黒澤明監督の昭和24年(1949年)の作品。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%99%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%82%8B%E6%B1%BA%E9%97%98
戦時中、軍医だった藤崎(三船敏郎さん)が、梅毒患者の兵士の手術中に、梅毒にかかってしまう。
戦後、許婚(三條美紀さん)に言えず、別れていく作品。
藤崎が許婚(いいなずけ)を送るシーン(バラが絡まる塀を通る場面)で、自分のことを暗に伝える会話:
藤崎「例えば、ここに一人の男がいるとしますね。
これは、他の話ですよ。
男でも女でも良いのです。
その人間は、その人間の肉体は、純潔であるにもかかわらず、純潔でない。穢れている。
そう言う場合もあると貴方は想像したこと、ありますか?」
真面目な青年医師を演じた、別の役者を見せた三船敏郎を見ることができる。
医学的にみたら、現在のHIV感染患者の苦悩を伝える普遍的な映画にも見えました。
医学的な見地から、この映画のコメントもありました。
http://www.iryokagaku.co.jp/frame/09-webik/09-webik-0304/screen01.html
閑話休題:
父(志村喬さん)と藤崎(三船敏郎さん)の会話も良かった。
息子が梅毒になった本当の理由を聞いた後の会話:
父「お父さんは、恥ずかしい。恥ずかしい想像をしてしまった。」
息子「父さん、そんな・・・・」
父「いや、親子だって、謝るべきことはちゃんと謝らねばならん。
どうか、勘弁してくれ。」
映画の中から感じた昭和24年頃のファッション:
藤崎(三船敏郎さん)のネクタイは、クリスマス・ツリーのような幅広のネクタイで、しかも、ネクタイの先は、ズボンのベルトより上で終わっていた。
今の感覚から言うと、一寸、変な服装。
映画は、画面を通して、色々な情報を伝えてくれる。