということを言っているのです。
悲しいことばかり考えないで
嫌いな人のことばかり考えないで
あなたを支えてくれる人がいる
あなたを必要としている人がいる
リブ イン ザ モウメント
リブ イン ザ プレシャス モウメント
私達の悩みの多くは対人的なものです。現在それらを原因とするストレス関連疾患が激増しています。人に認められない。侮辱された。プライドを傷つけられた等々様々な人間関係で悩んでいます。これらも人の心に囚われを作り、脳に局所的な疲労が生じ脳全体の活力が低下し幸福感が低下します。うつ病の患者さんを多く見ていると、時に患者さんは欲が深いのではないかと思う時もあります。それは優しい奥さんがいるのに会社の対人関係で悩むサラリーマン。立派な親兄弟がいるのに適応障害となった新型うつ病の若い患者さん。すなわち自分に良くしてくれる人に感謝せず、自分を認めてくれない都合の悪い人の事ばかり考え、そしてそれに囚われ苦しんでいるのです。人に認められたいとか愛されたいとかを思い続けたり、心のより所が欲しいと考え続けるのではなく、もうあなたこそが人のより所とならなければなりません。あなたには友人や家族あるいは子供がいませんか?あなたを必要としている人はいませんか?人は時間の経過と共に成長しなければなりません。そのためにも今この時に集中して前進して生きることが大切なのです
大切な人を亡くしても
その人の心は無くならない
その人にさようならを言おうよ
その人に有り難とうを言おうよ
大切な人を亡くすことは大きな喪失体験となり、精神に大きな衝撃を与えます。しかしそれはその人の肉体の死であって、その人が自分に与えてくれたその人の記憶や心まで消失することはありません。それはあなたが生きている限り続きます。いつまでもその姿を追い求めず別れを告げて下さい。有り難うという言葉の意味を知っていますか。それは災難、困難、苦難の「難」があると言うことが「有り難い」ということなのです。それは愛する人を失うということが自分に「今まで大切な人がいてくれて有り難う」という意味なのです。それを分からせてくれて有り難うという意味なのです。ですからさよならを言った後に、亡くなった人に感謝し有り難うと言わなければなりません。それをしなければ今を生きることが出来ないのです。亡くなった人もあなたがそうすることを望んでいるでしょう。
どんなに苦しいときもじっと絶えて
どんなに悲しいときもあるがままに
苦しみも悲しみもすべて受け入れて
そうすればやがて希望が生まれてくるよ
あるがままに今を生きよう
今この瞬間(とき)を生きよう
リブ イン ザ モウメント
リブ インザ プレシャス モウメント
精神療法の中にMourning therapy (喪の仕事)という方法があります。人は悲しみや苦しみを抑圧すると精神的な病に陥ります。ですから悲しい喪失体験や苦しい出来事は否定したり逃げたりしたりせず、あるがままに苦しみや悲しみを受け入れることが必要です。そうしなければその先が見えてきません。しかし何回も苦しみや悲しみが襲ってきます。それに逆らわず囚われず、あるがままの今を生きて下さい。そうすればどう生きたら良いかが分かってきます。今この瞬間を生きて下さい。今この貴重な瞬間ほど大切なものはこの世にはないのです。