日本の進路を考える

戦後70年が過ぎてもいまだに自立できない日本を考える。

この金融政策が日本経済を救う、高橋洋一、光文社新書381

2009年02月19日 | Weblog
例の埋蔵金の功労者(笑)東洋大学教授になってからはテレビやマスコミへの
露出度も高く、経済政策についてのはっきりとした解説がこれまでの方々に
比して極めて明快で分かり易く、この本にも大いに期待した。

読んでみて、なるほど、そうなのかとよくわかったつもりである。
この分野で日本ではあまり勉強もせずに昔ながらのことを言い続ける一昔
まえの大学教授タイプが多く、時代遅れのことを権威で隠してしまうので
全体に金融政策の世界との競争力が無くなっている、というか、政策ミス
ばかりであると、特にこの二代の日銀に厳しい。

FRBのバーナンキとはプリンストンで机を並べていたと言う経歴であり、
当時から日本の金融政策を見る世界の目を意識してきた一人。

世界は日銀政策がうまくいかないことを当の昔に予言しているしコメントも
しているが、なぜか日銀は早すぎる金融引き締めばかりをやって、日本経済
の勢いを抑圧してきた。その歴史的咎は大きい。

不況とはいえ絶好調の企業もあるのに、株価が正当に評価されないのは、
ほとんどが、日本の金融政策の誤りから来ているし、デフレ脱却への手段も
きちんと認識されていない。

易しく解説したとあり確かに易しいのだが、筋道は明快に示されている。
ひょっとしたら日銀幹部や金融政策の官僚達への解説書のつもりで
書いてあるのかもしれないと思ってしまう。(笑)

現在の日本の不況が必ずしもサブプライム問題に起因しているのではなく
数年前の誤った金融政策の結果であり、そこをマスコミがまったく理解
していないことを指摘している。金融政策の効果は少くとも半年、長いと
2~3年で効果がみえる長期的展望に立つものであり、振り返ればそれが
明快に見えているという話しである。

日本経済の復活のためにも、再度政策提言の立場に戻っていただきたい
一人である。一度引いたものが口出しするなと竹中元大臣を現役が批判
しているが、その態度にこそ痛いところを突かれてうろたえている金融政策
担当者が透けて見える気がする。

民主党の不勉強も厳しく指摘している。世界の見えている日銀副総裁候補
の一人である伊藤東大教授を嫌がらせに近い形で不同意したことの罪は
大きい。
こういう政党には危なくて政権を任せられないとも。
同感。

写真:この厳しい寒さも緑のままで乗り切った庭の芝生。
   昨年夏の猛暑と砂漠のような渇水で枯れたところに
   冬に強い芝生の種を蒔いたものである。
   夏場にどうなるだろう?



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