天声人語のCMがあった。
「愛の反対は憎しみでなく無関心だとも言う。それなら憎しみの反対は何か、と考えてしまう。」
全文は、ここを参照:2009年1月9日。
http://tenjin.asahi.com/zenbun.html
ロジカル・シンキングのMECE(もれなく、だぶりなく)で考えると、ロジカルでない。
・関心と無関心で、MECE
・関心の中に、愛と憎しみがあって、それでMECE
正しいMECEの考え方は、次のロジック・ツリーとなる。
-+- 関心 -+- 愛
| |
| +- 憎しみ
+- 無関心
「愛の反対は憎しみでなく無関心だとも言う」、この文章が誤っている。
愛の反対は、憎しみが正しい。
「好き」と「嫌い」も同じ。
関心がある人に対して、好き嫌いが発生する。
無関心(関心がない)な人には、好き嫌いもない。
今日、歩いていて、すれ違った、無関心な人に、好き嫌いの感情は起こりましたか?
冒頭の天声人語が正しいとすると、次の文章になる。
「好きの反対は嫌いでなく無関心(な人)だとも言う。それなら嫌いの反対は何か、と考えてしまう。」
明らかに、間違っている。
ロジカルに考えるということは、常に、日頃から、「あれ?」と思うことが大事。
私も、このCMを聴いた時、「あれ?」と感じた。
また、私は、朝日新聞が、何故、この文章を選んだのか?
選考者のレベルを問う。
この文章の冒頭は、天声人語の全文を読むと、この表現は、全く問題ないと考えている。
筆者の主張が込められている文章なので、逆に、響く言葉、あるいは、あれ?と考えさせる言葉である。
しかし、天声人語に興味を持たせるためのCM用の言葉としては、ロジカルでないので、難ありと考える。