【39うち試写会2】 2004年10月、経済的に困窮する家族を救うためある荷物をフランスへ運んだ韓国人主婦ジョンヨン(チョン・ドヨン)は、オルリー空港で突然逮捕される。夫の友人から金の原石と聞かされていた荷物の正体は、何と麻薬だった。言葉も通じない異国の地でろくに弁解もできないまま、彼女は祖国から1万2,400キロも離れたマルティニークの刑務所に送られ……。
2006年に韓国のドキュメンタリー番組で紹介された衝撃の実話を基に、麻薬密輸容疑で逮捕され、投獄された主婦と家族の絶望と奮闘の日々を描くドラマ、言葉も通じない異国の地で地獄を味わい家族のもとへ帰るため闘う主人公を、『シークレット・サンシャイン』でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞したチョン・ドヨンが熱演。
旦那が連帯保証人になってて破産し、生活苦から、「課税を逃れるために金の原石を密輸する仕事をしてほしい。もし見つかってしまっても税金を払えばいいだけなので問題ない」という儲け話に乗ってしまったら、実は運んでいたのは大量の覚醒剤、という、日本人でも知ってか知らずに密輸に関与してしまい、その国の法律で重罰を受けてしまうという、とってもリアルな(いや、このお話は実話を元にしている)ストーリー。
最初は旦那のあほさ加減に怒り、そのうち主人公である妻に怒り、次はフランスの政府や刑務所や看守に腹が立ち、そして韓国のフランス通商代表部に怒りの矛先が行き…ととにかくずっと誰かに対して怒りまくっていた。
すべてがすべて「さもありなん」で(いや、ほんとうにあった話なんだってば)、ほんま腹が立って腹が立ってしかたがない!
普通に旅行しているときだって、何かトラブルがあったりして困ったときに、言葉が通じないことへのドキドキったらありゃしないのに、犯罪に巻き込まれてしかも自分が犯人だなんて(知ってか知らずかはさておき)そのときの不安って想像を絶する。
ましてや、取り調べを受け、投獄されて、裁判すら受けさせてもらえない、通訳も付かない、これからどうなるのかもさっぱりわからない状況に自分が置かれるなんて…と、ストーリーが進むにつれ、主人公ジョンヨンにどっぷりと感情移入していく。
といって、この映画を観て、韓国政府がどうのこうのと批判する気は無い、どこの国でもこんな公務員っているだろうし、新聞の社会面の片隅の小さな記事で、日本人がどっかの国で麻薬の不法所持や密輸で捕まったって記事を読んでも、「ふ~ん」ってな程度の反応しかせず、その背景やその後の裁判とか待遇にまで思いをはせないってのは日本国民も同じだろうし。
夫婦愛、家族愛に感動し、ジョンヨンの強さに感動し、そしてジョンヨンを演じたチョン・ドヨンの演技に感動した。
ほんと、涙が止まらなくて止まらなくて…そしてクライマックスでは涙がどばーっ(T_T)
2点だけ気になったところを書くとすれば、韓国の作品らしくちょっとしたところにちょっとした笑いをあっちゃこっちゃに散りばめる点、その場面がものすごくシリアスなところでもなのだ。
それと、ジョンヨンを演じたチョン・ドヨンの容姿が、化粧や衣装ではぼろぼろになってはいくが、肉体的にはちっともやつれていかないこと、撮影期間がどのくらいだったのかは知らないが、もうちょっと肉体改造も(激やせ)してくれたらさらにリアリティが出ただろうにってのが残念だった。
8月29日の日本での封切りの時点で、東京1館、神奈川2館、愛知1館、京阪神3館、福岡1館の上映のみ、それがたまたまTOHOシネマズ川崎で掛かっていてよかったよ、ほんまにいい映画を観させてもらった。
気をつけよう!今日から私も麻薬密輸犯…
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