未完の世界 Imperfect World

アーティスト佐々木久枝のブログ
自身の作品、生花と墨象を融合させたアートについて紹介。そして時々日々のこと。

展示を見て考えた

2015-06-29 11:58:56 | 日記
先日、西荻窪のギャラリーみずのそらで開催されていた「キボリコキボリオの世界の名画展」を見に行った。

キボリオさんの絵は知人を通じて知っていて、とてもユニークで自由な感じがとても好きで、見に行くのが楽しみだった。

今回の作品たちははご夫婦で描かれたそう。





額も自分たちで段ボール素材?をペイントしたものを使用していた。

なんかね、ほんと楽しんで描いたのが伝わってくるし、鑑賞するほうも楽しい気持ちになってくる。
すごい気持ちが明るくなる作品。
もうちょっと作品アップのものも撮影すればよかったなあ。

展示を見ていて、私は楽しんで作品を描くこと、作ることを忘れていたことに気づいた。
アーティストにとって一番大切なことだよね。
あるとき、私の作品を師匠が見て、もっとクオリティをあげなくてはいけない…、といわれ、そのとおりだけど、それに囚われて苦しくなって何もできなくなっていた。
※師匠のせいではない。自分で思い込んでいたのだけど。
もちろんクオリティをあげることは大切だし、産みの苦しみもある。でも一番大切なのは製作するのが楽しいかどうかだと思う。

その後、作家さん、そのとき来ていたお客様たちとビール片手に昼間からずっと話をしまくり。
刺激的で楽しい時間だったなあ。

その後話の中で、私が、「他の人に真似されないような(真似されたことをまだしつこく嫌だと思ってる(苦笑))、人と違うものをつくりたい」といったら、キボリオさんがこの一説を教えてくれた。
E.H.ゴンブリッチ「美術の物語」の中ににある言葉で、

「なんで、あなたまで皆とちがうことをしなきゃならないの?それじゃ皆と同じじゃない。」
スタン・ハント 1958年


これを見て、絶句。苦笑。
あ~、そうだな。
結局はみんなと同じになっちゃう。
そもそも人それぞれ違うし、そんなことに気を取られなくていいのではないかと。
もっと考えることがいっぱいあるし。
そしたら今までのモヤモヤが少しだけ消えていった。

この後、展示で販売していた「皮革の手帳」が気に入って購入。



絵を買えなかったことが残念だけど。
でもこの手帳を見て、この時感じたことを思い出そう。





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