40歳代のある日、自分はこんなに惨めま存在だとビックリしたことがある。それ以前は、全能感をもった王様気分のころもあったが、まあ普通の人間だと思っていた。そんな私がはだかの王様みたいだと思うようになった。紙一重でとんでもないことが起こる。これについては後日書かせていただくが、自分のこころ(成育史)に関わる健康の問題に出くわしたとも言える。
50歳代後半になってきて、今度は自分の身体が有限で、病とか死と意外にも紙一重であることを学ぶようになった。自分と殆ど同じような方々(あるいはもっとお若い)の病気や死である。そして、自分の体力も年相応に下降線になってきた。当たり前のことだが、人は、簡単に病気になったり、死んだりする存在ということを実感するようになった。
もうひとつ、「生き甲斐の心理学」を10年以上学んできて、自分の理性が意外と頼りなく、それを包むような人間の感情とか体感なども、とても大切であることを学んだ。≪人の身体は神の神殿≫と聖パウロが言ったが、身体は単なる物理的なものではない、神秘的な奥行きがあるのだ。そんな身体への関心が、ますます深まってきた。
そんな、二つのベクトルが交差するかのように、素晴らしい出会いがあった。U先生や生き甲斐の心理学のお仲間、U先生の太極拳のお仲間と昨年末、鎌倉の寅堂で忘年会をしたのだが、その時に太極拳の達人A先生にお会いする幸せがあったのだ。
それから、3か月後。≪うきうき太極拳≫サークルが産声を上げた。3月3日の雛祭りに八王子でスタートさせていただいた。この年になると、自分だけでいい想いをしようというより、仲間と喜びを共有したいということが大きくなる。心身ともに爽やかになり、世のため人のために役立てればということもあり、サークルとなった。
今まではU先生から貴重なこころの健康については学んだが、身体の健康を素晴らしい師から学べるのはとても素晴らしい。私は幸せものである。師の素晴らしい演武をご覧ください!
断念と再生 6/10